Time after time〜花舞う街で〜
作:会員no.29真希様

 
ねぇ・・・アナタは私に出会えたこと、よかったって思ってる?
 
もしも君に巡り逢えたら
二度と君の手を離さない
 
「なぁ、平次〜・・・」
「ん?」
「もう卒業やね〜・・・」
「せやなぁ」
「・・・なんやねん。その気ぃ抜けた返事・・・」
「お前こそなんやねん。なんでそんな淋しい顔しとんねん」
「だって!!・・・もう会えんくなる人もおるんやで?」
 
春の終わり告げる花御堂
霞む花ひとひら
 
「せやからって二度と会えんっちゅーわけやないやろ」
「せやかて・・・」
 
蘇る思い出の歌
この胸に今も優しく
 
「・・・桜も咲いてきたなぁ」
「せやね・・・」
 
Time after time君と出逢った奇跡
緩やかな風吹く街で
 
「この道、小中高ってウチらが通ってきた道やん?ここも通らんくなるんやねぇ」
「せやなぁ・・・この桜も見納めかもしれへんなぁ」
 
そっと手をつなぎ歩いた坂道
今も忘れない約束
 
「覚えとる?平次、ここの桜の木登って前の雷親父に怒られたやん」
「あれはお前が桜欲しいゆうたからやろ」
「せやったかなぁ?」
「・・・忘れんなやボケ」
 
風に君の声が聞こえる
うすらい冴返る遠い記憶
 
「またこの桜みたいなぁ」
「家近いんやからいつでも見にこれるやろ」
「・・・そういうんやなくて・・・」
 
傷つく怖さを知らず誓った
いつかまたこの場所で
 
「ま、俺も来年の今頃、この桜の下におるかもな」
「私もそう思う」
 
巡り会おう薄紅色の
季節が来る日に笑顔で
 
「でも平次、東京の大学やで?」
「せやけど、この桜見らんと春っちゅー感じせんからなぁ」
「じゃぁ大阪まで来んの?」
「かもな」
 
Time after timeひとり花舞う街で
散らざる時は戻らないけれど
 
「はぁ〜平次ともお別れやんなぁ・・・」
「せやな〜でもコッチにはちょくちょく帰ってくるし」
 
あの日と同じ変わらない景色に
涙ひらり待っていたよ
 
「んな顔すんなっちゅーてんだろ」
「だって・・・」
 
風舞う花びらが水面を撫でるように
大切に想うほど切なく・・・
 
「平次と離れるのって始めてやん」
「・・・」
 
人は皆孤独と言うけれど
探さずにいられない誰かを
儚く壊れやすいものばかり
追い求めてしまう
 
「せやけど、俺と和葉の仲は変わらんやろ?俺も和葉も変わらんやろ?」
「平次・・・」
「東京に行ったからて俺が工藤や、毛利のおっちゃんみたいになるわけやないし、和葉と離れたからて
 俺が和葉のこと忘れるわけやないし」
「・・・せやけど」
「淋しいのはお前だけやないんやで?」
「平次も淋しいの?」
「あったりまえやがな。ずーっと住んどったこの大阪を離れて知らん地で暮らす事、親父やおかんの声毎
 日聞けんのも、お前の説教聞けんのも淋しいもんやで?」
「・・・」
「あ、だからって毎日電話して説教せんでええよ?」
「すっするわけないやろ!!・・・でも・・・」
「・・・?」
「説教はせんけど、いつも隣におった平次がおらんくなるんやから淋しくて電話するかも・・・」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「なら、俺もお前の携帯に電話するかもな」
「へ?」
「俺も淋しいからな・・・・」
「うん。」
「ほな、帰ろか」
「平次!」
「ん?」
「東京の大学卒業したら絶対大阪に戻ってきてな!!絶対・・・絶対!」
「はいはい。」
「ちょおっ聞いてんの!?」
「戻ってくるがな。卒業したら和葉に言わなアカンこともあるし」
「へ?なんや?」
「まだ教えません」
「気になるやん!」
「おー気になっとけや」
「えーっっ!!」
「ま、お楽しみやな」
 
Time after time君と色づく街で
出逢えたらもう約束はいらない
誰よりもずっと傷つきやすい君の
傍にいたい今度はきっと・・・
 
俺は君に出逢えてよかったと思うよ・・・
これからもずっと一緒にいてほしいって思うよ
      
 

真希様の小説完結!!
ああ・・もうそんな季節なんだなあと実感・・・ 永遠の高校生探偵の平次(何)もいつかはこんな風に別れがくると思うと淋しい感じがします。 卒業したら和葉に言うことって何??何??←聞くな(笑) 親友から一歩出たとこも見たいかも♪←ぇ byあっきー

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