平次ふぁんくらぶへの貢ぎ物
怪盗キッド&DNANGEL小説<第2章>
作:神津月斗様

毛利探偵事務所 ー八月一日ー


コナンは小五郎に届けられた警察からの依頼されたキッドの予告状をみて、頭を抱えていた。

「漆黒の闇に白き光が飲み込まれる・・・これは月のでない朔の日の事だ。今度の朔の日は8月の8日だから・・
予告日はそれで良いとして、問題は時間だ・・青き水の星は宇宙全体で水のある星は地球しかない・・
だから地球だとして、赤き死の星は・・火星・・火星のメロディーを地球の鼓動に合わせる。
キッド・・俺が音楽苦手なのを知ってたのか?」

そうコナンがため息を付いた瞬間、事務所の電話が鳴った

プルルルルッ プルルルルッ

「そういえば・・今日はおっちゃんも、蘭も出かけてて事務所には俺一人だったっけ・・」
そう呟きながら電話を取った。

「はいもしもし〜」
「おお!工藤か?」
電話越しに大阪弁をしゃべる少年の声が聞こえた。

「なんだよ、服部か?」
「相変わらずつれないやっちゃのう〜、せっかくキッド絡みの情報持ってきたっちゅうのに・・・」
「おい、それ本当か?」
「そや、どうせ音楽の苦手な工藤の事やから火星のメロディーあたりでつまづいとるちゃうんかな〜思うてな
火星の資料を読みあさってたら面白い事に気付いたんや!
多分これで時間は解けると思うで、火星の一日は二十六時間らしいわ。
蘭ちゃん、久しぶりやな、源氏蛍事件(起こったのは4月だと考えてください)以来やから四ヶ月ぶりやね」

「・・・そうか!これで予告時間は解けたぜ、服部!
って服部さっきお前の携帯から和葉ちゃんが蘭の名前を呼んだような気がするのは気のせいか?」
「気のせいやないで〜、俺は今東京におるんや!どうしても工藤に会いとうてな。」
「切るぞ・・」
「すまんすまん、冗談や!冗談!本当の目的はキッドや、俺の住んどる大阪の方で妙な噂が流れとんのや
怪盗キッドによく似た奴がトパーズを盗みまくっとるんや、姿形はキッドそっくりなんやけど、
あれはキッドの仕業とちゃう!キッドやない別の人物がキッドに罪を擦り付けようとしてんのや!」

「キッドの偽物を捕まえるためにわざわざ東京まで来たのか・・面白そうだな、俺も乗るぜ?その事件に」
「それでこそ、俺の工藤や!」
「いつから俺がお前の物になったんだ?」
「んな、固い事言うなや〜取りあえず今日はそっちに泊まらせてもらうさかい、明日からやるで〜!」

電話越しに危なげな事を明るくいう服部にコナンはガクッと肩の力を落とした。



 
ー八月一日 午後9:00 ー

ザーーッ
夏の干からびた大地を潤すように、急に雨が降ってきた。

「やばいな・・これ以上飛ぶとウィズが持たない・・。どこかで雨宿りさせてもらうとするか・・」
ずぶぬれになりながら、夜の大空を漆黒の翼をもって飛ぶ一人の少年がいた。

「あそこのマンションだけ、明かりがついてない・・どこかに出かけてるみたいだな・・すこし雨宿りさせてもらうぜ?」
そういって少年がマンションのベランダに足を踏み入れた。

「今日は、お母さんもお父さんもお仕事で遅くなるから早く寝てなさい・・って言われたけどやっぱり怖いよ・・コナン君助けて・・」
少女は、怖さゆえに片思いの彼の名を呼んだ・・

ピカッ ゴロゴロ ドッシャーン

「きゃっ!」
大きな雷が落ちた。

雷の光でベランダに誰かの人影を見つけた。
少女はビクビクしながらも窓のカーテンを開け、その人影の正体を知ろうとした。

「あなた・・誰?魔法使いさん?」
ベランダには、ずぶぬれになりながら通り雨をしのいでいる少年を見つけた。

「ごめんな、小さなレディー。俺の相棒が塗れたら困るから少し羽を休ませてもらいたいんだ・・いいか?」
「うわっ、魔法使いさんずぶぬれだよ?!待ってて歩美タオル持ってくるから!」
そういって歩美は洗面所からタオルを二枚持ってきた。

「ありがとな、歩美ちゃん。ウィズ・・お前も感謝しろよ?」

ウキュ〜
少年の手の中でウィズと呼ばれたそのウサギらしき物体は弱々しく鳴いた。それを見て歩美は
「うわぁ〜可愛い!」
と言った。歩美からタオルを受け取った少年は一枚のタオルで優しくウィズの身体を拭いてやり、もう一枚のタオルで暖かくウィズをくるんだ。

「これでよしっと・・雨が止むまでここで雨宿りさせてもらうぜ?歩美ちゃん。一つ聞きたかったがどうして俺のことを魔法使いって呼ぶんだ?」
「だって、お兄さんは紫の髪に黒い服着て黒い翼を持ってるじゃない?
金髪に白い羽だったら天使さんだけど、お兄さんは黒い翼をもってるから魔法使いさんなの!
ねえ、魔法使いさん・・雨が止むまでじゃなくって、今日歩美のお母さんとお父さん出かけてるの・・歩美が寝るまで一緒にいてくれないかな?」
歩美はそう、少年に願った。

「いや・・ウィズの恩人だし、美人の交渉にはおおじるぜ?」
少年はウインクしながら返事を返した。

「じゃあね〜歩美が寝るまでやってほしいことがあるの!魔法使いさんの名前と歩美が寝るまで何かお話しして!」
そういって、歩美ははねるウサギのようにベットに潜り込んだ。一通り身体に付いている水滴を拭ってから少年は歩美の部屋に足を踏み入れた。

「まずは俺の名前から教えようか・・ってお前俺の事知らないんだな・・結構有名人なのに・・知らないか?怪盗ダークっていう怪盗の事」
「ううん、ごめんなさい。歩美が知ってる怪盗さんと違うみたい。
歩美ね、夏にお兄さんが入ってきたベランダで、怪盗キッドっていう怪盗さんに会ったんだ。
歩美寝る前に怖〜いドラキュラの話をみてたから、怪盗さんのことドラキュラだと思ってたの!
あとからコナン君に聞いて、その怪盗さんがキッドって知ったんだ!」
歩美は目をキラキラさせて(暗闇だからよく分からないが)そのことをダークに話した。

ダークは歩美を見てあることに気が付いた
「へぇ〜俺の他にも怪盗って居たんだな。じゃあ、俺の名前教えてやるけど・・こいつ(ウィズ)の事は秘密にして置いてくれるかな?」
「うん!」
「まずは、俺の名前からだな・・世間では怪盗ダークって呼ばれてる。さてと・・歩美ちゃん何のお話がいい?」
「えっとね〜、歩美はダークさんのお話が聞きたい!どんな物を盗んだとか、空を飛んでるときどんなこと思ってるとか!」
「そうだな〜俺が復活したとき最初に盗んだ物は聖なる乙女像・・盗んだのは良いんだが・・
もう一人の相棒がしくじったせいで捕まりそうになった事があるな・・」

それから、ダークは歩美が寝るまでいろんな話をしていた。歩美が眠ったときはもう雨は止んでいた。

「それと・・一つだけ教えておいてやるぜ?歩美ちゃん・・世界のありとあらゆる美術品が怪盗や泥棒に盗めても・・恋する女心だけは盗めないんだぜ?」
そう言い残した後、部屋の窓の鍵を閉め翼を広げ帰っていくことにした。

(あ〜ぁ、今日は美術品盗み損ねちゃったね、それにしても変わってるよなぁ〜ダークの他にも怪盗がいたなんて!)

「まあ、美術品の一点や二点また盗めばいいじゃねーか、大助。」
(よく言うよ、後で母さんに怒られるのは僕なんだからね!)

そう二人はいいながら、家までの距離を飛んでいる途中、下の方から自分達に向けて素早い物が飛んできた!
しかし、それを感じ取ったためそれはダークには当たらなかった。

「なんだ・・これは矢じゃねーか。」
(ダークあの赤い屋根の上に人がいる!)

「んな事分かってるよ!」
そういってダークは自分達に矢を発射してきた人物を見つけた。

その人物とは・・つい先日キッドから予告状を受け取った雪平 湊であった。

アーチェリーの弓矢を極限まで引いた状態で、ダークの方に矢先を向けていた。
「降りてきなさい!怪盗ダーク!でないと、この矢をあなたの心臓に向けて発射します」
 
 

 
第三章へ
神津月斗様のあとがき
ついに出したぜ、怪盗ダーク&大助!
歩美ちゃんの家で雨宿りするっていう設定は世紀末の魔術師でキッドが歩美ちゃんに会うシーンを思い出してやってしまいました。
言っておきますがこの話・・軽く三十話超えます。みなさん覚悟して読んでください!
ちなみにここで宣言しておきます!
この話で黒の組織はダークを狙っている(研究材料として)黒衣の騎士出します!
本当に黒衣の騎士って言う小説タイトルありました!ビックリです
大ちゃん登場!(すいませんっ私ダークより大ちゃん好き←何)
歩美ちゃんとダークが接触!!もちろん世紀末の魔術師を思い出しました!あのシーンは良かった・・・(TVはカットされてたけど)
黒衣の騎士も登場予定?!もちろん楽しみにしてますとも!!byあっきー

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