ラン〜RAN〜

ザ・ドクター様

第12話 参戦

 葵とピーターソンの闘いから1時間後。
 月が暗雲に覆われていた。

 同じ公園を1人の女性が歩いていた。
 その女性の名を桜田 恵美と言った。その後をひとつの影がついてきている。
 その影に恵美は気づいていた。しかしながら ペースを変えなかった。
 敢えて気づかないフリをする。
 影のスピードが速くなる。
 「オイ 待てよ……」
 影が恵美の肩を掴む。
 「何………?」
 「ずいぶんと下手な変装だなァ」
 闇の中から声が聞こえて来た。
 「それで自分の素性を消したつもりかい?本性がプンプンと匂ってくるぜ?プンプンプンとよ」
 「……だ……誰………?」
 そう言いながら恵美は振り返る。
 暗雲が晴れ 月の光が大地に降り注ぐ。

 そこには金田一 一(きんだいち・はじめ)がいた。
 「………誰?」
 「…………オレの名前は外国じゃ無名だってのか………こんなにカッコいいのに……」
 自分の世界に浸っている一であった。
 「オレの名前は金田一 一だ………」
 「金田一……あぁ……あの名探偵の……息子か」
 「あぁ………って息子?オレがそんな歳に見えるってのか?」
 一の その質問に恵美は笑みで返した。
 「………遠野をやったのはオマエだろ?」
 「へぇ………何故わかるの?」
 「名探偵のカンだ……そして オレはそのカンを信ずる」
 「……大したカンね……でも私の前に出たら死ぬと言う事をカンで予測出来なかったのかしら?」
 その時だった。

 「お待ちなさい」
 「う!!?」
 何者かの出現によって2人の動きが止まる。
 「……不思議なモノですね……犯罪者は犯罪者を呼び……犯罪者は名探偵を呼ぶ………」
 その声と同時に声の主が徐々に姿を現す。

 「オ………オマエは………!!」
 「地獄の傀儡師(じごくのくぐつし)……高遠 遙一(たかとお・よういち)――――――――――!!」
 高遠はその顔に笑みを浮かべていた。
 「た……高遠……何でオマエが?」
 金田一がそう呟いた。
 「金田一君……キミは名探偵です……そんなキミを犯罪に手を染めさせるワケにはいきません………」
 「ここは私に任せてもらいたい」

 「で………でも……」
 「遠野ですか?」
 「な……何で……それを……?」
 「貴方と同じく 新聞で見たのですよ」
 「その時に1人の女が私の頭に浮かんできた………」
 「イギリスの“毒姫”シェラザード………」
 「“毒姫”シェラザード!!?」
 「参ったわね……ここまで速く見破られるとは………」
 そう言いながら シェラザードは恵美のメイクを取った。
 「フフッ 私の名前が東洋の島国にも知られているとは思わなかったわ」
 「フッ 一流の犯罪者なら誰でも知っていますよ……貴女の事は…………」
 「……金田一くん……キミは行きなさい……今から ここで激闘が始まるのですから」
 「あ……ああ……頑張れよ……高遠……」
 「えぇ 金田一君……タイタニック号にでも乗ったつもりで任せておいて下さい」
 それは沈んだ船だ。沈没船だよ。

 一が去ったのを見た高遠は構えた。しかし シェラザードの姿が消えていた。
 (消え………ッッ!)
 そして 高遠が影に包まれる。
 シェラザードは宙に跳んでいた。そこから蹴りを放つ。
 「ドゴォッ」
 高遠はブロックしたが吹っ飛ばされた。しかし 寸前でダウンを踏み止まった。
 「強いですね」
 高遠は笑いながらそう言った。

 逃げる金田一。その金田一を1人の影が追ってくる。
 (まいたハズなのに………何故……高遠が相手しているんじゃないのか?)
 (く………ッッ 闘うしかないのか!!?)
 そう思いながら一は足を止めた。

 その時だった。影が姿を現したのは。影の正体はスコルピオンだった。
 「金田一 一……だったかな?キミの噂は我が国でもよく聞く」
 「いや〜それほどでも〜」
 「しかしながら 我々には その頭脳が邪魔なのだよ」
 「死んでいただきたい」
 そう呟きながらスコルピオンがユラリと動いた。
 「ち……ちょっと………待て……おい……」
 その時だった。一の後から1つの影がやってきたのは。
 (また人………?アイツの仲間か……?ここで殺されるかもな)
 その影は 一の上を跳び そのままスコルピオンに蹴りを放った。
 「ボォアッ」
 しかし スコルピオンはかわした。そして影が着地する。
 「ったく 何やってやがんだ……仮にもオレの元教え子に手ェ出すなんて どういう了見だい?」
 「一応 コイツは男だぞ……男………」
 「……って……アンタ……女!!?」
 影はスコルピオンの顔を見てそう驚いていた。
 「じゃぁ問題ねェかなァ……」
 「…って!可愛い元教え子が無理矢理 童貞奪われようとしているのを見過ごす事はできん」
 どこを見ているんだ。アンタ。
 「ア……アンタ……まさか………」
 金田一がそう呟いた。
 「少しは成績良くなったか?金田一ィ?」
 そう言いながら 影が振り返り その顔が 月光によって照らされる。
 金田一が叫んだ。
 「お……小田切(おだぎり)先生!!!」

 ◆“地獄の傀儡師”高遠 遙一!“七人目のミイラ”小田切 進!デ・ン・ゲ・キ参戦!!


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ザ・ドクター様の格闘小説12話
なんとっ金田一サイドのキャラクターが登場!!!!
しかも高遠&小田切!!!!!きつー(笑)
にしても金田一もこんなとこで巻き込まれとるとは・・・・・
あれ?でも金田一は格闘家やないのに襲われたりしたら・・・・??←おいおいby あっきー

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