ラン〜RAN〜

ザ・ドクター様


第19話 勢揃い

 瑠璃の拳が 明智めがけて振り下ろされようとしていた。
 「ブンッ」
 明智は飛び退いてそれをかわした。間を置かず 瑠璃のヒザ。
 またもや 明智は飛び退いた。
 「………瑠璃……ですね……そちらから姿を現すとは都合が省けました……」
 「貴方の身柄を拘束します」
 「出来るの?」
 「なんとしてでもやって見せますよ……ガスパディン ガーレンッッ 出番ですッ」
 その時だった。明智がそう叫んだのは。
 護送車のドアが開き 1人の巨人が出てきた。その名をアレクサンダー・ガーレン。
 ガーレンと瑠璃……。大人と子供くらいの体格の差がある。
 常識から言えば 勝負はもう見えているだろう。
 しかし その常識を覆すのがG−5たる所以なのだ。
 「ロシアの英雄・アレクサンダー・ガーレン………噂には聞いた事がある……」
 「13年間無敗……先日のシドニーオリンピックで敗戦を喫したが その評価は変わらないッ」
 「それに加えて鋼のような肉体――――……私の好みのタイプよ」
 瑠璃はそう言いながらニコリと笑った。
 そして両者が構え 闘いが始まろうとした時だった。その女が姿を現したのは。
 ガーレンの獲物………。シェラザード・クローリーが。
 「見つけたぞ シェラザード……なんとしてもキサマを祖国へ連れ帰るッッ」
 「アンタにそれが出来るとは思えないけど?ガーレン?……ねぇ 瑠璃」
 そう言うシェラザードを見た瑠璃は笑みを浮かべていた。
 「ま……ロシアからわざわざ来てくれた事だし……相手してあげるわ……2人がかりでね」
 そう言いながら瑠璃は不気味に笑っていた。
 「なんだよ あの人混み……?」
 そう言いながら1人の女性が人混みの中に潜り込んだ。


 長野スーパーランド。蘭は園子、新一、平次の3人と遊びに来ていた。
 ジェットコースター。観覧車。コーヒーカップ等……。いろいろなモノで………。
 しかし 蘭の頭の中は晴れなかった。常にあの戦士達の事を考えていた。
 そして あの恵美先生の事も…………。
 (アタシを襲った恵美先生はあの翌日から普通に戻ったわ……それじゃ……?あの先生は一体誰の変装だったの?)
 (それが気になる……ルールでは 日常的な闘い……今 この瞬間にも襲ってくるかも知れないわ……)
 (……学校でもそうだったし………)
 「何を晴れへん顔しとんや 工藤のねーちゃん?」
 「え……は……服部……くん……?」
 「……学校であんな事があったらから離れないんやろ?頭の中から……?」
 「せやがなぁ こんな楽しい時間に それを持ち込むってのはヤボなモンやで……遊ぶ時間は楽しく過ごさへんと損やで?」
 「……そ……そうね……」
 そう言いながら 蘭は笑みを浮かべた。
 「じゃッ 最後にジェットコースター乗りに行こうかァ!工藤のねーちゃん 楽しくしてくれよ」

 そして 4人はジェットコースターに乗った。史上最速・最長のジェットコースター…………。
 時速100km!走行距離5kmを誇る“レッドサイクロン”である。
 席は 一番前に蘭と園子が。その後に新一と平次であった。
 そして レッドサイクロンが動き始めた。ガタゴトと。そのスピードは徐々に増していく。
 勢い良く走り始めた。その時に 平次がジェットコースターのレールの上にある人影に気づいた。
 (ハハ……いくら何でも気のせいやろ……)
 レッドサイクロンは勢いよく走り 登り 下り 天地がひっくり返り……。
 現在のコースターで出来る行動が全て凝縮されていた。そしてレッドサイクロンの山場………。
 直線を迎えたのである。時速100kmを一瞬越える直線を………。
 そこで感じる強烈に後に引っ張られるような感覚……。それがレッドサイクロンの醍醐味であった。
 そして その入り口に差し掛かった時 蘭の眼に何か光るモノが入った。それを見た蘭は思った。
 (光るモノ……?何かしら……?)
 そう考え始めた。と 同時に そこの近くに1人の女性が現れた。
 シルヴィア・アレクシス………!
 その瞬間だった。蘭が光るモノが何かを直感したのは。
 「みんな 伏せてェェェッ」
 蘭の その声を聞いた新一達はバーを強引に外す。そして 蘭は園子のバーを壊した。
 「ガッ」
 蘭達が伏せた瞬間だった。辺りが血にまみれたのは。
 「ビシャッビシャッビシャッ」
 そのまま レッドサイクロンはゴールに到達した。
 そこで待っている人達が見たモノは多数の首無し死体であった。
 「ッヒィィィィィッ」
 「キャァァァァァァッ」
 待っていた人達が叫び声を上げる。
 楽しい場所だったハズの遊園地が地獄絵図と化した瞬間である…………。
 「ピアノ線………みたいなモノね……?アタシを倒すためだけにこのような手段を取ったとするなら……許さない!!!」
 そう言う蘭は拳を握りしめていた。

 蘭達が レッドサイクロンの施設から出て来た時だった。
 「あの中で生きていられたとは……大したモノですね……」
 その声と同時に拍手の音が聞こえて来たのは。その主はシルヴィア・アレクシスであった。
 「極細のワイヤー……あれを見切れるとは その眼も素晴らしい……アタシの相手に相応しい」
 「……アタシを倒す事……ただ それだけのために何の罪もない人を殺したの?」
 「うん……せっかくのチャンスだったんだけどねぇ………」
 そう言いながらシルヴィアは遠い眼をしていた。
 「どうしてこんなところにいるの?」
 蘭のその質問にシルヴィアはアッサリと答えた。
 「たまたま ここに来たら 遊んでいる貴方達が見えた……だから仕掛けた……それだけのコトよ」
 「それだけ……?それだけ………で……何の罪もない人達を殺したの!!?貴方のした事は……許される事では無いわ……」
 「覚悟しなさい」
 そう言いながら蘭が更にきつく握りしめた拳……。そこからは鮮血が流れていた。
 蘭の爪が肉にギリギリと食い込んでいるのだ。
 その時 蘭の肩の上に誰かの手が乗った。蘭が振り向いた瞬間 蘭の顔に衝撃が走った。
 強烈に殴られたのだ。
 「ピ……ピーターソン………!」
 蘭はしりもちをつきながらそう言った。
 「2VS1だ……どうするね?蘭?」
 「2VS2じゃ無いわ……」
 その声と同時に蘭の目の前に1人の女性が現れた。
 「綾香さん!!!」
 「……文句はないわね?」
 「……文句なんか無いわよ……ここで日本の打撃系女子格闘家で最強の2人を葬り去れるのだから………」
 そう言う シルヴィアは余裕の笑みを浮かべていた。


 公園。竜一が公園の便所の中に入っていた。
 そして 小便を小便器目掛けて放出する。
 「ジョボボボボボボボ………」
 「ふぅ……」
 その時であった。1人の女性が入って来たのは。
 スコルピオン………。
 「オイ ここは男子トイレだぜ トイレ使うなら間違ってるぜ 隣だよ スコルピオン」
 「トイレでは無い……決着を着けに来たのよ……竜一」
 「ここでかい?」
 「……そうよ」
 「しかし 今はちょっと待ってくれ 手が離せねぇんだよ」
 「問答無用!」
 そう叫びながらスコルピオンは殴りかかった。
 「………ッ……と……」
 竜一がスコルピオンのパンチを避けた。その際 スコルピオンのズボンの裾に小便がかかった。
 「バチャ……」
 「ホラ 言っただろ?だから手ェ出すなって………」
 そう言った竜一は再び小便を始める。そして全部出した後 身体を振るわせ 言った。
 「さて 始めようか」
 竜一はそう言った。真剣な顔つきで。
 「始めるのはいいけど……手は洗ってくれよ 竜一」
 「あ……あぁ……すまん………」
 そう言いながら竜一は洗面所に向かい 手を洗った。


 東京・新宿。
 瑠璃は呟いた。
 「2人がかり………?」
 「私を後者とするなら 多対一は望むところだが 一対多は私の望むべき事では無い……それは 私のモットーに反するからだ」
 「もし 2人がかりでやると言うのなら 私は抜けさせてもらう」
 瑠璃はそう言い放った。
 「……待ちな だったら2VS2だったら文句はないわね」
 そう言いながら 1人の女性が人混みの中から出てきた。その女性を見た観客達は叫んだ。
 「……北斗ッッ」
 「最強の女子プロレスラーの北斗 晶だよッ」
 「ガーレンさん 貴方の噂は 聞いているわ……ここは組まない?」
 「あぁ……」
 ガーレンは北斗の問いに短くそう言った。
 「……これでも文句はあるかしら?」
 北斗がそう言うと瑠璃は呟いた。
 「……確かに無いね……じゃ 始めま……」
 その時だった。シェラザードがダッシュしたのは。その拳が北斗目掛けて襲いかかる………!

 ◆ここにG−5勢揃い!!多種多様の迫力バトルが展開される!!

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ザ・ドクター様の格闘小説19話
ひえっあちこちですでにバトルが!!!
しかも長スパ・・・・・げふっ(個人的に)
綾香が加勢??蘭との最強コンビ(そら確かに)炸裂(笑)by あっきー

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