ラン〜RAN〜

ザ・ドクター様

第20話 死闘T

 東京・新宿。
 シェラザードがダッシュして北斗に襲いかかる。そしてパンチを放った瞬間 目の前に人が飛び込んで来た。
 ガーレンだ。ガーレンが一瞬でシルヴィアを掴み投げた。高く。高く。
 「ブンッッ」
 「いいわね ガーレンさん」
 そう言いながら北斗がガーレンの巨体を踏み台にして跳んだ。宙でシェラザードを掴み 
 パイルドライバーの型に固める。
 パイルドライバー。別名杭打ち………!相手をそのまま脳天から叩きつけるのである………。
 リング上でも危険な技だが 路上でやるとこれ程危険度がアップする技は無い。
 いや………。それどころかレスリングの投げ技全てがキケンなのだッ………!
 しかし 敵も然る者………!パイルドライバーから抜け出し一瞬で北斗の腕を極めた。
 アームロック………!
 (このまま落ちれば腕が破壊されるッッ)
 北斗はそう思った。と 同時に体勢を強引に変え シェラザードの顔に蹴りを放った。
 「ドチュッ」
 まともに入り シェラザードのアームロックが外れる。
 そして北斗は軽やかに着地。シェラザードは受け身を取れないがために勢いよく大地に激突………!
 「ドガァァッ」
 煙が巻き上がる。次の瞬間 シェラザードが煙の中から跳びだして来た。
 そこに再び飛びつく影……。ガーレンだ。
 「邪魔をするな ガーレンッッ」
 「そうは行かぬ 我が大統領からオマエの抹殺指令を受けているのだからな」
 ガーレンのその言葉を聞いたシェラザードの顔の色が真っ青になった。
 「抹殺指令……?つまり ガーレン 貴方が私を殺すために遣わされたヒットマンってワケ?」
 「あぁ……覚悟してもらうぞ シェラザード」
 「それなら闘わないワケにはいかないわね………」
 そう言いながらシェラザードはニィッと笑っていた。
 そして 一方では北斗と瑠璃が対峙していた。
 「日本で最強と噂の名高い女子プロレスラー 北斗 晶…………一回闘ってみたかった」
 「瑠璃……確か 昔どこかで聞いたんだけどね………どこだったかな?」
 北斗が さらに言葉を続ける。
 「あ……あぁ……確か昔 中国拳法の天才少女としてテレビに出たんだよな?その後 行方がプツリと
 途切れてたけど?」
 「昔の事をよく覚えているな」
 「ヘッ 記憶のいいのが取り柄でね」
 (中国四千年―――――……古代から拳を練り歩いてきた中国人………それを相手にオレの技が通用するかッッ)
 (――――――――――勝負!!!)
 そう思いながら北斗がダッシュ。その時 瑠璃の姿が北斗の視界から消えた………!
 「な………ッッ」
 その瞬間 何かが北斗の首に絡みついた。それは瑠璃の足だった。北斗の首を支点にあぐらをかいた。
 転蓮華。それが その技の名前だった。

 それを見た明智は呟いた。
 「マズいですね……北斗は既に首をヤッてるハズです………あの技が首を破壊する技だとしたら………!」
 瑠璃が自分の身体を横倒しにした。そして北斗の首を軸に一回転―――――……。
 その瞬間 北斗が跳んだ。転蓮華の回転と同じ方向に。なるほど。これなら 首を傷つけられる事は
 無いと言うワケか。
 そして 腕で強引に転蓮華を外し 北斗が着地。
 (へぇ……日本にこれ程の人がいたとはね……)
 瑠璃はそう思った。そして 北斗に飛びかかり 蹴りを顔面に放つ。
 「ガッ」
 北斗は それをまともに喰らった。と 同時に瑠璃の蹴り足を掴む。
 アキレス腱固め―――――………。
 (………関節技の達人か………?このプロレスラー……?)
 次の瞬間 瑠璃の爪先蹴りが北斗の肩に入った。
 「ザクッ」
 北斗の肩のツボを突き脱力させた瞬間に脱出した。次の瞬間 瑠璃は驚くべき光景を目撃する………!
 北斗が身体を強烈にねじっている。強力な打撃を出すための布石………!
 そう。北斗は関節技を使えると同時に打撃技も使える。
 打撃技は一流。関節技も一流。超実戦的プロレスラーなのだ。
 そして 北斗の拳が放たれた。


 東京都内の公園。竜一がスコルピオンと対峙していた。洗面所からは水が出しっぱなしになっている。
 竜一は呟いた。
 「ここでいいのかい」
 その返答と言わんばかりにスコルピオンがダッシュ。竜一の寸前で止まり そこから蹴りを放つ。
 「ボッ」
 それを跳んでかわした竜一は蹴りを放つがスコルピオンはかわす。と 同時に拳を竜一の顔目掛けて繰り出す。
 その瞬間だった。竜一が飛び退いたのは。それを追うスコルピオン。
 しかし 床は溢れ出した水のために水浸しになっていた。当然の如く前のめりに倒れるスコルピオン。
 「バチャァッ」
 そこめがけて竜一の足が勢いよく振り下ろされる。スコルピオンを踏みつぶしに行く気だ。


 長野スーパーランド。そこでは4人の女性が対峙していた。
 毛利 蘭。来栖川 綾香。
 聖・ピーターソン。シルヴィア・アレクシス。
 綾香が呟いた。
 「蘭……ピーターソンはいただくわ………」
 「えぇ……そうして欲しかったところよ あのシルヴィアと言う女は許せない………」
 「私を倒すためだけに……あんなにたくさんの人を殺して……」
 そう言う蘭の目には涙が溢れていた。
 「……いい?蘭?落ち着くのよ?怒りと悲しみは力に変わる事もままあるけど下手すれば逆効果に
 なりかねないのよ」
 「まずは……落ち着いて?」
 「……うん……」
 そして 蘭の涙が止まった。

 その闘いの口火を切ったのは 綾香だった。綾香のダッシュと同時に蘭も引きずられるようにダッシュ。
 綾香の右正拳突きが ピーターソンの顔を襲う。
 それをピーターソンはブリッジの要領でかわし その回転を利用し 綾香の拳を蹴り上げた。
 しかし そのピーターソンはスキだらけ。何を出しても当たりそうな………。そんな感じであった。
 迷わず今 ピーターソンを支えている両腕目掛けてローキックを放つ綾香。
 だが ピーターソンは腕だけで跳び そのまま前転し綾香の背後に回り込んだ。
 そこから綾香の側頭部目掛けて裏拳。次の瞬間 綾香の姿が消えていた。
 「………!!?」
 ピーターソンがそう言ったのと同時だった。足が払われたのは。
 「ピシィッ」
 そのまま 前のめりにダウンするピーターソン。そこめがけて綾香はヒザを放つ。
 「ガコッ」
 ピーターソンの顔にまともに入った。その威力でピーターソンの歯が数本折れる。

 「な……なんて事………」
 蘭はそう呟いた。シルヴィアの前には新一がいた。シルヴィアに新一を人質に取られたのである。

 ◆ナンデモアリは本当に怖い!これが本当の闘いか!!!


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ザ・ドクター様の格闘小説20話 げげっとうとう新一までも被害に・・・・(爆)
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