グラップラー蘭〜RAN THE GRAPPLER〜18
ザ・ドクター様



 葵が構えている。左手を前に出し そして右拳を右腰からわずかに離して。
 この構え。上段。中段。下段。どこを攻撃されてもカウンターが取れる。
 そして 葵がその構えのまま 動き出す。
 「ズズ……ズズ………ズ……」
 徐々に間合いを詰めている。この構えから逃げることは出来ない。この構えを前にどうする?綾香?

 (そう来る気………?オモシロいわね………)
 (…………プログラム サドウカイシ………)
 (ジョウダン………セイケンツキ………セイコウリツ12%……)
 (…………ケリ………7%………トビゲリ………2%……)
 (チュウダン………ツキ……4%……ケリ……1%………トビゲリ……1%……)
 (チュウダンコウゲキフカノウ………)
 (………ゲダン………)
 (……ツキ……5%……ケリ……25%………トビゲリ…………14%……)
 (………ゲダンカクテイ………)
 (………コンビネーション…………ケリ カラ レンゾクケリにツナゲル…………58%……)
 (………ケッテイ………)
 (コウゲキカイシ!!)
 次の瞬間 綾香が攻め込んだ。左のローキック………。
 と 同時に葵が跳ぶ。それを見た綾香はローからハイへと蹴りの軌道を変化させる。
 「キュン」
 「バォッ」
 辛うじて宙で身体を縮めてかわした。しかし 綾香のハイが宙で止まり 戻って来たッ………!!
 「ゴォッ」
 (戻って来た………!!)
 「ゴッ」
 葵がヒジで綾香の戻り際のハイキックを迎撃したッ………!!葵のヒジが綾香の左スネの裏にめり込む。
 「めり……っっ」
 (プログラム…………虫(バグ)ハッセイ……………プログラム ハイキ カイシ………)
 (1%……)
 と 同時に葵が綾香に攻め込む。強烈に。
 「オオォォォォォッ!!!!」
 拳。蹴り。ヒジ。それらを全て綾香に叩き込む。
 しかしガードを固めているため まともにヒットするのは少ししかない………!
 (7%……18%………29%…………)
 (31%…………48%………59%……………)

 『こッ これは予想外の展開だァ』
 『格闘の女王・来栖川 綾香がッ 苦戦を強いられているゥゥゥッ』
 『新鋭 松原 葵 恐るべしィィィッ!』

 京極は呟いた。
 「バグを発生させたか………あの綾香のプログラムにバグを………」
 「………となれば……そのプログラムの廃棄と再構築にかかる時間………それがチャンスだな……」
 「その間に仕留めるコトが出来ればよし……さもなくば………」

 (89%…………100%…………プログラム サイコウチク カイシ…………)
 (1%…………3%………)
 (データブンセキチュウ…………)
 (ダゲキワザニタイスル アラユル ゲイゲキワザヲ カイセキチュウ…………)
 (カイセキカイシ………)
 (1%…………5%…………8%……………15%……)
 (25%………34%………48%………52%……………)
 (アオイノ コウゲキパターン カイセキカイシ……)
 (1%…………18%………35%………57%………)
 (78%………98%………100%………)
 (ゲイゲキワザ カイセキ ゾッコウ………)
 (68%………79%………87%…………95%………)
 (96%………97%………98%………99%………ミチノワザガ ミラレマス……)
 (未知の技!!?まだ 新たなる技があると言うの!!?)
 プログラムを作成している綾香はそう思った。
 (ミチノワザ………アリトアラユル カノウセイヲ ケンサクチュウ………)
 (……1%………8%………17%………24%………)
 (37%………47%…………58%…………69%…………)
 (85%…………98%……………100%…………ケンサクシュウリョウ…………)
 (ミチノワザ プリントカイシ……………“コオウ”…………)
 (“虎王”!!? その技は一体………?)
 (“コオウ”ブンセキカイシ……………ブンセキシュウリョウ………)
 (“キョウゴク”ガ ツカッタ ワザデス………)
 (京極………!!?………あの時の技………?)
 綾香は 大会前に京極と工事現場で闘った時のコトを思い浮かべていた。
 (あの…………アタシが防いだ技………あれが………“虎王”…………!!?)
 (“コオウ”ニ タイスルハンゲキワザ ブンセキカイシ…………ブンセキシュウリョウ…………)
 (ゲイゲキワザ カイセキ ゾッコウ…………100%………プログラム サイコウチク ゾッコウ………)
 (5%………10%………18%………24%………)
 (35%………48%………57%…………69%……………)
 (75%…………89%………97%……………………100%………)
 (プログラム サイコウチク シュウリョウ…………)

 そして 綾香はガードを解いた。その顔めがけて葵の正拳が襲いかかる。
 「ゴォッ」
 しかし 綾香に紙一重でかわされた。その後も葵の攻撃が襲いかかる。
 「バオッ」
 無尽蔵に襲い来る葵の攻撃を綾香は全て紙一重で交わしていた。

 京極は思わず呟いた。
 「プログラムが完成しやがった………必倒のプログラム…………」
 「つけいるスキが無い………しかし“虎王”を出せば……」
 「“虎王”を出せば綾香のプログラムに再びバグを起こすコトが出来る……そこが勝負だ」

 しかし 京極は知らない。綾香のコンピュータにその“虎王”の存在を読みとられてしまったコトを。
 そしてその反撃策も構築されてしまったコトを。

 次の瞬間 綾香が葵の猛攻をかいくぐりダッシュ。瞬時に 葵の懐に飛び込んだ。その顔に笑みを浮かべつつ………!!
 綾香はそこから跳び 葵の身体に正拳を浴びせた。
 ノドの下。肋骨の分かれ目。鳩尾。そして金的。この4カ所に瞬時に正拳突きを浴びせたのだ。

 それを見た京極は呟いた。
 「せ……正中線四連突(せいちゅうせんしれんづき)…………!!」
 「しかし チャンスだぞ 葵………!!」

 「パシッ」
 次の瞬間 葵は綾香の腕を掴んだ。


 (行けッ……!“虎王”…………ッッ!!!)
 京極はそう思った。



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ザ・ドクター様の格闘小説18話
恐るべき分析能力・・・・・・・すごい闘い方・・・・・
綾香の猛攻はいかに?!
京極さんもびっくり・・・・うちもびっくりや・・・・←おいおい
もう本当に虎王はきかない?・・・・・ by あっきー

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