まおちゃん&あっきー合作小説漫画
王家の指輪に秘められた恋物語
<前編>

作:まお様  漫画:あっきー


そう言って平次は静華に一つのカードを見せた。
「なんやの・・・コレ・・・。まるで予告状みたいやないの?」
「みたいやのーて、そうなんや!KIDからの予告状や!」
そう、平次が朝、新聞を取りに玄関のポストまできてみると、自分宛の郵便物が入っていたので、その場で封をきって中を見てみるとKIDからの予告状で、つい叫び声をあげてしまった・・
というワケである。
しかも書かれていた文面が


新たな一歩を踏み出すものよ

我がかわりに踏み出すため、ハワイ市立美術館にて

展示物のひとつ、「王家の指輪」を頂きに参上する。


気をつけるべきですよ。一緒にあなたのハートまで

頂いてしまうかもしれませんからね?vvv

                                
                           あなたの心をも盗む
                                   怪盗KID
こんな内容であれば、あんなふうに叫びたくなる気持ちも多少はわかる。
「あらあらあら、なんや大変なことになりそうやねぇ。」
「・・なりそうやのーて、もう大変なことになっとるんや!KIDからの予告状がきた時点で!」
(っとに・・・このおばはん、どっかぬけてんねんから・・・)


一時間後

「えー!?平次がハワイに行ったー!?」

和葉が平次を向かえにやってきたのだが、どうやら平次はすでにハワイの問題の美術館へと旅立った後だったらしい。

「そうなんやぁ。なんや、怪盗キッドから平次宛に予告状がきてなぁ。うちの人も警察のみんなも、学校あるねんから、せめて学校いってからハワイの方に行き、ゆうてんけど、

『オレにうられたケンカやっ!オレがうけるしかあらへんやんけー!』
いうて、いってしもーたんよぉ。

一応国境こえとぉから、いろいろ問題があってややこしゅぅなるねんけど行く、いうたらきかん子やからなぁ」

静華が今までの状況を和葉に話して見せた。

「・・・おばちゃん、平次が出かけたんいつ頃・・?」
「つい、20分前やで?今ごろ関西空港についてる頃とちゃうかな?」
「ハワイ・・・。うちに何の連絡もせんと・・・勝手に・・・。おばちゃん!
うちも今から平次のあとつけてハワイに行ってくるわ!」
「・・え・・ええ?!」

半分ヤケになった和葉も準備を整え、そのまま関西空港へと向かった。



ー関西国際空港ー

「ハワイ行きの便・・・出てしもうた後やぁっ!!」

空港に和葉の声がこだました。和葉が空港に着いたときには、時すでにおそしで
平次の姿はどこにもなく、つい15分まえの便で日本をたってしまったらしい。

「アカン・・。次の便は・・2時間後や・・・」

ため息とともにイスに腰をかけた和葉も2時間後、ハワイ行きの便に搭乗した。



ーハワイ市立美術館ー

「なんでやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?」

美術館にはすでに警察官が集まり、一時閉館となっていた。
平次が絶叫した理由は閉館になっていたからではない。
一応平次も日本警察から連絡を受けた現地の警官の案内で館内にいるのだから。

そう、平次が腰を抜かすほど驚き、絶叫した理由は、平次が館内に入るなりある光景が
目に飛び込んできたからである。

その光景とは・・・。



「・・ったく、うっせーなぁ。おめー「近所迷惑」っつー言葉しってんのかぁ?」

すでに現場入りし、問題の指輪を調べている人物がいたからである。
そう・・その人物とは・・

「近所迷惑て・・そんなことどうでもええねんっ!!・・なんで・・・、なんでお前がここにおるんや!?工藤!!!!」

そう、東の名探偵の異名をもつ、高校生探偵工藤新一だった。
しかも、江戸川コナンの小学生の姿としてではなく、高校生の姿として現場に臨場していたのだ。

「何でって・・オレん所にもKIDからの予告状がきたからだよ・・。
しかもご丁寧に盗む時間まで教えていただいてるぜ。その様子じゃぁおめーの所にもきたみてーだなぁ・・」
「オレがきいてんのはそんなことやのーて・・、何で元の高校生の姿にもどってるんや!?黒の組織はどないしてん!?」

ここがハワイだからか、平次は周りのみんなにはばれてはいけないようなことを、
さっきから大声で叫んでいる。

「だーー!!おめぇ、ここは外国でも、日本語しゃべれるやつ多いんだよっ!!
そんな大声で話すなよっ!!」

新一は冷や汗をかきながら、平次の発言をかきけすかのような大声で叫んだ。
どうやら現地の警察官は、誰一人としてこの日本語のやりとりを理解できていないようだった。
誰も日本語を話せるものがいなかったようで、平次と新一は一安心をした。

「で?説明せーよ、工藤。何でお前もとの姿にもどってんねん?」

平次にも学習能力はあるらしい。日本語を理解できる現地のものはいないとはわかっているが、念のため小声で新一にだけ聞こえるように話し掛けた。


「解毒剤だよ、灰原と博士が協力して作ってくれたんだよ。」
「じゃぁ、お前もう二度と小学生の姿にはもどらんっちゅーことか?」
「それが、まだわかんねーんだ。この薬が成功したものなのかどうか。
だからまだ蘭や和葉さんたちにはオレが戻ったことをいわねーでくれよな?」
「えらいおおざっぱやのー・・・。まぁわかったわ。・・ふっふっふ・・・。理由はどうであれまた工藤と推理しあえるやなんて、なんや心がはずむわー♪」
「おめでてぇやつ・・・」


その後、東の名探偵と西の名探偵、そしてハワイ現地の警察官とで指輪を守るための警備の確認がとられる事となった。




三時間後


「やっと・・・やっとついたのに・・・・・何で閉館やのんんんんんん!?」

和葉は迷子になりつつも、問題の市立美術館にたどりついたのだが、さきほども説明したように警備のため、一時閉館となっていた。

「はぁ・・アホらし・・・。冷静になって落ち着いてみたら、うちこんなところまできて何してんのやろ・・」

和葉がそう一言もらして、美術館の目の前の道路をはさんだところにあるベンチに腰をおろしたときだった。

「こっちがええんちゃうんかぁ?」

いつも当たり前に聞きすぎて、一瞬きづかなかったのだか、ここはハワイ。
日本ではない国で今確かに日本語を耳にした。しかもいまの特徴あるはなし方、あの声は・・

「へ・・・もしかして・・・」

和葉がベンチから立ち上がり、美術館の方を見ると、美術館の角から平次がでてきているではないか。
守備位置の確認のため、美術館の周りを歩いていたらしい。

「平次・・よかった・・平次!!へい・・・・」

平次を呼び止めようとする和葉の口が止まった。
正確にいうと、口をポカーンとあけたまま動けなくなってしまったのだ。

理由は、遠くにいるためか、守備位置の確認に夢中になっているためか、和葉の声が聞こえないでいる平次にこれ以上叫んでも無駄だと感じた・・・から、呼び止める声がやんだわけではない。
理由は美術館の角から出てきた平次に続いてとある人物も出てきたからである。

その人物とは・・

「なぁ・・やっぱこっちのほうに警備かためた方が絶対ええって!工藤!」
「・・そうだな・・。今までの奴の手口から考えて・・・。そうしようか・・・・」

そう・・、先ほども平次も出あったときに驚きを隠せなかった人物。


「く・・・工藤くんやん!!あれっ!」


工藤新一が平次の後ろに続いて歩いてやってきたからであった。

「なんで平次と一緒にここにおんの!?蘭ちゃんこのこと知ってるんかな・・?
と・・とりあえず蘭ちゃんに電話やっ!!」

和葉は電話BOXへと駆けつけた。

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