ラン〜RAN〜
ザ・ドクター様

第2話 中国・『瑠璃 羅刹(るり・らせつ)』

  秘境の国・中国――――。中国拳法総本山にて―――――。

 2人の男が呟きながら話していた。
 「羅刹様が目覚められた……」
 「今日で100歳か……化け物だな……」
 「中国拳法界の実力ナンバー1が100歳の老人とはな」
 「あの方は特別だ……」
 「ところで……あの女は……」
 「ああ……瑠璃様か……」
 「そう言えば 今日が幽閉解禁日だったな……」
 「確か……成年男子でも軽く3年はかかろうと言う中国拳法を……」
 「瑠璃様は6歳の時にわずか3ヶ月で極めたんだったな………しかし………」
 「その直後に人を殺めてしまったため羅刹様によって14年間 洞窟に幽閉された……」
 「飯も与えられず……光も与えられず………水も与えられず………何も人からは与えられない世界に14年間か……」
 「恐ろしい事だな」
 「あそこでは生きたかったら何でも1人で手に入れるしかない………」
 そして扉の前に達した2人はそれを開けて中に進む。
 「御歳百歳……お誕生日おめでとうございます 劉 羅刹(りゅう・らせつ)様」
 そう言った2人の前には老人がいた。ただの老人ではない。マッチョな老人だ。
 これが100歳か?と思えるほどに筋肉隆々だった。
 「ハハ……やっと半分 生きたというところかの……それはよいとして……」
 「のぅ 孫よ」
 「ハッ」
 「確か今日は あやつの幽閉解禁日だったな……」
 その時であった。遠くから大きな音が聞こえてきたのは。
 「ドカ―――――ン」
 何か爆弾を破裂させたみたいな……そう言う音であった。
 「な……なんだァァァッ」
 そう叫ぶ孫。
 「まさか 自力であの洞窟から脱出したとでも言うのか………?」
 「ギィィィ……」
 ゆっくりと 扉を開ける孫。
 そこには 多数の血が流れていた。

 そして その中央に1人の女性がいた。
 その女性の名を瑠璃―――――………。

 瑠璃は黒の弁髪。中国の三つ編みと言っていいだろう。そして 細かった。
 そして その身をチャイナ服で包んでいた。スタイルは……いい方だ。
 色白の顔だった。これも美しい部類に入るだろう。
 「こ………これは瑠璃様ッッッ」
 「羅刹は……中ね?どいてもらうわよ」
 「あ………ハイ………」
 そう言いながら 孫は道を開けた。
 「何をしに来た 瑠璃」
 劉がそう言った。凄みの効いた声で。
 「………私の青春を返してもらいたい」
 「……ほぅ………」
 「6歳の時から 14年間……20の今まで楽しさなど無かった……ただ ただ 格闘に明け暮れていたのみだった」
 「……そんな下らぬ事か……いいだろう……」
 「ワシに勝てば自由を認めてやろう どこにでも行くがいい」
 劉が立ち上がって構えた。中国拳法最強の男の闘いが見られる。
 「ズォン」
 と 同時に瑠璃がダッシュ。それを劉は迎え撃つ。
 瑠璃の左正拳突き。それを 劉はかわし 懐に飛び込みに行く。
 「ゴッ」
 飛び込んだ劉の顔を瑠璃のヒザが叩いた―――――……。
 「ガコォッ」
 間をおかずに劉の後首筋にヒジ―――――………。
 次の瞬間 竜が瑠璃の身体を掴み そのまま後に投げた。
 しかし 瑠璃は手から着地。そして劉の掴みから脱出し 水面蹴りを放った。
 「ボォッ」
 飛び上がる劉。と 同時に瑠璃は体制を整え 劉のアゴに掌抵突きを放った。
 「ボッ」
 しかし 劉は崩れない。中国拳法最強の男はこれ如きでは崩れはしない。
 「シィッ」
 そう叫びながら劉が瑠璃の顔に拳を放つ。
 と 同時に瑠璃は疾風の如き素早さで懐に潜り込むが そこに来た。劉のヒザ蹴りが。
 先程の瑠璃の攻撃パターンのコピーか。
 しかし 瑠璃には通用しなかった。
 瑠璃は それを両手で防ぎ そのまま劉のヒザを支点として逆さ倒立。
 そこから連続の蹴りが劉の顔を襲った。
 「ドドドドドドドッ」

 それを見た孫と馬は呟いていた。
 「オ……オィ………これは………!!?」
 「お………押されているぞ………劉様が押されている…………!!」
 「ま………まさか……伝説が終わるのか!!?」
 「地上最強の劉伝説がッ!!?」

 その時だった。劉が瑠璃のノドを掴んだのは。しかし 瑠璃 動じず 下から劉のヒジを破壊にいった。
 「ゴキィッ」
 「オォォ!!?」
 そう叫ぶ劉。しかし瑠璃の攻撃は終わらない。
 「ズドォッ」
 劉の腹に蹴りを突き刺した。爪先からの蹴り―――――……。
 間をおかずに左上段蹴りが劉の右こめかみを叩いた。
 「パァンッ」
 これは効いた―――――………と思われたが 劉は倒れなかった。さすがに頑丈だ。
 「……さすがにタフだわね……でも これで終わりよ……」
 その言葉と同時に 瑠璃は劉の肩の上に駆け上がった。と 同時に劉の首を支点に胡座をかいた。

 それを見た孫は叫んだ。
 「あ……あの技は……ッッ!」
 「中国拳法の奥義………!!」
 「転蓮華(てんれんげ)だァ――――――――――ッ!!!」

 孫のその叫び声と同時に瑠璃が自分の身体を横倒しにした。そして劉の首を軸に一回転する。
 「メキッ ミキッ メキメキメキッ」
 それが終わった時 劉の頸椎は損傷していた。
 もう戦えない………!!そう言うレベルだ。
 瑠璃は呟いた。
 「これで 中国拳法の最高峰の称号・羅刹は この私のモノだわ」
 「それにしても……中国最強の男がこのザマですか……」
 「私に勝てる人は この世に存在しないのでしょうか………?」
 「る…瑠璃……」
 孫のその言葉を聞いた 瑠璃は尋ねた。
 「何?孫?」
 「劉様に届けるハズだった手紙だ……宛先がオマエ宛になっている……読んで見ろ」
 孫はそう言いながら手紙を瑠璃に渡した。瑠璃はそれを開ける。
 そこには こんな内容があった。

  東京に最強の闘士現われり。
  これをG−5の名を以って撃沈せよ。

                         KING

  と。

 それを見た瑠璃は思っていた。
 (東京………?そこに私を満足させてくれるヤツがいるの………?)
 (だと するならば向かうか……東京へ――――……)

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ザ・ドクター様の格闘小説2話
新シリーズでは続々と東京に世界の強者が集まってくる・・・・・
これは蘭達日本で最強を誇る5人と対決する為に?!
今までの格闘よりももっと激しいバトルの幕開け・・・・・・
しかし・・この瑠璃ちゃんは14年間も洞窟に幽閉って・・・・いったい・・・6歳の時に
KINGという謎の人物に会ってるのかな???(謎)by あっきー

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