ラン〜RAN〜

ザ・ドクター様

第32話 掟

 
 シルヴィアがダッシュし 北斗に攻撃を加えようとした その時 悲劇は起こった。
 「ドンッ」
 シルヴィアの右足が撃ち抜かれた。
 それを見た北斗は思った。
 (エ………?)
 そのまま 前のめりにシルヴィアは倒れた。

 「拳銃から弾丸が発射された音……ですね」
 明智は冷静に状況を分析している。

 「何者だッ 勝負を邪魔するヤツはよォォッ」
 北斗が そう激昂した。
 その時 スコアボードの下から1つの影がヒョイとグラウンドに入って来た。
 「勝負の邪魔をしちゃ悪いの?」
 その声の聞き覚えはある。猪狩を除いた全ての人が聞き覚えのある声。
 その声の主………………影がリングに向かってスタスタと歩いてくる。
 葵は呟いた。
 「シ……シェラザード」
 そう。その声の主はシェラザードだった。シェラザードは右手に拳銃を持っていた。
 「悪いに決まっているだろうがよォッ」
 北斗はそう言いながら リングから飛び降り シェラザードめがけてダッシュする。
 しかし 次の瞬間 北斗の眼前からシェラザードが消えていた。
 「エ………?」
 北斗はそう呟きながらキョロキョロし シェラザードを探す。
 そしてシェラザードの姿を見つけた。リングの上に。一瞬のうちにリング下からリング上に。
 北斗は思った。
 (見えなかった…………!)

 シェラザードが リング上にダウンしているシルヴィアに銃を突きつける。
 「掟は守ってもらうわ」
 「何の掟?」
 「『G−5』唯一の掟………敗北者には………」
 「死を――――――――――…………」
 その声と同時にシェラザードは引き金に掛かっている指に力を込めようとする。
 「クッ……」
 「ドゴォッ」
 その音がした次の瞬間 シェラザードが吹っ飛んでいた。
 京極がリングに飛び込み シェラザードに強烈な一撃を放ったのだ。
 「京極さんッッッ」
 葵がそう叫んだ。
 「この格闘家の風上にも置けない卑怯者め……このオレが成敗してくれる」
 そう言いながら京極は拳を握りしめた。
 シェラザードは口から流れた血を腕で拭いながら言った。
 「ヘッ……格闘家の風上にも置けないって………?上等よ?」
 「正々堂々と闘う……そんなのが格闘家だと言うのなら アタシは格闘家じゃ無くていい」
 そう言いながらユラリとシェラザードが立ち上がった。
 その時 京極がダッシュしざまに右正拳突きを放った。
 「ボウリュッ」
 シェラザードがかわしたと思われたその時だった。シェラザードの顔が吹き飛んだのは。
 無論 実際に吹き飛んだのではなく 打撃を喰らったという意味でだが。
 その打撃の主は葵………。
 「助太刀します 京極さん」
 葵はそう言いながらにこやかに笑った。
 それを見た京極は思った。
 (葵……ッッ 先程のVSシルヴィアのダメージが完全に癒えていないというのに………!)
 (オマエのその想い 決してムダにはしない)
 京極が短く呟いた。
 「タッグ結成……2VS1になった………このままではオマエに勝ち目は無い……シェラザード……大人しく降伏するがいい」
 「降伏?アタシがそんなコトをすると思う?戦略のために降伏をする事はあるけど 今はその時では無いわ」
 シェラザードはニヤリと笑いながらそう言った。
 その瞬間 2人が仕掛けた。京極が前から右正拳突き。葵が背後から右正拳突き。
 「ボッ」
 次の瞬間 シェラザードが屈んだ。そのために攻撃は空振りする結果となり………!
 いや。攻撃はそこで終わらなかった。さらなる追撃………!
 京極の左ローキック。葵の左ローキック。それをシェラザードは見切り そのまま両手で蹴りを掴んだ。
 そのまま 2人の脚を大地の代わりにして逆さ倒立………。
 「今……何かしたか?」
 シェラザードはそう言って不敵に笑っていた。
 そして シェラザードは京極と葵の足から手を離し 宙に跳んだ。そして 宙で回転し着地。
 「トッ」
 その時 京極のローキックがシェラザードを襲う。
 「バォッ」
 「遅いわ」
 シェラザードは何気なくそう呟き かわした。
 「ドリュッ」
 背後から葵の踵落とし………!!
 「ガキィッ」
 右手一本でブロックした。そして 葵をそのまま 京極めがけて投げた。
 「ブンッ」
 「ドガッシャァァァッ」
 葵に重なられた京極は思った。
 (こ……ッ この女……ッッ……強いッッッッ)

 山梨の一軒家。そこを来栖川 綾香が訪問していた。
 おそらくは来栖川グループの力を使い赤木の居場所を突き止めたのだろう。
 赤木が綾香の質問に答えていた。
 「ン〜〜〜〜〜………G−5のなかで一番の天才は誰かって?……これは難しい質問をするなァ」
 「確かに G−5は天才の集まりだよ……しかし こと1人に限って言えば……シェラザード・クローリーに他ならない」
 「エ……?どうしてですか?」
 「彼女はただの一度たりとも格闘のトレーニングをした事が無い………言うなればあの女は才能だけで闘っているんだよ」
 「もっとも……残虐性は それの遥か上を行くがね」

 東京。
 珍しく新一と蘭がデートしていた。
 「お おい 蘭 そんなにくっつくなよ」
 「だって久しぶりのデートなんだもん」
 「そ……それはいいけどなぁ………」
 (こっちはいつも顔をつきあわせてるってのによォ)
 その時 蘭が何かを見つけて言った。
 「あー!ここよ ここ〜!今 よく当たる占いで評判なのよ〜」
 (やれやれ どうして女ってのは占いが好きなのかねぇ………)
 蘭がそこに入って言った。
 「あの〜 占って戴きたいんですけど」
 「おや いらっしゃい」
 「あれ?戸田マリアさん?」
 「アラ 毛利 蘭さんだったかしら?」
 「えぇ そうよ 覚えててくれたのね?いいわ タダで占ってあげる」
 「え?本当ですかー?」
 「ところであの子どもはどうしたの?」
 「あ コナンくんの事ですか?なんでも親戚の家に預けられているみたいですよ」
 「そうなの?久しぶりに会いたかったんだけどねぇ」
 (オイオイ オバちゃん ここにいるっての)
 新一が心の中でそう呟いた。
 「あれ?蘭ちゃん?なんか大変な事に巻き込まれて無い?」
 「えぇ 巻き込まれっぱなしです」
 蘭はにこやかに そう言った。
 「………こっちのお兄ちゃんは彼氏かい?」
 「……もうッ そんなんじゃありませんってば」
 蘭は顔を赤くしながらそう言った。
 「あれ……?どこかで見たような気がするんだけど 気のせい………?」
 マリアが新一を見てそう呟いた。
 (き……気のせいじゃねェよ………コナンの時に会っているからなァ)
 その時 マリアが怪訝な顔をして言った。
 「おや?アンタ………何か危ない事をしてない?」
 「危ない事?確かに事件はどれもこれも危ないけどねぇ」
 「気のせいだったらいいんだけど………死の予兆が見えるからねェ………」
 「死の予兆?新一が死ぬと言うの?」
 「いやいや その可能性もあるってだけの話さ 未来と言う者は変える事も出来るからねぇ まァ アンタの努力次第さ」
 「でも こんな短期間に死の予兆を感じ取ったのは初めてだよ」
 「短期間?他にも誰かいらっしゃったんですか?もしかして それって この人達じゃ無い?」
 そう言いながら 蘭は5枚の写真を広げた。
 それは来栖川 綾香。松原 葵。北斗 晶。紅 栞。そして服部 平次の写真であっった。
 (オイ なんで平次なんかの写真持ってるんだよ)
 (あらっ いいじゃない?)
 (よくねぇよ!)
 「ン〜〜〜……この5人からは今のところ 感じられないねぇ……もっと格好いい男の人だっったわよ?」
 「エ……?そ……それって……誰………?」
 蘭が そう呟いた。

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ザ・ドクター様の格闘小説32話
Σ(=□=;)Σ(=□=;)Σ(=□=;)がーーーん
写真の中にいた平次よりも格好のいい男って誰やぁぁぁぁぁ(号泣)←おいおい見るとこちゃうやろ(爆)
平次が一番格好いいんだぁ〜い(><)<なんちゅうあとがき(爆)許せドクター by あっきー

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