グラップラー蘭〜RAN THE GRAPPLER〜15
ザ・ドクター様



 「勝負ありッッッ」
 『新相撲VS空手ッッ 遂に決着が着きましたッッ』
 『再三 攻め入る麗華でしたが それでも新相撲の前には僅かに及ばずッ』
 『最後には“鉈”で絞め落とされたのです』
 『佐伯 純ッ 誇らしげに退場していきますッ その顔には満足感があります』
 退場する純を観客達の歓声が包んだ。
 「ワァァァァァァァァァァァッ」

 数十分後。来栖川ドーム医務室。
 ベッドの上で麗華は気がついた。そして 何気なく横を見ると蘭が付き添っていた。
 「あ……蘭………付き添ってくれたの?有り難う………」
 「ハハ 準決勝で貴女と闘いたかったんだけど……それももうムリのようね………」
 「……でも……今の試合を見てもらえたなら 分かるでしょ?確かにあの女は強いわ………」
 「しかし アタシにとっては貴女の方が――――……」
 そう言いながら麗華は蘭の頬をなでた。
 「さ……第3試合が始まる……早くいった方がいいわ………どっちかが決勝の相手になるかも知れないから……」
 そう言いながら 麗華は 蘭をドアの方に押しやった。
 「1人にしてくれる………?お願いだから………」
 その言葉を聞いた蘭は麗華の気持ちをくみ取り 医務室から出た。
 「パタン………」
 と 同時であった。
 麗華が泣き出したのは…………!
 「オオオォォォォ〜〜〜〜ッッ」
 「ク……ッッ 蘭と闘うことが出来なかった………蘭と……ッッ!」
 「蘭と……蘭と闘いたかった……ッッ! 闘いたかったよォォォ〜〜〜〜〜ッ!」
 「ウォォォォ〜〜〜〜〜〜ッ」
 「ヒィッ ヒクッ ヒクッ…………」
 悔し涙――――――――……。
 負けたための悔しさ。いや それ以上に蘭と再び闘うことの出来ない悔しさから出たものか。
 その泣き声を蘭はドア越しにうつむきながら聞いていた。
 そして一歩を踏み出す。
 (………これでいい………のよね………?)
 そう思いながら。
 悔し涙―――……。それはこれからの糧となり 成長の源となる………。
 この出来事を経て 麗華は格段に強くなることであろう。
 しかし 結果から言えば この時 蘭は麗華についてやるべきだったのだ。
 何故ならば――――――……。

 闘技場には 既に次の試合に出る戦士2人が入場していた。
 紅 栞と藤堂 茜。柔術と柔道の激突である。
 『柔術VS柔道ッ 遂に運命のこの時がやって参りましたッッ』
 『元々 柔道と柔術は同じ格闘技だったのですッ しかし ある時から――――――………』
 『ある時から柔道と言う格闘技が2つに分裂ッ』
 『実戦を中心とした柔術と スポーツを中心とした柔道ッ』
 『柔道を源流とするなら 柔術は亜流ッ』
 『そして 今まで決することのなかった格闘技同士ッ』
 『この場でッ 決着が着くのですッ』
 『勝つのは柔術代表 紅 栞か!!?』
 『それとも柔道代表 藤堂 茜か!!?』

 紅 栞(藤原流柔術)
 157cm 42kg
 パワー:4 スピード:8 ディフェンス:7 テクニック:10 ????:8

 藤堂 茜(全日本柔道)
 168cm 61kg 
 パワー:7 スピード:6 ディフェンス:5 テクニック:7 ????:7

 『今ッ 運命の号令がッ』
 解説者の声が聞こえたと同時に2人は構えをとった。いや 構えをとったのは茜のみであった。
 栞は構えをとる気が無いようであった。いや。この普通に立っている状態が柔術の構えなのか?
 『かかったァァァッ』
 「始めェいいいいッ」
 審判がそう叫んだ。

 次の瞬間 茜が動いた。まっすぐ 栞めがけて駆ける。風のように。
 「ガッ」
 次の瞬間 茜は栞の襟を掴んだ。そして 投げを放とうとする。
 「ブァッ」
 「ズズゥゥン」
 大地に倒れていたのは………茜。投げを放ったハズの茜が大地に転がっている。
 「〜〜〜〜〜ッッッ」
 そう呻きながら茜は立ち上がった。
 (今………何が起こった!!?)
 茜はその思いと同時に 再び栞の襟を掴みに行く。
 「ガッ」
 と 同時に栞が 身体を捻る。その勢いで 茜は前につんのめった。
 「ッと…………」
 そこに来た。栞の足払い。
 「ビシィッ」
 「ドォッ」
 茜が倒れた。前のめりに強烈にだ。
 「な!!?」
 素早く茜が立ち上がった。そこに攻撃を加えにかかると思われた栞だが そうしなかった。
 (………ッ 体重移動………それさえあれば………大丈夫よ………)
 今度は両手で栞を掴みに行く茜。
 「ガッ」
 「ィよしッ」
 そこから放たれる。一本背負いが…………!!
 (………………!!? 動かないッ!!?全然ッ 動かないわッ)
 栞が茜の両手を手で振り払うと 同時に 再び茜が掴みかかって来た。
 (もう一度!!!)
 しかし 栞がそうはさせなかった。
 屈み そのまま茜を前につんのめらせた。
 そのまま 茜の頭を掴み 大地に叩きつけた―――――………。
 「ドガァッ」
 茜は そのまま ピク ピクと身体をケイレンさせたまま動かない。
 それを見た審判は叫んだ。
 「勝負ありッッッッッッ」

 その闘いを見た蘭は驚きの表情で呟いた。
 「な………何………?この闘いは………?」



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ザ・ドクター様の格闘小説15話
ぬわんですとー?栞より身体の大きい茜があっさりと・・・・・・・
この柔術とはいったい・・・・・(柔術って・・・?)誰か教えて〜ん><;
そして次はいよいよ京極さんが稽古をつけてた葵ちゃん登場!! by あっきー

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