Revenge

                                                        by,ruka





12月7日亥の刻、東都美術館の宝石“瑠璃色の涙”をいただきに参上する。怪盗キッド






予告状が届いたのは3日の朝。

誰に依頼されたわけでもないが、もう一度キッドとの遭遇を試みることにした。

真実を確かめるため・・・・と、借りを返すために。

 


―新一の部屋―

  「珍しいわね、新一から誘ってくれるなんて」

  「そーか?・・・・ちょっと頼みたいことがあってな」

  「・・・・それだけのために誘ったの!?」

  「あ?・・・・それだけのため・・・・って何だよ?」

  「・・・・会いたかった・・・・とかじゃなくて、その頼みごとをするだけで誘ったのかってことよ」

  「わりぃ・・・・けど、お前なら俺の頼み聞いてくれるって信じて誘ったんだけどな」

蘭の顔色をうかがいながら言ってみる。

  「新一・・・・いいわよ、頼みってなぁに?」

さっきまでの怒った顔が嘘のように笑顔に変わる。

ホント、単純なんだよな・・・・。

  「お前、快斗と仲良かったよな?」

  「仲いい・・・・っていうか、連絡は取ってるけど・・・・」

  「・・・・会うことも・・・・あんのか?」

  「新一、まだ疑ってるの?」

  「いや、疑ってねぇって・・・・会って確かめて欲しいことがあんだよ」

  「そんなの、直接会ってくればいいじゃない?新一だって親しいんでしょ?」

  「俺じゃ無理だから頼んでんじゃねぇか」

  「・・・・連絡とっても怒らないのね?」

  「あぁ」

  「何をすればいいの?」

とりあえず、訳は言わずにして欲しいことだけを話す。

  「えっ・・・・無理よっ、そんなの・・・・だいたい何のためにそんなこと・・・・」

  「借りを返すため・・・・って言ったら協力してくれっか?」

  「借り・・・・?」

  「そうさ、アイツには借りがあんだよ・・返したいから協力して欲しいんだけどなぁ?やっぱダメか?」

  「ん・・・・わかったわ」

ちょっとためらいながらも応じてくれた蘭・・・・俺の作戦がうまくいくといいんだけどな。

 



―12月7日20時50分―

キッド予告の当日、蘭に快斗と会ってくるよう頼んだ俺は東都美術館へ足を運んだ。

  「借りはきっちり返させてもらうぜ・・・・快斗」

“pipipi・・・・”

  「はい工藤です」

  『あっ・・・・あたしよ・・・・さっき、快斗くんと別れたところ・・・・新一はどこにいるの?』

  「今、東都美術館なんだけど・・・・来れっか?」

  『ん・・・・わかった、あっ・・・・ちゃんと実行したからね・・・・?』

  「あぁ、わぁってるよ」

 


22:30。キッドは鮮やかに仕事を終え現場から姿を消した。

  「ねぇ・・・・新一・・・・何をするつもりだったの・・・・?」

合流した蘭が怪訝そうな顔で俺を見る。

  「まぁ、見てろって」

携帯を取り出し、番号を押す・・・・。

  「よぉ、快斗・・・・お前今どこに居んだ?」

  『あ?・・・・帰宅途中だけど』

  「へぇ・・・・美術館外辺りウロウロしてんのは俺の気のせいか?降りてこいよ、もうばれてるぜ?」

  『発信機・・・・ですか。いいでしょう』

  「し・・・・新一っ??」

降りてくるキッドに驚きを隠せない蘭。

  「怪盗キッド・・・・でも、さっき新一・・・・快斗・・・・って嘘よね・・・・?」

  「ホラ、蘭も真実知りたがってるぜ?キッド」

  「真実も何も・・・・証明できる証拠がないことにはただの憶測にすぎませんよ?」

  「あぁ、あるさ・・・・おめぇが蘭と会ってたことも、美術館へ移動したことも・・・・今もな?」

  「なるほど・・・・美術館への移動はともかくとして・・・・蘭さんと会ってたのは私ではないのでは?」

余裕の笑みを浮べながら鳩をあやしているキッド。

  「あぁ、快斗だったな・・・・けど、蘭と別れた快斗が向った先はココだぜ?」

  「彼がココに来たとしても、それが私だという証拠にはならないでしょう?」

  「偶然ってこともありえるな、じゃあ俺が快斗にした電話に何でおめぇが出たんだよ?」

  「彼の持ち物だからと言って、それも証拠にはならないのでは?」

  「んじゃ、蘭と会ってた時から今までのおめぇの会話テープでも聞くか?」

  「盗聴までしてたとは・・・・わかりましたよ」

閑念した様子でキッドの変装を解く快斗。

  「か・・・・快斗くん・・・・」

  「秘密にしてくれるよな・・・・?蘭ちゃん」

  「あっ・・・・うん・・・・」

  「んで?・・・・いつ、俺に盗聴器と発信機をしかけたんだよ?」

  「あ?おめぇがおもいっきり油断してた、7時から9時の間だよ」

一瞬蘭を見る快斗、その視線に俺の後ろへ隠れる蘭―

  「なるほど、あの蘭ちゃんからの誘いは新一が仕組んだことだったってわけか」

  「ご・・・・ごめんね・・・・快斗くん」

  「いや、いいさ。秘密は守ってくれると信じてっからな」

  「まぁ、安心しろ。この事実を公表する気もねぇし・・・・単なる俺の自己満足にすぎねぇからな」

  「自己満足ってお前なぁ」

  「なんなら公表してもいいんだぜ?」

俺の一言に苦笑いを浮べる快斗。

  「今回は負けを認めてやるよ、油断してた俺の所為だかんな・・・・次は覚えとけよ?」

ま、たいした決着でもねぇけど・・・・快斗が負けを認めたわけだし、良しとすっか・・・・。

 





あっきーのイメージイラスト→新一(akkiy)vs怪盗キッド(かっちゃん)

んにゃああっやったー!
有難うございます流香様事らーーーん←何(笑)
いやぁ最初にキッドが蘭とこのカウンタゲットしてリクした小説が蘭とらぶらぶな上に新一(俺)が負けただとぉ?!
ってわけで次のキリ番を命がけでむしりとり、そのリベンジ小説を書いていただきました←半強制(笑)
「わりぃなキッド・・・・(にや)」てな感じです。
このリベンジはキッドのHPの小説の続きですので、良かったらそちらも是非読んでみて〜
蘭のHPキッドのHP

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