ラン〜RAN〜

ザ・ドクター様

第62話 再会。そして真相。

 



 ヘルガは呟いた。
 「久しぶりですね ケンゴ・アケチ………」
 「………そちらもお変わりなく………元気そうで何よりです………」
 「―――――………ヘルガ………お願いがあります………」
 「何ですか?アケチ?」
 「単刀直入に言います 自首して下さい」
 「………自首………?何故………?」
 「我が警察はドイツの暗殺者を手に入れた………その者の名はシュトロハイム……」
 「そのシュトロハイムにスコルピオンも敗れました」
 「友の貴方が傷つくのを見ていたくはありません………どうか自首し 警察の保護下にその身を………」
 「………スコルピオン様が敗れたのですか?いつ?どこで?」
 「………数時間前………ですね………」
 「悪いがアケチ…………私は自首する気も投降する気もサラサラ無い………」
 「何故ならばスコルピオンは まだ敗れていないのだから」
 「何故ならば……」


 山梨の山中。
 スコルピオンは呟いた。
 「私はまだ敗れていない」
 「何故ならば あれは………」


 「本物の私では無い」


 「本物のスコルピオン様では無い」


 ヘルガの言葉を聞いた明智は叫んだ。
 「何ですって!!?どう言う事ですか?それはッッ」
 「その前に………『ドリー』の話をしなければなりません」
 「『ドリー』……確か どこぞの国が作ったクローン羊でしたね………」
 「そう クローン……………しかし この世の科学は遥かに遅れている」
 「我がネオナチスと比べれば……………」
 「今の世界の科学等 既に数十年前に通過している」
 「………………ッッ…………ッ………」
 「………そして………ネオナチスの科学力はそれだけに留まらない………」
 「そう 産み出したのですよ……………」
 「『禁断の科学』とまで言われているクローン技術」
 「それにより…………もう1人のスコルピオンを!!!」
 「もちろん最初は失敗ばかりだった…………しかしッ 試行錯誤の末 産み出したのだよ」
 「そ………その産み出されたクローンが………あのスコルピオンだと言うのですかッ」
 「そうです………」
 「もちろん アレをそのまま逮捕するのもいいんですよ……でも その場合本物は逮捕出来ません」
 「同一人物の逮捕………それが法的に許されるでしょうか………?イヤ 許されないッ」
 「今頃 本物のスコルピオンは山梨の山中にいる………無論 シュトロハイムを倒すためです」
 「…………ッッ…………ッ…………!!」


 山梨の山中。
 「………と言うワケです…………納得いきましたか?」
 「クックックックックックック……………」
 「……どうしたのですか………?気でも触れたのですか?」
 「………とんでも無い………嬉しいのさ………俺がやられたあのスコルピオンと本気で闘れる機会など滅多に無い」
 「いくぞ スコルピオンッッッ」
 そう叫びながらシュトロハイムはダッシュ。
 その瞬間 スコルピオンの姿が消えた。
 「………なッ!!? 消えた!!?」
 「!!!?」
 スコルピオンの腕が 一瞬でシュトロハイムの首に巻きついた。
 一瞬のうちに背後に回りこんでの行動………。
 「フフ………」
 スコルピオンは薄い笑みを浮かべる。
 (…………ッッ……!!?締め技!!?やられる!!?)
 「スゥ………ッッ」
 スコルピオンが技を解いた。自ら。このまま極めれば完全に勝負が決まっていた技をだ。
 「フフ………このまま決まっていたら面白くないでしょう?」
 「…………ッッ………ッ………」
 「くォッ」
 そう叫びながらシュトロハイムはパンチを放つ。それを紙一重でかわすスコルピオン。
 「ボォッ」
 「………遅い………」
 「シュバッ」
 その瞬間 シュトロハイムのアゴが揺れ ガクンとひざが崩れ落ちた。
 「な…………!!?」
 「打撃に強いとは聞いていたが……想像以下ですね」
 「………あのクローン……私の実際の10分の1も力は無いんですよ?」
 「だから あのクローンを実際の力としてみると こう言う事になる…………」
 (………ッッ………ッッ………このままでは勝てない!!!!)
 (………ッッ……ここは一先ず………ッッ………)
 そう思いながらシュトロハイムは立ち上がり 逃げた。全速力で。
 「逃げましたか…………」

 それを見た赤木は呟いた。
 「ふふ………強くなったな………また一段と………」
 「ハハ………御恥ずかしい限りで………ここまでになるのが精一杯です」
 「どうだい?久しぶりに………立ち会ってみるかい?」
 そう言いながら赤木は笑みを浮かべた。
 「いいんですか?遠慮はしませんよ?」
 「遠慮なんか要らないさ」
 その瞬間だった。
 スコルピオンが踏み込んだのは。
 「ザゥッ」
 (ほぅ………いきなりッッ)
 (ガォッ)
 スコルピオンの拳が唸る。
 それをかわす赤木。
 「ゴォッ」
 赤木のアッパーパンチをスコルピオンはかわす。
 その時だった。スコルピオンが攻撃したのは。
 「ズドッ」
 ……………赤木は辛うじて両手を重ねて防いだ。しかし その手からは大量の血が流れていた。
 「フフ………まだ鍛えていたのか………あの技を」
 「えぇ………まだ完成とは行きませんが1歩1歩完成に近づいています」
 「なるほど…………」
 そう言いながら赤木は笑みを浮かべた。楽しくてしょうがない。そう言う笑みだ。


  警視庁。
  ヘルガが口を開いた。
  「ミスターアケチ……いい事を教えてあげましょう…」
  「今の『G−5』はもはや『G−5』ではありません」
  それを聞いた明智は驚愕の表情を浮かべていた。
  「な……………ッッ」
  そう言いながら。 

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ザ・ドクター様の格闘小説62話
ちょっとまったぁぁっ
スコルピオンはクローンだったのか?!(衝撃の真実)いやほんとに・・・
実力はシュトロハイムを上回ると??
私も明智警視と同じ表情にΣ(T□T;)←驚愕の表情(待て)by あっきー

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