グラップラー蘭〜RAN THE GRAPPLER〜7
ザ・ドクター様


 

 来栖川ドーム。来栖川財閥が成した一大建造物。コンサートや野球がその球場で繰り広げられている。
 しかし その日は違った。明らかにコンサートや野球を見に来ている者達とは客の層が違う。
 顔が違う。……当たり前か。
 服装が違う。……これも当たり前だ。
 何というか………。雰囲気が違う。そう。雰囲気。雰囲気が通常とは異なっていた。

 来栖川ドーム内。
 2人の男性が掃除をしていた。
 「暑いねぇ〜〜………」
 「クーラーは利いているよなァ…………?」
 「おっかしィなァ〜〜…………」

 グランド。グランドの中心に八角形の闘技場があった。大地のには砂が敷き詰められている。
 その闘技場の名をオクタゴンと言った。その闘技場の周りには人が入っていた。
 数万人。いや。数十万人。
 「綾香ァァ――――――――ッ」
 「あ・か・ねェェ――――――――――」
 「北斗ォォ―――――ッ」
 「栞ちゃ―――――んッッ」
 「葵ィィィ―――――ッ」
 「蘭ちゃ〜〜〜〜〜〜ん!!!」
 「麗華ァァッッッ」
 「佐伯ィィィ〜〜〜〜〜ッッ!!!」
 観客達の興奮は既に沸点に達していた!!!

 『選手入場です!!!』
 『【プロレス界の荒獅子】北斗 晶!!』
 『【シドニー金間違いなしの天才柔道少女!!】藤堂 茜!!』
 『【薄幸の達人】柔術の女王・紅 栞!!』
 『【現れた若き天才格闘少女!】松原 葵!!』
 『【世紀末の女横綱】新相撲 佐伯 純!!』
 『【空手界に現れた新星!】九篠 麗華!!』
 『そして あの天才少女が再び我々の前に姿を現す!!その闘う姿は猛虎といわれる………』
 『【天才空手少女!マスター・オブ・ファイティングガール!!】毛利 蘭だ!!!』
 『この女が女子格闘技界を支配した!!【格闘の女王!!】』
 『そして前年度エクストリームチャンピオン!!来栖川 綾香!!」』
 『それぞれの分野から選ばれた最強の戦士8人!!!』
 『この8人で本年のエクストリームを争ってもらいます!!』
 『誰がこのトーナメントを制するのかッ 非常に興味深いところですッ』
 『選手退場ォォォ』
 そのコールと同時に観客達の間から歓声が沸き起こった。
 「ワァァァァァァァァァァッ」
 選手達は観客達からの歓声を一身に浴びながら退場した。

 十数分後。
 『お待たせしましたッッ』
 『只今から一回戦第1試合を行います!!!』
 『赤コーナー 北斗 晶 プロレスリング!!』
 そうコールがかかると 晶は 着ていたガウンを脱ぎ捨て入場してきた。
 「ィヨッシャァァッ」
 そう叫びながら。

 北斗 晶(プロレスリング)
 178cm 65kg

 『青コーナー 毛利 蘭 空手!!!』
 そのコールを聞いた蘭は 両手で帯をきつく締め 入場した。
 「ギュッ」
 そう音が聞こえるくらいに きつく締めながら。

 毛利 蘭(空手)
 170cm 58kg 

 『遂に実現しました プロレスVS空手ッ』
 『それぞれの世界で最強の2人が 今ここに激突するのですッ』

 北斗 晶 パワー:9 スピード:4 ディフェンス:2 テクニック:6 ????:10 (10段階評価)

 毛利 蘭 パワー:7 スピード:6 ディフェンス:7 テクニック:6 ????:7

 これから見ると 蘭が勝っているのはスピードとディフェンスだけか………。
 最後の【????】が気になるが それも後で明らかになることは間違いない。

 「両者中央ッッ」
 レフェリーからそのコールがかかった。と 同時に2人が闘技場の中央に歩み寄った。
 「武器の使用以外一切の技が……貴方達が使える技ならなんでもOKです」
 「どんな技でもOKなのかい」
 晶はそう言った。不敵な笑みを浮かべながら。
 「え………えぇ………」
 レフェリーは 戸惑いながらそう言った。
 「そうかい……いい試合をしようぜ 蘭」
 そう言いながら 晶は手を差し出した。握手のつもりだろう。
 「………えぇ」
 「両者 元の位置に」
 レフェリーがそう叫び 両者元の位置に戻った。と 同時に叫んだ。
 「始めぃぃぃ!!!」
 と 同時に 晶と蘭がダッシュ。両者激突………!!
 いや 蘭が晶の胸にパンチを突き入れた。
 「ドガァッ」
 「ぬぅ………」
 蘭は思わずそう呟いていた。
 (なんなの……ッッ 今の感触は………ッッ)
 (…………堅い………)
 「ドコォッ」
 蘭の左上段の正拳突きが晶の顔にヒットした。
 (………まるで岩………!!)
 「ドドドッ ドドッ ドドッ」
 蘭の連続突きが晶の全身を叩く。
 (ゴムに包んだ岩…………!!)
 (筋肉―――……筋肉の上にゴムが重ねられ……その上に重ねられた筋肉とゴム………!!)
 (脂肪………筋肉の上に乗っかった脂肪………そしてその上に乗っかった筋肉が……打撃を吸収している!!?)
 (………ここ…………!!)
 (ここで倒さなければ…………!!)
 その思いと同時に蘭の猛攻が始まった―――………。
 (ここで倒さなければ…………………!!)
 (やられる!!!)
 蹴。拳。肘。膝。掌。手刀。
 蘭のあらゆる攻撃が次々と晶の全身を捕らえる。
 捕らえる。捕らえる。捕らえる。
 晶はガードしない。ガードをしようと言う気を微塵も見せない。
 何故だ。何故ガードしないのか。
 蘭の打撃を連続で喰らいながらも その顔には不敵な笑みを浮かべていた。

 「嗤(わら)ってる………」
 晶の顔を見て呟いた観客達のその言葉が 蘭の耳に届いたような気がした―――………。




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ザ・ドクター様の格闘小説7話
どしえー!!!キャラ一人一人が強い!!まるで天下一武闘会みたいな・・・・・・(汗)
今回の蘭ちゃんの相手はプロレス界の北斗晶!!はたしてどう闘うのか?!by あっきー

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