ラン〜RAN〜

ザ・ドクター様

第13話 格闘というモノ

 一が呟いた。
 「お……小田切先生……な……何でここに………?」
 「久しぶりだなァ 金田一」
 「……い……いや……その前に……あの……センセ……」
 「六角村で死んだハズじゃ………?」
 「あぁ あの時 オレは奇跡的に脱出したが 大火傷を負っていた……」
 「そこをとある金持ちに発見され 青森の病院に強制入院させられ………」
 「その病院が 余りにも退屈だったので傷が治りかけた頃に脱走しようとしたが…………」
 「連れ戻され……また脱走したが……その度に連れ戻され…………」
 「そして 看護婦とのロマンスに落ち―――――……そのまま静養した……」
 「手厚い看護を受けて 今 この場に完全復活よ」
 「あ……そうそう……オレはもう先生じゃねェ 六星 竜一(ろくせい・りゅういち)だ……」
 「ただの―――……六星 竜一個人………」
 「暗い話になっちまったなァ……そこの軍服女………名前……なんつったかな?」
 「スコルピオン」
 スコルピオンはただ一言 そう答えた。

 「へぇ スコルピオンって言うのか……結構いい名前じゃねぇか?」
 小田切……いや。竜一がそう言った。
 「ここからはオレが相手だ……いいな?」
 そう言いながら竜一は拳をポキポキと鳴らず。
 「始めようか」
 竜一がそう呟いたと同時にスコルピオンがダッシュ。
 「ゴォアッ」
 それを竜一は飛び越え 着地しざまに裏拳。
 「ボォッ」
 それを屈んでかわしたスコルピオンは竜一の足を払いに行く。
 簡単に足を払われた竜一は手から着地。と 同時に身体を転回させて立ち上がった。
 「シュザッ」
 「………なるほど…………澄んだ眼をしている…………澄んだ眼だ……」
 竜一がそう言いながらスコルピオンに近づいた。
 「近年 見ない 素晴らしい眼だ……………そう言えば……この闘いのルールって……?」
 竜一がそう呟いた。
 「ナンデモアリよ」
 それを聞いた竜一はニィッと笑って言った。
 「ナンデモアリ……か……」
 「確かに それはスポーツ格闘技じゃ無い……と言うよりは……スポーツですらない……」
 「……と なれば殺し合いという……意味合いが強いのかい?」
 「そうね」
 スコルピオンが笑ってそう言った。
 次の瞬間 竜一がスルスルとスコルピオンに近づいていく。
 そこに来た。スコルピオンの蹴り。強烈な蹴りが竜一を襲う。
 「ブァッ」
 (なるほど……ここまでの蹴りを放てるとは………ね……)
 そう思いながら竜一は屈んだが 目の前にスコルピオンの拳が迫っていた。
 「!!!」
 とっさに十字ブロックする竜一。ブロック越しに受けた。
 竜一は手をプラプラさせながら言った。
 「おっつ〜〜〜……マジで効くわ これぇぇぇ〜〜〜………」
 「まァだ 手が痺れてるよ……」
 「しかしねェ オレから見たらスコルピオンとやら……アンタ………」
 「まだ格闘家じゃねェよ」
 そう言いながら竜一はスコルピオンの背後に回り込んだ。
 「こんな長髪で格闘家なんぞ名乗れると思ってンのかい?だとしたら 格闘家も地に墜ちたな」
 「大体よォ こんな長髪で闘いなんてモンが出来ると思ってンのかい?」
 「……闘いは そんなに甘くねェんだよ」
 そう言いながら竜一はスコルピオンの髪を掴んだ。
 そうして それをスコルピオンの首に巻き付けて絞めた。
 「グゥゥゥゥ………」
 スコルピオンが自分の髪を掴みながら呻いている。
 「………これで分かったかい?本当の格闘家にゃ髪の毛は ほとんど必要ねェんだよ」
 その時 スコルピオンが懐からナイフを取り出して 自分の髪を切った。
 「ズパァッ」
 竜一の絞め技が解かれた。

 そして スコルピオンは振り向きザマに竜一の急所を蹴り上げた。
 「グシャッ」
 「それならば こっちも言わせていただくわ……」
 「すぐに蹴れるところに男として大事な急所を持ってるなんて……格闘家としては失格よ」
 竜一は股間を押さえながら足をバタつかせていた。
 「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ」
 スコルピオンの耳に何かしらの音が聞こえて来た。
 それを聞いたスコルピオンは呟いた。
 「六星とか言いましたね このケリはまた次回に着けましょう」
 そう言ってスコルピオンは去った。後には股間を押さえてうずくまる竜一が残されていた。

  その時 一は何故か高遠のところに戻っていた。
 そして 一はそこで見た。血塗れで倒れた高遠を…………!
 「た……高遠ッッッ 一体 何があったァァァッ!!?」
 「う……き……金田一か………に……逃げろと言ったのに……何故 戻って来た……」
 「アイツは まともな強さじゃない………殺されるぞ………」
 「で……でも……オマエ………!」
 その時だった。パトカーのサイレンが聞こえて来たのは。
 「ファンファンファンファンファン」

 そしてパトカーから2人の男性が降り立った。
 明智警視と剣持警部。
 「どうした?金田一?」
 「ふむ………その様子では 出逢いましたか………どうでしたか?金田一君?」
 「オレが見たのはシェザラードとスコルピオンってヤツだ…あとは知ったこっちゃねェ」
 「しかし……しかしなァ……アイツ等がとてつもなく強いと言う事は事実だ」
 「明智さん……そろそろあの部隊を正式に登場させた方がいいんじゃないか?」
 「金田一君……な……何故………キミがその事を………?……剣持さん!しゃべったんですね!」
 「あ……あぁ……すまん 明智警視……酒の席でちょっと………」
 「ふぅ……まぁ いいでしょう……バレたモノは仕方ないし………」
 「確かに のんきにしている場合ではなくなりましたね」
 「ここら辺で我が警察も性根を据えて捜索にかからなければ何のための警察か分からなくなってしまう……」
 「そうなったら 日本の恥だ……」

 翌日。帝丹高校。
 「恵美センセー ちょっと来てくれまっか?」
 「何?服部くん?」
 そう言って平次は誰もいない教室に恵美を連れ込んだ。
 「こんなところで何をする気なの?服部くん?」
 「恵美センセ……いや……センセーじゃあらへんか……」
 そう言いながら平次は木刀を背中から取り出した。
 いや それは木刀と言うよりは長刀といった方がいいだろうか。
 普通の木刀より長い木刀……。それを長刀と呼ぶ。
 そして 平次は中段に構え 恵美を睨みながら言った。
 「アンタ……一体 何者なんや?」

 ◆平次が恵美の正体に気づいた!しかしあのシェラザードが ただで済ませるワケがない!


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ザ・ドクター様の格闘小説13話
明智警視と金田一が合流!!!
一方では平次とシェラザードが・・・・・?平次・・・・・・死ぬなぁぁぁぁぁ←酷い!!(爆)by あっきー

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