高校生活 〜放課後 BEST FRIEND FOREVER〜
作:真希様
    

        
「いった・・・何するのよ!百合亜お姉ちゃん!!」
 
桜杞は左手の左の頬を押さえながら叫んだ
 
「誰にもぶたれたことないのに・・・」
「そうね・・・桜杞・・・だからそんなに性格が曲がっちゃったのかしら?」
「花音お姉ちゃん・・・」
 
純麗がSPを退かせた。
 
「待ちなさい!捕らえるのよ!」
「桜杞・・・あなたは・・・和葉ちゃんと蘭ちゃんが自分の存在を否定していたお母さん・・・血のつながってない、
蒸発したお母さんに似てるから嫌だったんでしょう?」
 
蘭と和葉は顔を見合わせた
 
「お母さん・・・?」
 
百合亜が蘭と和葉の方を向いて説明し始めた
 
「桜杞は・・・うちの父親と、愛人の間に出来た子なの・・・」
 
桜杞はその言葉にビクッと身体を反応させた。
初めて桜杞がそんな姿を見せたのだった
 
「この子を父親が家につれて帰って、母親、私、花音、純麗・・・そしてその当時はまだいた双子の兄・・・
雨叶(ウキョウ)と咲叶(サキョウ)に説明したの・・・私達キョウダイしか桜杞の存在を認めなかった・・・
その兄貴達と平次君、新一君は顔も性格も声も瓜二つなのよ・・・」
 
新一と平次は顔を見合わせた
 
「おっ俺達と?」
「ええ・・・だから手に入れたかった・・・桜杞・・違うかしら?」
「・・・・・・・・・」
「私も初めて平次君がこの店に来てくれたとき驚いた・・・もしかしたらって思った。
それは姉さんたちも一緒だと思う・・・ちょっと話がずれたわね・・・
お母さんは絶対桜杞を受け入れない・・・絶対西園寺家の娘じゃないって言い張ったのよ・・・
それで桜杞はずっと自分だけ差別させられてきた・・・私達はまだ幼くて、そんな桜杞を見ててもどうしようもなかった・・・
何も出来なかったのよ」
「そして母親は桜杞の存在が嫌で、我慢できなくなって・・・兄貴二人を連れて出て行った・・・」
 
「・・・メテ・・・」
 
「そして父親は他界した・・・そして葬式の時、母親に会ったの・・・私や百合亜ねえさん、純麗には
大きくなったねって笑ってくれた・・・兄貴達はもう社会人で結婚してた・・・でも桜杞にはこういったの・・・」
 
大きく息を吸った
 
「桜杞なんて立派な名前つけてもらって、この葬式に出るなんて・・・この溝鼠が」
 
「もうやめてっ!!!!!!!」
 
そこには今まであった桜杞の姿ではなかった
いつも自信に満ちていた・・・そんな桜杞の姿はなかった
 
「そうよ・・・だから苦しめてやろうと思ったのよ!!きっかけはただそれだけよ!!」
 
すると和葉と蘭の方を睨みつけてヒステリックに叫んだ
 
「笑いなさいよ・・・笑えばいいじゃない!馬鹿じゃないのって・・・笑えば・・・!!」
 
その時桜杞に温かいものがギュッと抱きしめた
 
「和葉・・・」
 
それは和葉だった
 
「何するのよ!・・・離して!笑いなさいよ!」
 
和葉はスゥッと息を吸った
 
「笑うわけないやろ?寂しかったんよね・・・ずっと一人だったから・・・寂しかったんよね・・・
でも、アンタは一人じゃないで・・・?百合亜さんも、花音さんも、純麗さんも・・・うちらもいるやん」
「遠山さん・・・」
 
するとそこにまた蘭が後ろから抱きしめた
 
「もう・・・泣いていいよ?」
 
その言葉に桜杞はどれだけ癒されたことだろう・・・
ためていた涙が一気に出てきた
 
「ごめんなさい・・・今までごめんなさい!!」
 
桜杞の鳴き声は儚く・・・そして悲しく、寂しい泣き声だった・・・
 
 


ー数日後ー
 
「じゃぁ出欠をとるでー!」
「先生!西園寺さんはどないしたん?」
「あぁ・・・はなさないかんかったな・・・家の都合で引っ越すことになってな・・・」
「えー!!」
「今日はもう引っ越す日だからガッコウには来ません。短い間お世話になりましたって皆に言ってたで!」
 
すると和葉が席を立った
 
「先生!私具合悪いから早退します!!!」
 
そして教室を飛び出した
 
「何かあったの?服部君?」
「ん?まぁ・・・橘の知らない事・・・ってところやな?」
「あら・・・ヒミツってことなのね・・・じゃぁ、私も大事な事教えないわよ?」
「なんや?」
「そっちが教えるなら・・・あなたの一生の問題になると思うけど?」
「なっなんやねん!教えてぇな!」
「さぁねー・・・」
「わかった!こっちも教える!せやから・・・!」
「しょうがないわねぇ・・・よーく聞くのよ?」
「ん!?」
「今日和葉の誕生日」
「・・・・」
 
一瞬時間が止まった。
桜杞のことで色々忙しくてすっかり忘れていたのだった
 
「やっヤバイ!!!!!」
 


ー西園寺家前ー
 
「西園寺さん!」
「遠山さん・・・」
「なんやねん!何も言わずに言ってまうなんてズルイで!!」
「・・・あなたたちに合わせる顔なかったのよ・・・」
 
桜杞は穏やかに微笑んだ
 
「北海道にいくの」
「へ?」
「むこうで福祉の勉強しようと思って」
「福祉・・・」
「えぇ・・・あなたみたいに誰かを癒してあげる存在になりたいって思ってるわ」
「・・・なんか照れくさいな・・・」
「あら・・・本当のことよ?」
「あっ!」
 
和葉はポケットから紙切れを出した
 
「これ・・・」
「私のメアドと、携帯、自宅の番号、住所!」
「え・・・」
「うちら・・・友達・・・親友やろっ!」
「・・・遠山さん・・・」
「和葉でええて!」
「和葉・・・」
 
風が二人を包む
 
「元気でな・・・」
「和葉も・・・」
「風邪ひかんよーに」
「ふっ和葉もね・・・」
「なんかあったらいつでも戻ってきいな?」
「ええ・・・和葉も北海道に遊びにいらっしゃい」
「連絡先は・・・」
「落ち着いたら必ず電話するわ・・・」
 
純麗の声が響く
 
「桜杞!あら!和葉ちゃん!また遊びにいらっしゃい!私はこっちであのお店にいるから!」
「はい!」
「桜杞のりなさい!」
「じゃぁ・・・」
 
すると桜杞はリムジンにのっていってしまった
 
「・・・元気でな・・・」
 
和葉の涙が桜の根元に落ちた
 
 
END
 

 えっと・・・一応最終話です。なんかあんましパッとしない終わり方でスミマセン!!
せっかく読んでくださった方には申し訳なくてしょうがありませんが・・・私の力ではここまででした・・・(>_<;)

真希様の小説完結!!
すいばらしい!!!めちゃくちゃ良かったですー(><) いやなんとも西園寺さんの恐怖がひしひしと伝わるところから最後の感動シーンまで、 お疲れさまでした!!お姉さんええ人や〜これからは西園寺さんも変わるよね〜? 平次ファンクラブに投稿ありがとうございました☆(そしてまた待ってまーす)←鬼 byあっきー

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