東京ドーム。 「ッシャァァァッ」 京極の雄叫びがこだましていた。 「バォッ」 京極の裏拳がシェラザードの顔面を襲うが シェラザードはそれを軽くかわした。 屈んだシェラザードのヒザ裏目掛けて葵が押すような蹴りを放つ。 それを感じ取ったシェラザードは そこからバック転でかわし 葵の後に着地。 「どうしたの？」 葵のすぐ後でシェラザードがそう呟いた。 間を置かず 葵の後蹴り。 「よ………っと」 シェラザードが葵の蹴り脚の上に乗った。 「ミシミシミシ」 「あぐぅっ…………！」 「そんなに重い？うーん。身体を絞ったと思ったのに……もっと絞らなくちゃダメね……」 言っている事は普通だが行動がまともでは無い。 そして シェラザードは葵の肩を両手で掴んで跳んだ。 「トッ」 「さて……どうしたの？速く来なさいよ？」 シェラザードは片手をチョイチョイと軽く動かして挑発していた。 その挑発に乗ったのが京極―――――………。 「ドブォッ」 シェラザードに攻撃にいったところを逆に撃墜された。 「京極さんッッッ」 葵がそう叫んだ。 「遅い」 その言葉と同時に シェラザードの拳が葵の顔を捉えた。 「ドゴッ」 その威力で吹っ飛ぶ葵。 「ザンッザンッ」 葵の顔から大量の血が流れていた。 明智はそれを見て思っていた。 （強い………ですね…………これ程の怪物を倒すには………どうしたらいいんでしょうか…………） （どうしたら…………？） 「ボォッ」 京極の左フック。それをシェラザードは受け止め 反撃に行く。 「ガコッ」 京極が吹っ飛んだ。 「ザンッザンッ ドカッ」 「京極さんッッ」 葵がそう叫んだと同時だった。シェラザードが葵の懐に飛び込んだのは。 「ドボォッ」 シェラザードの拳が葵の みぞおちを捉えた。葵はその威力で吹っ飛び リングロープに激突し ダウンした。 「ズシャァッ」 それを見たシェラザードはボソリと呟いた。 「たわいも無い………」 その時 立ち上がろうとする京極とシェラザードの目が合った。 「カチリ………」 と 同時だった。葵が立ち上がり シェラザードに奇襲を仕掛けたのは。 「ボリュッ」 しかしシェラザードに容易くかわされる。 そして 京極を背にする葵………。その眼前にナイフが現れた。 「ぬぅっ……」 「き 京極さん!!!?」 葵がそう叫んだ。 そのナイフの持ち主は京極だった。京極が葵の首にナイフを当てていた。 「へぇ……そんなのを持っていたとはね………さすが空手界のブランドだわ」 シェラザードが皮肉るようにそう言った。 「き 京極さんに何をしたの？シェラザード!!?」 「催眠術……カンタンな催眠術をかけておいた……強い打撃を与えない限り決して解けないわ」 「ナニッッッ」 その瞬間 葵はナイフをふりほどき 京極と向き合った。そして 京極の腹にワンインチ・パンチを放つ。 「ズドゥッ」 「京極さん ゴメン…………」 瞬間 京極の身体が宙に浮き リング外にふっとばされた。 それを見たシェラザードは葵に拍手を送る。 「パチ……パチ……パチ……」 「見事だわ 葵ちゃん 何のためらいもなくあんな攻撃が出来るなんて……状況判断の力は大したモノね」 そして シェラザードは天を仰いで言った。 「さて………シルヴィア アンタを殺そうと思ったけど後回しにしてあげる……この場に殺さなければならない人物がいたからな」 そう言うと シェラザードは銃を片手で構える。 東京。 新一と蘭はマリアの館にいた。マリアの似顔絵を見た蘭達は言った。 「エ……？こ……これって………まさか……」 「あぁ………あの人だな」 「ウソ………あの人が……死ぬなんて………？」 「何？まさか知っているのかい？この人を？」 「えぇ…………」 蘭がそう言った。 東京ドーム。はじめ達がグラウンドに出ようとした瞬間 それは起こった。 「ドンッ ドンッ ドンッ ドンッ ドンッ」 銃声が連続で聞こえて来た。それを聞いた一の脚が速まる。 （銃声!!? 一体何が………!!?） 次の瞬間 はじめは驚くべきモノを見た。 撃たれていたのだ。警視庁きっての切り札である明智警視が。 胸から血を吹き出し スロービデオを見るかのように崩れ落ちた。 「あ 明智さん!!!?」 一がそう叫んだ。 ◆明智 撃たれる!! ついに ついに犠牲者が!!? 続きへ
ザ・ドクター様の格闘小説33話
まさか・・・・平次よりもカッコイイ男って明智警視?!(まだこだわるか(笑))
いったい誰が???まさかこれもシェラザード催眠術で??
本当に明智警視は倒れたのか?!次へGO!!by あっきー