甘いブラック・ラヴⅡ

……警視庁に届いた謎の暗号。
 
そこから事件は始まった。
 
ううん、その前夜の公園での出来事が、すでに始まりだったのかもしれない……。
 
博士が……フサエさんが……高木刑事が……佐藤刑事が……
 
 
　　　　　　　　
 
 
 
　　　　　　　…………これは悪夢なの？

甘いブラック・ラヴⅡ

 
 
私は毛利蘭。

二十歳で大学生なんだけど、大学には行ってない。
なぜかというと最近お父さんの仕事が減って家計が赤字になってしまいそうなので仕事しないといけないから。
で、その就職先（就職ともいえないか…）が幼なじみの新一がひらいている探偵事務所。

私は新一の助手として仕事をしている。
でもつい最近、新一が私に告白してきたの。


 
――― 一週間前の工藤邸 ―――

 
蘭「なんなの？話しって。」
 
新一「あ…えっと…あのさぁ…」
 
蘭「もうっ！はっきりしなさいよ！」
 
新一「そ、そのぉ…」
 
蘭「新一っ！いいかげんにしてよ！」
 
新一「な、なんだよ！その言い方は！！」
 
蘭「なによ…もう新一なんかしらないっ！」
 
新一「ま、待てよっ！！！」
 
私は、耐え切れなくなって外に飛び出しちゃった。外はどしゃぶりの雨だったんだけど、私はかまわず走って行ったの。
そのあとを新一が追いかけてきて……。
 
新一「待てよ蘭！！」
 
蘭「こないでよっ！もう新一なんか大嫌いっ！！」
 
私が言った大嫌いっていうのはもちろん本気じゃない。でも、新一は本気だと思っちゃったらしくって……。
 
新一が立ち止まる。
 
新一「本当に、俺のことが嫌いか？」
 
私は、その言葉に立ち止まる。
 
新一「俺のことが嫌いなのか！？」
 
雨のなかで、傘も差さずに立っている新一に耐え切れなくなって、また走り出そうとする私。
 
新一「蘭！！！」
 
新一が、私の腕をつかむ。
 
蘭「は、離してよっ！私は新一なんか……」
 
新一「うっせえうっせえっ！！！！俺はお前が好きなんだよっ///////////」
 
蘭「え……/////////」
 
 
 
 
 
 
 
 
なんていうちょっぴりドラマチックな告白の後で私達は付き合いはじめたの。ストーレートに告白した人達は笑っちゃうでしょ？
でも……まさかこんな事件が起こるなんて……。
 
 
 
 
―――喫茶店ポアロ―――
 
 
新一「…………………………………………………………………」
 
蘭「…………………………………………………………………」
 
喫茶店ポアロでお茶を飲んでる私と新一。
いつもならその時手がけている事件の話や、ホームズの話、思い出話で盛り上がるんだけど……。
（この二人の会話でまともなのは思い出話だけなわけ？(^^;）　byみさき）
 
新一「なあ、蘭。」
 
蘭「何？」
 
新一「さっきのことだけどよぉ……」
 
新一の言いたいことは分かっている。一課で佐藤刑事が高木刑事を襲ったあの事件のことね。
 
新一「蘭も俺の助手なら気づいただろ？高木刑事を襲った時の佐藤刑事の声がいつもと違うこと。」
 
蘭「うん。雰囲気が全然違った。って、『俺の助手なら』ってなんなの！」
 
新一「だって蘭は俺に鍛えられてるからな。」
 
ホントに私が新一に鍛えられてるか、怪しいものね……
 
新一「なんだよ、その疑うような目つきは……」
 
蘭「何か文句ある？（回し蹴りの構え）」
 
新一「い、いいえ……なんでもありません;;;;　←滝汗」
 
大汗かいてる新一。分かればいいのよ、分かれば!!
 
蘭「で？」
 
新一「ん？」
 
蘭「さっきの続きよ!!!」
 
新一「あ、ああ……あのさ、俺が佐藤刑事を止めるときに目暮警部と千葉刑事も止めようとしてたよな？」
 
蘭「え？ええ……」
 
新一「女性の力は、お前と和葉さんを例外として男性より弱い。
でも、あの時の佐藤刑事は男性三人の力に耐えて、なおかつ高木刑事の首を絞めてたんだぜ？
おまけに俺が佐藤刑事の腕に触れたときに訳わかんねー声が聞こえるし…その声、何て言ったか分かるか？
『…工藤新一…あなたが悪いのよ…何もかも…あなたがあんなことをしなければ…こんなことにはなってなかったんだから…みんな…』だぜ？
ったく俺が何か悪いことでもしたのかよ……」
 
蘭（カチン！！）
 
その人の言ってた事、いろんな意味で合ってるわね。
 
新一「さて、そろそろ行くか……」
 
蘭「行くって……何処に？」
 
こういうハッキリしないところが新一の欠点なのよね……探偵ってみんなそうなのかな……？
 
新一「昨日服部に事件のこと電話で話したら『おお～っ！そないなことがあったんか！！
よっしゃ工藤！俺も協力するでぇ～っ☆明日の１２時３０分にそっち着く電車乗ってくから楽しみに待っといてやぁ～～～＾＾』
って言って電話勝手に切っちまったんだよ……。だから服部と和葉さんを迎えに行くんだ。」
 
蘭「え？和葉ちゃんも来るの？」
 
新一「あのなー……あっちもあっちで付き合ってんだぞ？そんな相思相愛の恋人である和葉さんを服部がおいてくると思うか？」
 
蘭「思わない。」
 
私は即答した。
 
新一「そーゆーこった。そんなことも分かんないんじゃ、探偵の助手としての立場、危ういぞ？」
 
蘭「ぷちっっっっっっっっっっっ！！！！！！！！！！！！！！！！！」
 
新一「ん？なんか紐が切れるような音しなかったか？」
 
私は笑顔で言った。
 
蘭「新一。私の目の前に立って。＾＾（立ち上がる）」
 
新一「ん？何だ？（蘭の前に立つ）」
 


一瞬の間。
 


蘭「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！ばしぃっ！！！！！！！（裏拳）」
 
新一は、あっという間に意識不明になった。
 

私はお金を払って新一を引きずりながら外に出ると、タクシーをひろって米花駅にむかった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
―――米花駅―――
 
平次「おお～っ！工藤と毛利の姉ちゃんやないけ！迎えにきてくれはったんか！！！おおきにな＾＾」
 
和葉「蘭ちゃん！工藤君！久しぶりやね♪」
 
服部君と和葉ちゃんはやっぱり来てた。
 
新一「ったく…結局来やがって……」
 
平次「まあまあ。どうせ暇なんやろ？」
 
新一「暇じゃねーからお前に事件の相談したんだろーがっ！！！！！！！！！！」
 
新一は服部君に向かって怒鳴る。服部君はそんな新一に少しタジタジみたい。
 
平次「ま、まあそんなことよりあれから手がかり掴めたんか？」
 
新一「掴んでたら苦労しねーよ……。しかもそれに関連する事件が起きちまって……」
 
平次「ほぉ～～～～～～っ……で、被害者と容疑者は誰なん？」
 
和葉「そやそや。容疑者はともかく被害者の身元もわかっとるんやろ？」
 
実は和葉ちゃん、私みたいに服部君の探偵事務所で助手として働いてるの。
だから事件の情報は聞き逃さないのね。
 
蘭「容疑者はフサエブランド考案者のフサエ・キャンベル・木之下さんと佐藤刑事、被害者は阿笠博士と高木刑事。」
 
平次・和葉「「ななななななななっ！！！！！なんやてえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?????????!!!!!!!!!
って真似すんなや！！！！！！！！！！！！！」」（←二人ともほぼ同時に）
 
私は一瞬この二人は血の繋がりがあるのでは？と真剣に考えた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
―――工藤邸―――
 
平次「な～るほどなぁ……」
 
服部はうんうんと頷いた。
ここは新一の家。今、二人に昨日の夜の出来事や今日の事件を詳しく話し終えたところだった。
 
平次「共通点はあるんやけどなぁ……」
 
和葉「ホンマやねぇ……」
 
新一・蘭「共通点？？？？？？？？？」
 
私と新一は首をかしげる。
 
平次「ったくこーゆーことには鈍いなぁお二人さんは……」
 
新一「悪かったなぁ鈍くて……（苦笑」
 
服部君が改めて説明する。
 
平次「この四人、フサエはんが阿笠のじいさんを、んで佐藤はんが高木はんを襲ったんやろ？」
 
新一・蘭「うん。」
 
平次「せやったらこのそれぞれ二つの事件の被害者と容疑者の関係はわかるやろ？」
 
蘭「え～っと……フサエさんと博士が初恋の人同士で、高木刑事と佐藤刑事はお互いが好きで……あっ！！！」
 
新一がニヤっと笑う。
 
新一「服部、お前の言いたいことは分かった。つまり、その『得体の知れない声の持ち主』、
つまり犯人が狙っているのは恋愛関係のある人同士っだってわけだな。」
 
服部君も笑う。
 
新一「あと、もう一つ分かったことがあるぜ。この犯人が最後に狙うのが……」
 
新一が一度言葉を切る。そして言った。
 
新一「俺と蘭の可能性があるってな。」
 
和葉・蘭「「ええええええええええええええええええええええっ！！！！！！！！！！！！！！！！！」」
 
私と和葉ちゃんは大声で叫んだ。
 
平次「ちょい静かにしいや。近所迷惑になるさかい……」
 
新一「俺だけが聞いた声の話、しただろ？その人が、俺が悪いみたいな言い方してたって。アレは全て俺に関係している証拠だぜ？」
 
平次「それに、昨日の晩二人が会うたゆうとる占い師の予言。あのあとそれがホンマに起こったら最後に狙われるのはお前らやゆわれたんやろ？」
 
新一「ああ。つまり、次に狙われるのもおそらく……俺が関わった人間とその人との間に恋愛関係がある人だ。」
 
私は新一に聞いた。
 
蘭「新一、恋愛関係のある知り合いって居ないの？」
 
新一「多すぎて人数をしぼれねーんだよ。和葉さんと服部だってその一つだろ？」
 
服部「あ……考えてみればそうやわ……」
 
服部君が納得する。その時、私の頭の中に電流が走るようなショックがおこった。
 
蘭「新一！そういえば今日は園子が真さんと会う約束をしてる日よ！！！！！！！」
 
新一「な……なんだって……」
 
平次「そんなアホな！！！！それがホンマやったら京極の兄ちゃん、やばいやんけ！！！怪我だけじゃすまへんで！！！？？？？」
 
新一「園子だってやべーよっ！罪に問われる問題だぜ？園子はもう二十歳なんだから！」
 
和葉「あのぉ…ちょっとお二人さん？なんで被害者と加害者がわかってんねん。」
 
和葉ちゃんが二人に聞く。
 
新一「いままでの事件を思い出せばわかるよ。どっちの事件も加害者が女性なんだ！」
 
和葉・蘭「ええええええええええええええっ！！！！！！！！！！！！！！！！！？？？？？？？？？？？？？？？」
 
和葉「そんなぁ！どないすんのん！？」
 
新一「蘭！！！園子んちに電話するんだ！急げ！！！！」
 
蘭「うん！分かった！！！」
 
 
私はすぐに電話をかけた。
 
『プルルルルルルルル♪　　プルルルルルルルル♪
―――カチャッ―――鈴木です。ただいま留守にしております。発信音の後に続いて、お名前とご用件を……』
 
 
ガチャ。
 
 
新一「蘭。どうだ？園子は居たか？」
 
蘭「居ないよ！！！留守電になってる！！！」
 
平次「なんやとぉぉぉぉぉぉっ！どないすんねん工藤！」
 
新一「蘭！園子は京極さんと何処に行くって言ってたんだ！？」
 
蘭「うんと……待って。たしか中華街に行くって言ってた。真さんが久しぶりに師匠の王師範（ワンしはん）に挨拶したいって言ってたらしいから……」
（王師範はゲームボーイアドバンス用ゲームソフトの『名探偵コナン　～狙われた探偵～』に登場する蘭と真の空手の師匠です♪byみさき）
 
新一「あそこの中華街か！」
 
平次「ほんならはよう行こうや！急がなあかんで！」
 
 
私達は新一の車に飛び乗って中華街へと向かった。
 
 
 
 
 
―――園子……ダメ……絶対に……
 
 
 
 
―――中華街―――
 
園子「相変わらずだったわね。王さんも。（笑）」
 
真「あの人はいつまでも変わりそうにありませんけどね（苦笑）」
 
幸せ……私はそう思っていた。
 
私は鈴木園子。これでもけっこう大きな会社の令嬢なの。
隣で私と一緒に歩いてるのは私が付き合ってる京極　真さん。空手の大会に出場するためにずっと海外にいたんだけどやっと帰ってきてくれたんだ。
 
さっき、真さんの師匠の王師範に挨拶に行ったところなの。全然変わってない王さんに結構驚かされたけど。
 
私は洋服店のショーウィンドウを覗いた。かわいいワンピースが飾ってあった。
 
……今年は真さんと一緒に海に行ってみようかな……
 
真「園子さん。チケットがあるんですけど一緒に映画でも見に行きませんか？」
 
口調は偶然見つけたって感じなんだけど実は違う。真さんは照れてるだけ。
だって真さんが持ってるチケットってあの『ハ○ー・ポッター』のチケットなんだもん。（しかも最新作）
 
園子「もち！行く行く！！！」
 
真「じゃあ決まりですね＾＾行きましょう！」
 
二人で過ごす時間。こんな他愛もない会話なのに、なんだか胸がドキドキする。それだからこそ恋愛ってやめらんないんだけどね。
 
人通りの少ない路地に入った。
 
園子「おっとっ！」
 
私が躓いて近くの壁にぶつかりそうになった。私は間一髪で手を前にだして頭から壁に激突するのを避けることができた。
狭くて人の居ない路地で助かったぁ……。
 
真「園子さん。大丈夫ですか？」
 
真さんは私を心配そうに見ている。
 
園子「大丈夫よこれくらい＾＾」
 
そう言って私は体勢を立て直そうとした。
その時、私の体の動きが止まった。そして、私の頭の中に誰だか分からない女の人の声が響いた。
 
女の声『その男を襲いなさい……』
 
園子『男って……真さんのこと？！』
 
女の声『襲ってやりなさい……』
 
園子『いやよ……なんで真さんを襲わないといけないのよ！』
 
女の声『やりなさい！！！！！！！！！！！』
 
女の人の声が頭の中に響いた。次の瞬間。
 
真「そ、園子さん！？」
 
私は真さんに襲い掛かっていた。そして、私の右手は硬く拳が握られていた。
 
いやだ……どうなってるの？！……体が勝手に？！
 
真「園子さん！！！」
 
真さんの声。私は自分の体の動きに抵抗を心みるけど、全然思いどうりにうごかない。
そしていつのまにか、私は路地の行き止まりまで真さんを追い詰めていた。
 
真「園子さん！やめてください！！」
 
私は……いや。私の体は真さんを攻撃する体勢を崩さない。
そして、私の腕が真さんに向かってものすごい勢いで突き進んでいった。
 
――――――逃げて！！真さん！！！！！
 
？？？「園子～～～～～～～っ！！ダメ～～～～～～～っ！！！！！！」
 
聞き覚えのある声がした。蘭の声だ……
 
蘭「園子！！ダメ！やめてぇぇぇぇっ！！！！」
 
新一「園子ぉぉぉぉぉぉっ！！！！
 
平次「姉ちゃん！そないなことしたらアカンッ！！！！」
 
和葉「園子ちゃ～～～ん！！！！」
 
新一君に服部君達まで……でも、私の腕の方がスピードが速い。
 
　　　……追いつかない……
 
？？？「やめろっ！！！！！」
 
？？？「やめてっ！！！！」
 
突然、私は腕を掴まれた。
その時、私を操っていた力が消えた。
……あれ……私の意識が薄れていく……
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
園子は、その場で倒れた。俺（新一）は駈け寄った。園子を止めた二人には見覚えがあった。
 
新一「お、お前らはあの事件に居た快斗と青子さん？！」
 
快斗「おっす！久しぶり新一。」
 
青子「あ、工藤君！久しぶり～っ！あの時の事件以来だねっ♪」
 
蘭「新一の知り合い？」
 
蘭が聞いてきた。
 
新一「あの黒ずくめの組織の事件の時に情報くれた黒羽快斗と中森警部の娘さんの中森青子さんだよ。」
 
蘭「へぇ……」
 
その時、もう一人誰かが路地に入ってきた。
 
？？？「お二人さん……私を置いていかないでください……」
 
新一「ハ、ハ、ハ、白馬ぁっ！！！！？？？？」
 
なんと入ってきたのは『黄昏の館惨劇事件（三十巻参照）』で会った怪盗キッド専門の探偵、白馬探だった。
そして白馬の後ろから来たもう一人の影は……
 
？？？「またお会いしたわね。工藤君に毛利さん？」
 
蘭・新一「ああああああっ！！！！！！！！あの時の占い師～～～～～～～～っ！！！！？？？？」
 
俺と蘭は絶句した。
 
紅子「紅子でいいわよ。いちいち占い師って言わなくても……」
 
その様子を見て黒羽は紅子さんに聞く。
 
快斗「まさかオメー、今度は新一を虜にする気じゃねーだろーな？（ジト目」
 
新一・平次・蘭・和葉・真「「「「「はぁっ！！！？？？虜ぉ？？？？？！！！！！」」」」」
 
状況が理解できてるのは快斗達（まじ快キャラ）だけだったみてーだな。（爆）
 
快斗「そうなんだよ。こいつ、実は占い師じゃなくて魔女でさぁ。
ことの始まりは…………………（長いので省略）ってなわけで手当たり次第男を自分の虜にしようとしてるってわけ。」
 
紅子「あら、手当たり次第じゃないわ。私のターゲットは黒羽君ただ一人。もうすぐあなたは私の虜に……」
 
快斗「うっせぇぇぇぇっ！！！そのセリフは聞き飽きた！俺は青子と付き合ってんだって言ってんだろ！！！！！」
 
いらねーことを言ってる黒羽。
 
青子「ちょ、ちょっと快斗、何言ってるのよ！しかもみんなの目の前で…………/////////」
 
快斗「あっ……………///////////////」
 
ったく。黒羽はこーゆーところで無神経なんだよな。
 
探「ところで工藤君。一体何があったんですか？」
 
新一「俺に聞くより京極さんに聞いたほうが早いぞ。（真を指差し」
 
真「僕もよくわかりませんよ……」
 
結局、俺たちは一度工藤邸に集まって事件のことを黒羽達に話すことにした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
―――工藤邸―――
 
快斗「なるほどな～、そんな事件が。」
 
ここは工藤邸。たった今、快斗達に今日の事件のことを話し終えたところだった。
 
探「論理的に説明できないとなると状況はかなり悪化しますね……」
 
青子「え？白馬君、なんで状況が悪化するの？」
 
その質問には紅子が答えた。
 
紅子「警察が、魔法とか超能力とかにかまうほど心が広いとは思えない。
しかも園子さんの前に事件をおこした二人は人の居るところで犯行を行ったのよ？二人が何年かの懲役になるのは確定的ね。」
 
確かに、紅子さんの言う通りだ。目撃証言によっては、かなりの罪になることも十分考えられる。
 
蘭「じゃ、じゃあまさか園子も……」
 
蘭が不安そうな顔をする。
 
平次「いや、あの姉ちゃんは多分問題ないで。暴行罪は相手を本当に暴行して初めて成立するもんや。
あの姉ちゃんはギリギリんとこで黒羽達に止められたさかい、暴行罪にはならへんし、女が拳ひとつで男殺せるわけあらへん。
つまり殺人未遂にもならへんな。」
 
探「しかし、念のためにこの事は内密にしておきましょう。
 
ところが……
 
 
？？？「ったく。そんなに大勢で話してたら内密もなにもないじゃない。教えそうな人みんなが知ってるんだから。」
 
新一「し、し、志保～～～～っ！！！！？？？？？？」
 
俺は唖然とした。
 
志保「お久しぶり。工藤君に毛利さん。それに、服部君と遠山さんも。」
 
蘭・平次・和葉「あ、ああ。どうも・・・」
 
志保「後の人は園子さん以外はみんな初対面かしら？」
 
快斗・青子・探・紅子・真「「「「「ああ、はじめまして・・・」」」」」
 
しかし、俺は挨拶などどうでもよかった。
 
新一「ってなんでオメーが日本にいんだよ！確かFBIに入る為にアメリカに留学してたじゃねーか！？」
 
すると志保はすました顔で言った。
 
志保「そんなのとっくに終わったわよ。今はもうFBI。昨日からある事件を追って日本まで来たの。」
 
新一「あ、ある事件？！」
 
探「なんなんですか？！それは」
 
平次「教えてくれや！！！」
 
俺たちは志保に詰め寄ったが・・・快斗に引き離された。
 
快斗「って、そんなふうに問い詰めたりしたら志保ちゃん、かえって話しづらいだろ；」
 
志保「FBIにこんな手紙が送られてきてね、その調査にきたのよ。」
 
俺は志保から手紙を受け取り、封筒の中から一枚の紙を取り出した。英語の文章が目に入る。
 
新一「『英文』…『時の神が闇を支配する時、日本で一頭のグリフィンが愛しき人間に復讐し始める』・・・か。」
 
探「おそらくグリフィンというのはこの事件の犯人を意味していると思われますね。」
 
新一「ってことは俺を周りを巻き込んでまで復讐するくらい憎んでるやつってことか？」
 
平次「そういうことになるわな・・・」
 
その時、蘭が口をはさむ。
 
蘭「でも・・・ただ憎んでるだけじゃないと思うな・・・」
 
新一・平次・探「「「はい？？」」」←三人の声がデュエット
 
蘭の言葉に俺たちは唖然。
 
蘭「だって、ここに『愛しき人間に』って書いてあるじゃない。
もしかして、本当は新一のことが好きである出来事をきっかけに新一に復讐しはじめたんじゃない？」
 
新一・平次・探・快斗「「「「あ・・・なるほど・・・」」」」←今度は四人の声がデュエット
 
蘭の言うことに俺たちは納得。
 
快斗「でもよー、本当にこの事件の犯人がそのグリフィンだとはかぎらねーぞ？」
 
黒羽の言うことももっともだ。
 
青子「だよね～・・・もしかしたらどこかで似たような事件があるだけかもしれないし・・・」
 
新一「まあとにかく今はこの暗号の指紋を目暮警部に調べてもらって・・・」
 
俺は、警視庁に届いた暗号の紙を光にかざしたとたん凍りついた。
 
蘭「新一？どうしたの？」
 
平次「おい、工藤。くど～～～・・・・・（￣o￣；」
 
和葉「工藤君、何か分かったん？」
 
俺はボソリと言った。
 
新一「どうやら犯人は、そのグリフィンで間違いねーみてーだぞ。」
 
新一を除く全員「「「「「「「「ええええっ！！！！？？？？」」」」」」」」
 
みんなかなり驚いていた。
 
新一「信じらんねーんだったらこれを光にかざして見てみろよ。（平次に紙を渡す）」
 
平次「あん？（紙を光にかざす）な、なんやとぉっ！？」
 
光をかざした紙には、堂々としたグリフィンが描かれている。
 
平次「なんでや工藤！なんでファックスに送られてきよった紙にこんな模様が浮き出るしかけがあるんねん！」
 
新一「だからぁ、薄く紙にグリフィンを書いてたんだよその犯人は。
そうすれば普通に見てる時は何もみえねーけど光にかざすとわずかな色で光が遮られて模様がみえるんだ。」
 
平次「ああ。なるほどな。」
 
服部はもう一度光に紙をかざす。
 
探「そういえば、グリフィンと言えば王家の紋章でしたね。」
 

パリーーーーーン！！！
 

紅子さんが紅茶のカップを取り落とした。みんなが振り返る。
 
紅子「グリフィン・・・・紋章・・・・・まさか・・・・・そんなはずは・・・・・」
 
青子「どうしたの？紅子ちゃん」
 
和葉「具合悪いんとちゃう？」
 
蘭「無理しないで休んだ方がいいよ？」
 
青子さん達が心配している。
 
紅子「だ、大丈夫・・・なんでもないわ。」
 
そう言って紅子さんはカップの破片を拾い集めてごみ箱に捨てた。
 
紅子（間違いないわ・・・・・・・・・）
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
――― 工藤邸（一時間後）―――
 
探「今日はいきなりおしかけていってしまってスミマセンでした。」
 
快斗「ホントわりいな。」
 
新一「いいっていいって＾＾。また来いよ、いつでも歓迎すっから。」
 
そして俺は黒羽にこっそり耳打ちした。
 
新一「黒羽、お前は俺に関わった人物でしかも恋愛感情がある。犯人に狙われるかもしんねえから気をつけろ。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
―――工藤邸（夜中）―――
 
眠られへん・・・私は思った。
もし、うちが平次を襲ったらどないしよう・・・そう思うと眠れへんかった。
 
私は遠山和葉。西の名探偵ゆわれとる平次の幼なじみや。いまでは平次の助手であり、付き合ってる仲でもあったりするんや。
 
あ～～～あかん！！！やっぱり眠れへん！！！
 
私はカバンのあるところまで足音たてんようにゆっくり行った。
 
ジジジジ～～～～ッ
 
カバンのチャックを開ける。中には着替えやらくしやらいろいろ入っとる。うちは一冊の本をとりだすとまたチャックをしめた。
 
この本の題名は『青い天使』。チナっちゅうフランス人ハーフの女の子がイジメや友達の死を乗り越えてく話や。
まだ二巻までしか読んでへんけど…。
 
その時やった。私の頭に女の人の声が聞こえたんは。
 
女の声『そこの男を襲いなさい…』
 
和葉『な？！まさかアンタ、事件の犯人か？！』
 
女の声『襲いなさい・・・』
 
和葉『いやや！何されてもやらへん！』
 
女の声『やりなさい！！』
 
突然、うちの体が平次の方に向かって勝手に動き出した。
・・・体がコントロールできへん！！？？
 
うちの体は、平次に襲いかかろうとした。
でも、間一髪で平次がうちに気づいて避けた。
 
平次「か、和葉？！どないしたんや和葉！！」
 
うちの体はとまらへん。どんどん平次を追い詰めていく・・・
 
平次「和葉！！」
 
和葉（平次・・・はよう逃げてや！私、平次のこと殺してしまう！！！）
 
平次「和葉！和葉っ！！」
 
和葉（ダメや平次！逃げてや！！）
 
そして、気づいた時には、平次を部屋の隅まで追い詰めとった……
 
私の体が、平次を襲う……
 
 
 
和葉『いややーーーーーーーーーーっ！！！』
 
 
……お願いや…誰か…嘘やと言って…現実やないと言って……
 
 
 
 
 
 
 
 
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　続く
 
☆――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――☆
 
あとがき
どうも！みさきです。
だんだん主役に近づいている（？！）女の声。
襲われる真と平次、体を操られる園子と和葉。思いっきり遊んでみました。（あれが遊びなら俺らの立場はどうなるんや！by平次）
 
次回は快斗がある姿で登場します。え？誰って？私の口からはいえません。ヒントはシルクハット！（言ってる/笑）
なんかどんどん展開が激しくなっていくんで私も書くのがついていきません；キャラも言うこと聞かなくなってきました＾＾；
 
滅茶苦茶になってますがどうか最後までよろしくおねがいします＾＾
 
☆――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――☆

みさきさま
快斗や青子ちゃん、園子や真さんまで登場！！
そして和葉に異変が？？どどうなる待て次号！！←なぬ（笑）byあっきー

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