ラン〜RAN〜

ザ・ドクター様

第25話 会議

 警視庁。明智がそこに着いた時 そこは既に地獄だった。
 「痛ェよォォォォッ」
 「ッひィィィィィッ」
 シェラザードにやられた者が放つ苦痛の叫び声。恐怖の叫び声。
 それらがそこを支配していた。まさに阿鼻叫喚。
 それを見た明智は叫んだ。
 「まさか――――――ッッ」
 「ちょっと 貴方達ッ 来て下さいッ 5人程ッッ」
 明智はそう言い 人を連ねながらあるところに向かう。そう。取調室である。ガーレンの容態を危惧している。
 そして 明智が取調室のドアを開けた。
 そこには顔が血塗れで倒れているガーレンの姿があった。
 「ガーレンッッッッ」
 「ロシアの英雄がッッッ」
 「偉大なるロシアの英雄がッッッ」
 その時 ガーレンの身体がピクリと動いた。
 「エ………?」
 「どうしたのかね?ガスパディン アケチ?」
 「や……やられたワケでは無かったのか………」
 そう言いながら明智はホッと胸を撫で下ろしてしていた。

 会議室。多数の男が集まって会議が開かれていた。
 明智警視。剣持警部。目暮警部。工藤 新一。服部 平次。白馬 探。金田一 一。
 明智が写真を見せながら言った。
 「『聖・ピーターソン』 21歳 戦法…正統・ラフ」
 「『瑠璃 羅刹』 20歳 戦法…正統」
 「『ザナドゥ・スコルピオン』18歳 戦法…正統」
 「『シルヴィア・アレクシス』25歳 戦法…ラフ」
 「『シェラザード・クローリー』22歳 戦法…ラフ」
 「この警視庁は確実に舐められている」
 「日本最大の警視庁が この5人の犯罪者に舐められているンだ……この意味が分かりますか?」
 「警察の信用も地に墜ちかけていると言う事です」
 「もう墜ちているんじゃねェのか?」
 そう言ったのは新一。
 「そんなコト言ったらミもフタもないやろ 工藤」
 「そうだな……でも警察の信用が墜ちているのは昔からじゃ無いの?度重なる不祥事のおかげで」
 その時 明智が呟いた。
 「もういい………今 分かっているコトはG−5がこの日本で暴れ回っているという事実」
 「ならば それを止めねばなるまい」
 「お……おぅ……その通りだ」
 明智の言葉に共感したのは剣持。
 「その対策案として それぞれの考えを言ってもらいたいのです」
 「……はァ……それだったらワシの考えも聞いて欲しいんじゃがのぅ」
 「何ですか 目暮警部?」
 「あぁ……さっきから聞いていればキミ達はG−5を人間と同じように扱っているようじゃが……
  彼奴等は もう人間ではない」
  「強くなり過ぎたという時点で 人間を超え怪物と同様の存在なのじゃよ……ならば 怪物には怪物を
  持って終らせねばなるまい」
  「これぞ 毒を持って毒を制す…………!」
  「いい案ですが……その怪物と言うのは………?」
  「おや 明智警視らしくない……お忘れですか?8年前……8年前も今と同様の事が起こったのじゃよ」
  「その男は たった1人で天下の警視庁を制圧し 緊急国会を開かせるまでに至った………」
  「そ……その男は一体………?」
  「刑務所の中にいると思われがちだが……そうでは無い……彼は全国の刑務所の優秀的模範であったよ………」
  「その名を『赤木 しげる』……鬼神と呼ばれるあの男を使うしかあるまい」
  その時 一が呟いた。
  「なァ オッサン 対策を講ずるのはいいけどG−5とか言う連中って何で日本に来たんだい?」
  「その目的とやらを探る方が先じゃないのかい?」
  一がそう言った。
  「目的……そら決まってるやろ?敗北を知るためやなかったか?もしくは日本最強の闘士を倒すとか
  そう言うのんちゃうか?」
  「服部とかいったな……それが目的だとするなら発端は何だ?」
 一の言葉を聞いた明智は呟いた。

  「発端……?そうか………そうですね……それを忘れていました」 
  「どうやら5人とも『KING』という者の命令によってこの日本に集結した模様なのです……………」
  その明智の言葉に室内が一瞬凍りついた。
  「KING………」
  「その者の正体はまだ分かっていない……しかし これだけは言える」
  「あのG−5が大人しく指示に従う程の実力……並大抵の力を持っていなければ そうはならないハズ………」
  その時 白馬が呟いた。
  「でも………本当にKINGという者は存在するのでしょうか?」
  「それはどう言う意味ですか?白馬くん?」
 白馬は言葉を続ける。
  「もし KINGと言う者が存在するのなら今までに少しは噂を聞いていてもいいハズです……
  KINGにもっとも近い者の噂を……」
 「しかし 聞いた事が無い……今までにただ一度も………!そうでしょう?格闘技マニアの服部くん?」
 「オイオイ 何言ぅてんねん 白馬はん……確かにオレは格闘技が好きやがマニアっちぅワケやあらへん……
  でも今の白馬はんの意見には同感やで…今までG−5の連中の事を少し知ってはったオレが
  KINGの正体に辿り着けへんもんなァ」
 「む……ぅ……確かに………」
 若い衆の意見に剣持が納得している。

 「お静かに!我々警視庁は外国にも手を伸ばしてKINGの事を調べ上げました 
  そして1人の男を突き止めました……」
 「その者の名をロイ=ハーシュハイザー………しかし この男は2年前に死亡しています……脳溢血によって……」
 「ですから この男は外していいでしょう」
 その時 一が呟いた。
 「やっぱね……KINGなんて始めから存在しないんだ……KINGと言う存在に振り回されて来た事が
  無意味に思えて来るぜ」
 「いや……それどころかKING自体がG−5の作り出した幻想だと言う事もあり得る」
 「むしろ KINGとはG−5の作り出した幻想では無いのか――――――……」
 「いや……実際にいるわよ―――――………」

 その声と同時に会議室の窓ガラスが割れ 何者かが侵入して来た。
 「グワッシャァァン」
 会議室のテーブルにガラス片が飛び散る。そして 1人の女性がテーブルの上に爪先立ちで降り立った。
 「トッ」
 その女性を見た明智は呟いた。
 「シ………シルヴィア」
 その時だった。外から大きな音が聞こえて来たのは。
 「まッ 待てッ 勝手に入るなッッ……今 会議中で………」
 「知るかッ そんな事ッ 一刻を争うんだッ」
 次の瞬間 会議室のドアが蹴り飛ばされた。
 「ドガァァン」
 そして1人の男性が姿を現した。
 「京極ッッッッ」
 誰かが そう叫んだ。
 「おや 有名人が勢揃いで……」
 そう呟く京極に明智が言った。
 「何をしに来たのですか?京極?」
 「ヤですねェ 格闘家は闘う事しか出来ないでしょうに……それ以外に目的無いですよ……
  しかし この場で闘うのはオレじゃない」
 「任せたぞ 葵」
 そう言いながら 京極は 傍にいた青い髪の少女の頭をポンと叩いた。
 「ハイ 京極さん」
 葵は自分の右拳を左拳で握りながらそう言った。


 ◆新生・葵がシルヴィアに挑む………!!

続きへ

ザ・ドクター様の格闘小説25話
なんと警視庁にシルヴィアが乗り込んで来たー!!!
そして葵VSシルヴィアの戦いが!!!!女の闘いが今!!(って蘭同様強さは別格なのねん二人とも)by あっきー

戻る

E-list BBS Search Ranking Playtown-Dice Go to Top