グラップラー蘭〜RAN THE GRAPPLER〜2
ザ・ドクター様


 
 抽選会場。
 そこに記者達が群がっていた。その中に1人の女性が現れた。
 「オォォォッ 来たぞッ 『プロレス界の荒獅子』北斗 晶だァッ」
 「全日本女子プロレスの比類無きエース 北斗 晶……全女最強のレスラーだ……」
 晶の髪はショートカットだった。
 そして 普通の身体の上に筋肉が乗って居るという体つきであった。
 顔は ボーイッシュといったところか。
 「なんだ 皆さん 知っているんですねェ」
 「モチロンですよ 晶さん 優勝候補といわれる貴女ですが目指すのはもちろん………?」
 「エェ………目指すモノは優勝以外に無いわ…………」
 晶は笑みを浮かべながらそう言った。自信満々の笑みを。
 「……それは優勝宣言といってもいいワケですね!!?」
 「えぇ…………そう………」
 「フフフッ 八百長と呼ばれるプロレスが優勝宣言?ソッチの方が片腹痛いわね………」
 その発言を聞いた北斗は拳を握りしめながら叫んだ。
 「………誰だ?今 発言したのは誰だよ?オォォッ!!?」
 「………私よ」
 そう言いながら1人の少女が姿を現した。
 「出場者2人目………『シドニー金間違いなしの天才柔道少女!!』藤堂 茜!!」
 記者達はそう叫んで居た。
 茜は 笑みを浮かべながら首と髪の間に両手を入れ そこから髪をパサッとなびかせた。
 「……16歳にして シドニー金間違い無しと言わしめる柔道の天才……」
 記者達の間でそんな声が漏れ始める。
 会見席に向かおうとする茜の肩を何者かが後ろからガシッと掴んだ。
 「痛いわねェ……誰?こんな事するの………?」
 そう言いながら茜は振り向いた。そこには晶が居た。
 「さっき なんつった?プロレスを八百長発言とは許せねェなァ……」
 晶は怒りの形相でそう言った。
 「あら 本当の事でしょ?プロレスにはいつも台本があるって噂ですわよ?」
 「……そっちこそ 打撃系にはてんで弱いクセによォ」
 晶がそう言い放った。と 同時に茜が構えた。柔道の構え。すぐに相手を掴みに行ける構えだ。
 それを見た晶は にぃっ と笑みを浮かべて言った。
 「………ここで やる気かい………」
 そして 晶は体勢を低くする。いつでもタックルから相手を倒しに行ける。もしくは掴みに行ける。そういう構えだ。
 「グググ………グ………」
 さらに体勢を低くする晶。それを見た茜もつられて体勢を低くする。
 それを見た晶は思ったと同時にダッシュした。
 (かかったァァァッ)
 「ドバッシィィィン」
 「ズダ――――――――ン」
 北斗が会見席まで飛ばされ 机に勢いよく激突した。しかし苦しむ様子もなく すぐさま起きあがって来た。
 「今やったの………ナニモンだァァッ」
 そう叫ぶ北斗。その前に巨人が姿を現した。
 189cm 93kgの巨人。巨人のように大きな女性が。
 その女性を見た北斗は 思わず呟いていた。
 「で………でけぇ………」
 記者達の中でざわめきが起こる。
 「『世紀末の女横綱』新相撲 佐伯 純………相変わらず大きいぜ………男顔負けだ………」
 「あの巨体から繰り出される技全てが普通の男にゃ防げないってんだから この大会に出るのも頷けるよなァ」
 「恐縮です」
 記者達の誉め言葉を聞いた純は照れながらそう言った。

 その時 記者達の間から歓声が沸き起こった。
 「オォォッ 『薄幸の達人』柔術の女王・紅 栞だ…………!!」
 栞は記者達など気にも止めずに 会見席に歩みを進める。
 「オ………オイオイオイ………こっちを気にも止めねェぜ………やっぱりあの異名は本当なのかよ……?」
 「感情を露わにしない………それが原因となり つけられたもうひとつの異名が………」
 「バトル・サイボーグ」
 栞は16、17くらいの女の子だった。長い髪を白いリボンで結い 和服を着ていた。顔は美少女といっても良いだろうか。
 157cm 42kg。女の子並の体格で――――……と 言っても本当に女の子なのだが。
 このメンバーの中では確実に見劣りする体格だ。
 栞が座るのを見た3人も椅子に座った。

 その時 セーラー服の女の子が入って来た。
 「あの〜抽選会場はここですか?」
 そう言いながら。
 青い髪のショートカット。そしてぱっちりとした眼。これも美少女と言っていいだろう。
 その女の子を見た記者達は次々と呟いた。
 「葵だ」
 「松原 葵」
 「『現れた若き天才格闘少女!』松原 葵………」
 「あ〜 良かった ここのようですね」
 葵はそう言いながら笑って ぽむ と手を打った。そして会見席に歩みを進める。
 「葵ちゃんッ 勝つ自信はあるんですか!!?」
 「念願のエクストリーム出場ですよねッ」
 記者達が怒濤の勢いで葵に質問攻勢を始めた。それを記者越しに見た4人は呟いた。
 「………あれが 松原 葵……」
 「天才格闘少女と呼ばれる…………」
 「随分と活きのいい獲物だな」
 「…………………………」

 葵が質問攻勢から逃れ 会見席に座ったと同時に2人の少女が姿を現した。
 毛利 蘭と九篠 麗華。数年前 激闘をかわした2人が。昔からのバトル専門の記者達はこの2人を覚えていた。
 「毛利 蘭さんと 九篠 麗華さんですねッ」
 「蘭さんは5年振り 麗華さんは4年振りエクストリーム出場となりますが どうでしょうかッ」
 「勝算は おありですかッ」
 その時 記者達の足下から声が聞こえて来た。
 「むぎゅ…………」
 コナンと平次が踏まれていた。バトル番の記者達にとって対象の者以外は目に入らないようだ。
 それを見た蘭は叫んだ。
 「きゃーっ コナンくん 服部くん しっかりして――――――――ッ!!」
 「あぁ えらい目に会ぅたわ………」
 平次はそう言いながら息をついていた。
 「どや?コナン?」
 「うん………痛かった………」
 コナンは疲れた顔でそう言った。
 「ちゃうちゃう あの女達のことやがな……こうやって見ると そうそうたる顔ぶれやな……オ……」
 「そう言っている間に 最後の1人の登場やで」
 平次がそう言うと同時だった。1人の少女が入って来たのは。その少女めがけて記者達のフラッシュが焚かれる。
 「オ………来栖川 綾香だ………」
 「『格闘の女王』………まさに クィーンズ・オブ・クィーンの名が似合う格闘家……」
 「今年も健在だ………」
 その後に主催者の来栖川財閥総帥・来栖川 猛が入って来た。
 猛はヒゲを生やしていた。厳つい顔をした紳士。その言葉に猛の全てが圧縮されている。

 「お待たせしました……記者の皆様方……」
 猛がそう言った。
 「………それでは エクストリームスペシャル2000のルールを説明します」
 「ルールは武器の使用以外一切を認める……この一点だけです」
 「………そして……抽選を行います」
 猛がそう言ったと同時に上から トーナメント表がスルスルと降りてきた。
 「ブロックを2つに分け 各々ののブロックを4人で争い ブロックを勝ち抜いた者同士が決勝で激突する………」
 「まず……前回優勝の来栖川 綾香」
 綾香は立ち上がると猛の持っている箱からクジを引いた。スパッと。
 「Bブロック………4番」
 「ほぉぉ〜〜」
 記者達の間から声が漏れる。
 「最終試合か……」

 その後も抽選は行われた。

 「続きまして北斗 晶」
 「Aブロック2番」

 「佐伯 純 Aブロック3番!!」

 「藤堂 茜 Bブロック2番!」

 「紅 栞 Bブロック1番!!」
 その声を聞いた記者達は叫んだ。
 「オオォォォッ いきなり柔術と柔道の激突かよォォッ」
 茜は笑いながら手を差し出して言った。
 「よろしくね」
 しかし 栞はその握手に応えなかった。それどころか表情を微塵も変えない。

 「毛利 蘭!」
 蘭の抽選。開いているところは3箇所。何れも 強敵と思われる者が相手となる。
 その中に 最強と思われる 来栖川 綾香の名前もあるのだ。
 蘭はゆっくりと立ち上がって抽選箱の中に手を入れて思った。
 (………誰だろう……?アタシの相手は………?)
 (晶か…………?)
 (純か…………?)
 (綾香か……………?)
 蘭は意を決したように1枚のクジを引いた。そして そのクジが開かれ 中身がコールされる。
 「毛利 蘭 Aブロック…………」
 とりあえずは綾香のブロックからは逃れた。これは喜ぶべき事なのか?それとも………?
 「1番!!」
 それを聞いた蘭は思った。
 (……と すれば………!対戦相手は北斗 晶!! プロレスか!!)

 「九篠 麗華 Aブロック4番!!」
 麗華の相手は相撲。佐伯 純だ。

 ………と なれば必然的に綾香の相手は………松原 葵。




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ザ・ドクター様の格闘小説2話
なんと麗華と蘭はAブロック・・・・そして蘭の対戦相手は北斗晶・・・・・
ぷ・・・プロレスって・・・・・(爆)あ・・・これは表みたいなのがあればわかりやすそう・・・(笑)byあっきー

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