アメリカ。スラム。 ここは法律もクソも無い。悪党達の栄える街………。 1人の女性が家を出て そのままポストから1枚の手紙を抜き出してポケットにしまっていた。 「あ〜あ つまんねぇなぁ…何か 面白いこと無いかなぁ……」 女性が歩きながらそう呟いた。 彼女の名こそ ピーターソン。聖(せい)・ピーターソンと呼ばれる女である。 彼女は金の長髪。そして 鋭い眼光を秘めていた。スタイルはいい方だろうか。 顔は美しかった。 「待てよ ピーターソン」 ピーターソンの背後から声が聞こえて来た。それを聞いたピーターソンは振り返った。 そこには警察官のトムがいた。 「……また アンタかい……」 「御用だ ピーターソン 暴行罪の容疑で逮捕する」 「はぁ?暴行罪?何それェ?ただ 暴走族をとっちめただけでしょ?」 「…例え 相手が暴走族だろうと それは立派な暴行罪なんだよ」 そう言いながらトムは歩みを進める。ピーターソンを逮捕せんがために。 「いいの?死ぬわよ?」 「……オマエを逮捕できれば本望だよ」 それを聞いたピーターソンは不気味な笑みを浮かべて言った。 「……そう…なら逮捕するがいいわ」 そう言いながらピーターソンは両手をアッサリと前に出した。 このまま素直に逮捕されようというのか。それとも…? 「カシャン…」 トムの手錠がピーターソンの両手首にしっかりとハマッた。 そこから彼女は抵抗すると見られたが 全く動かない。 後日。新聞には『ピーターソン逮捕!』という文字が一面にデカデカとあった。 その他にも、 『スラムの英雄・ピーターソン 警察に敗北!』 『ピーターソン 遂に御用!』 と、言う見出しも。 ロサンゼルス署内の牢屋。そこにピーターソンはいた。 「入って見て なかなか…ここも意外と快適じゃない……三食昼寝付きだし……」 「……でも この生活にも そろそろ飽きたわね……」 そう呟いたと同時にピーターソンが跳んだ。 「ドカァッ」 牢屋の扉を破壊し 脱出したと同時に警報が鳴った。 「逃走ッ!何者かが逃走しましたッッ」 そういう内容の警報が。 ロサンゼルスに限らずアメリカ警察の対応は早い。 数分のうちに牢屋の周りにはロサンゼルス署内の警察官が全て集まっていた。 それを見たピーターソンは呟いた。 「へぇ……木偶の坊だけじゃないと言う事ね……これなら安心だわ……」 そう言葉を吐いたすぐ後に彼女は訂正する。 「いえ……『安心だったわ』ね……」 「どう言うことだ?それは?」 集まった警察官の先頭にいた男が警棒を持ってピーターソンに不用意に歩み寄る。 「あッ…バカッ ソイツは……」 警察官の群れからそんな言葉が漏れる。 と 同時だった。男がガクンとヒザをついたのは。 「不用意に近寄るなッ 戦闘体勢に入れェェェッ」 その掛け声で全警察官が警棒を抜いた。拳銃は使わない。 こんなに人がいるところで拳銃を使ったら同士討ちになる恐れがあるからだ。 次の瞬間 ピーターソンが動いた。低空からのローキック。 「ピシィッ」 そしてパンチ。ヒジ。 連続しての水面蹴り。 飛び込みざまの突き。 次々と警察官の群を薙ぎ倒していく。 数分後にはトムを残して他の警察官は全滅させられていた。 「な……何故……ッッ」 「ここにいるのが飽きたから出ていくだけよ?」 ピーターソンはそう言いながら笑った。 「オ…オマエはオレに逮捕されたんじゃなかったのか?」 「えぇ…逮捕されたわ…正確に言えば逮捕されてやった……ね」 「な……何故 そんなコトを………ッッ!」 「アタシを逮捕したかったんでしょ?それが本望だったんじゃない?」 「あ…あぁ……そうだ……」 それを聞いたピーターソンは不気味な笑みを浮かべながら言った。 「……そう……だったら良かったじゃない?夢が叶って?」 「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッ」 トムは声にならぬ叫び声を上げながら拳銃を抜いた。しかし 僅かにピーターソンの方が速かった。 拳銃の撃鉄が上がる一瞬 前にトムの顔が歪んだ。トムの顔めがけて強烈なパンチを放ったのである。 「ズダ―――――ン」 「ズズ……ズ……」 「ドッシャァッ」 トムは壁に激突し そのまま重力に逆らえず地面に伏した。 そして数十分後。 ロサンゼルス市警は廃墟と化していた。 ピーターソンは ポケットに入れてあった手紙を思い出し それを開封した。 「ピッ」 そこには こう書かれていた。 東京に最強の闘士現われり。 これをG−5の名を以って撃沈せよ。 KING と。 それを見たピーターソンは呟いた。 「東京……か……」 ここにアメリカ最強の戦士・ピーターソンが日本に向かう事になる―――――。 続きへ
ザ・ドクター様の格闘小説1話
新シリーズ始動開始!!!!
何???これは黒の組織か????
アメリカの女性戦士ピーターソン???蘭に会いに日本上陸???by
あっきー