「ジリリリリリリリ・・・・」
今日も平次の部屋からいつもの目覚し時計が鳴る・・・
いつもの朝、いつもの音・・・
何も変わらないはずだった・・・そうだったのだが・・・
「ん〜・・・なんやぁ・・・もう朝かい・・・」
そう・・・変なのだ・・・
「ん!?・・・風邪・・・なんか声が・・・ゴホッ!」
そう言って制服に着替える。
まぁ冬だから風邪はしょうがない・・・そう思っていた
「おはよー・・・ざいます。」
「おはよう平次、朝ご飯できてるで?・・・ってなんなんその声・・・」
「さぁ・・・朝起きたらなっとった・・・風邪やと思う」
「おはよう平次・・・」
「おぉ・・・オヤジ・・・おはよーざいます」
「なんや・・・その声・・・」
「うちも今言ってたトコなんよ〜・・・もしかしたら風邪かもしれへんなぁ・・・」
「俺もそー思う・・・」
「いや、案外違うかもしれへんぞ?平次」
「・・・じゃぁなんなん?」
「アレや!アレ!お前いくつになった?」
「・・・今年で14。」
「ならそろそろやし・・・声変わりちゃうん?」
「せやで!平次!声変わりやできっと〜ぉ!」
と、・・・聞き覚えのある声・・・
「かっ和葉!?」
「おはよー!声変わりでよろこんでる場合ちゃうで!時間みてみぃ、じ・か・ん!」
と見ると・・・もう8時だった
「やっヤバイ!!」
そう言うとパンを口に含む
「ホナ、ひっえきまーふ!(訳:ほな、いってきまーす!)」
「あ、ちょっと待ってぇな!平次!」
「はほへんはい!かすさ!(訳:はよせんかい!和葉!)」
そういって嵐のように二人でていってしまった
「平次も声変わりする年になったんやねぇ・・・」
「せやなぁ・・・まだちっさいけど男やったんやなぁ」
「身長もグングン伸びてるし・・・そろそろ越されるんやないかなぁ」
「ワシにも追いつこうとしとる・・・」
「・・・・・」
「静・・・どないした?」
「さすが私の息子!!いい男になってvv」
「・・・・ほないってきます・・・」
「今日は赤飯やで〜♪」
「・・・・めでたい奴や・・・」
服部家一人息子の成長に喜ぶ母、静。
まぁそこまで惚れ込んでもしょうがない。
最近グンとオトナっぽくなったのである。
前は身長も小さく、和葉と変わらなかったぐらいだが、いつのまにか和葉の身長も越し、
剣道をやってたせいか、姿勢が綺麗で、背筋がスッとし、「オトコノコ」から「オトコ」という
言葉が似合うようになってきた。
朝、昼、夜の食事の量も、多くなってきた
夜には女の子からの電話がいつものようにかかってきて、
「いや・・・今は誰とも付き合う気ないから・・・」といっているのを何度も聞いている。
容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能・・・おまけに社交的な性格がまた女を虜にする。
文字通りの「プリンス」を、女の子がほおっておくわけが・・・ナイ。
時には年上の先輩にまで・・・なんて事もある。
そしてまた、大胆でたまに照れ屋なところもカワイイ。(私作者もそんな平次が大好きだvv)
そして・・・分かっているが、一途に和葉を想っている・・・そんな平次も魅力的・・・
「さっすが!うちの息子やvv」
静さん 実の息子に ドッキドキ 親父さん 妻の取り合い ライバル息子(真希作 短歌/字余り)
そしてその夜・・・
「ただいま・・・」
「おかえり平次・・・」
「あいよー・・・たらいま。」
「・・・」
じっと平次を見る
「なんや?」
「声落ち着いてるやん・・・」
「へ・・・?・・・あー・・・ホンマや・・・気ぃつかへんかった・・・」
「そこまで変わってない気ぃもするけど・・・」
「せやから風邪やぁゆうたやろ!声変わりなんてまだ早いっちゅーねん」
「なんやー・・・」
「ったく・・・じゃ課題あるから、夕飯になったら呼んでくださいねー」
「ハイハイ・・・」
そしてまっすぐな廊下のつきあたりの自分の部屋に入る
「・・・なーんてね・・・」
「ただいま」
「おかえりぃ」
「・・・なんや平次帰ってきてるんか?」
「帰ってきとるで!」
「・・・なんでそんな嬉しそうなんや?」
「んー?なんでもvv」
「・・・・?」
母は言わなかった。平次の声が低くなってきたことを・・・
母の日記:199X年 9月X日(X曜日) :息子の成長
今日朝起きたらナントびっくり!平次の声低くなってた!!これは!!そう声変わりである。
私の息子の成長が目に見えて嬉しい!最近またええオトコになってきとる!!
まぁちょっと素直やない所が玉に傷やけど・・・まぁさすがウチの息子!!ってくらい
いい男になってきた。最近成績もグングン伸びている。
将来はもしかするとジャ●ニー●!?今絶頂のS●A●のキム●クの後輩!?もしかして
第二の反●!?竹野●の上をゆく!?「人気絶頂!日本を代表する美男子服部平次」!?
将来と、これからのあの子の容姿が楽しみやわぁvv END
父の日記
今日朝、平次の声が声変わりしているようだったが・・・どうかはわからない。
まぁ・・・風邪かもしれへん。男やったら声変わりは当たり前やから・・・そこまで騒ぐ事もなかろう。 END
平次の日記
朝から声が変やった。・・・風邪か。・・・風邪やな。今日はハヨ寝よ。 END