ラン〜RAN〜

ザ・ドクター様

第35話 遭遇

 
 東京・工藤の家。
 そこで新一がコナンに戻っていた。
 「なんだよ 灰原のヤツ………完璧な解毒剤を作ったんじゃねぇのか?」
 「くそっ こんな肝心な時に元に戻るとは蘭を守れやしねぇ……逆に守られて蘭の脚を引っ張るハメになるな」
 その瞬間 コナンはパンチを繰り出した。
 「……リーチも短い……確実にアイツ等と出逢ったら負けるな……やっぱり雲隠れ……ン?」
 その時工藤が何かに気づいた。玄関からチャイムが聞こえて来た。来客を示すチャイムが。
 「誰だろ?」
 コナンはポテポテと歩きながら玄関に向かう。
 「ちわー まごころ便でーす」
 底抜けに明るい声だ。
 「こちら 工藤さん家ですよねぇー?あれー?いないのかなぁー?」
 荷物を持っている少年が少年が新一の家と隣の家を交互に見ながらそう言った。
 「隣は………あー ダメだ 預けらんないなァ ちぇーしょうがねぇー あきらめっかぁー」
 そう言いながら 少年は御不在時連絡票を取り出した。それに何かを書き込もうとする。
 「……宅配便か………でも初めてみる顔だな」
 そう言いながら コナンは印鑑を持って玄関をガチャリと開けた。
 コナンの姿を見た少年は嬉しそうな顔で言った。
 「いやーん★いんじゃーん★ラッキー★ちわー まごころ便ですゥッ★」
 「んもぉ――――……いるならいるって言って下さいよォ――――★」
 「えーっと 息子さん?何くん?」
 「………コナン……」
 「コナン君かぁ。で 今日は学校 お休み?」
 「うん 体調が悪くて………」
 「あー ンなトコ悪いけどさァ ハンコもらえるかなぁ?」
 少年のその言葉を聞いたコナンはハンコを渡した。
 「オォ あらかじめ用意してくれてるとは若いのによく出来たお子じゃのー――★」
 「よしッ これでOK!じゃお兄さんは仕事に戻るから」
 「あ 待って おじちゃん」
 荷物に書かれていた字を見たコナンはそう言った。
 住所。名前。その他諸々が日本語ではなかった。ましてや英語でも無かった。
 そのコナンの言葉が逆鱗に触れたかのように少年の怒りが爆発した。
 「誰がおじちゃんだッ!オレはまだ若いわッ!……ダブリだけどな」
 最後のところで少年の目から涙が流れた。
 「じゃ お兄ちゃん この荷 どこから送られて来たの?」
 「ドイツのベルリンからだよ 工藤とか言うヤツには色々な知り合いがいるみたいだなッ」
 (ドイツ……?ベルリン………?そんなところに知り合いいたっけ?いなかったよな?)
 「誰から来たの?」
 「えっと ちょっと待ってな コナンくん」
 そう言いながら少年は懐から1枚の紙を取り出した。
 「………アイ………ハイバラ………か……知ってるのか?」
 「灰原 哀!!」
 コナンが驚きながらそう叫んだ。
 「な……なんで……ドイツに………?」
 「ま そこは自分で調べるんだな コナンくん」
 少年はそう言いながら自転車に乗り込んだ。
 「あ…ま……待て……!!」
 コナンのその声も既に遅し。既に少年は去った後だった。
 コナンは肩を落としながら 荷を持って家に引っ込んだ。そして 荷を開けたコナン……。
 「こ………これは………まさか解毒剤?」
 荷の中には解毒剤と1枚の紙が入っていた。

 工藤くんへ
 貴方は前 私の作った解毒剤を飲みました。
 しかし後になってその解毒剤は完璧でない事が判明したのです。
 丁度 その頃でした。
 私はスコルピオンさんの要請に応じ単身でドイツに飛びました。
 ドイツの環境は それはそれは素晴らしいモノだった。
 毎日 実験を続け……その結果出来たのがこの解毒剤です。
 まだ完璧では無いかも知れませんが 前よりはマシになっているハズです――……。
								 灰原 哀

 「ドイツまで行って薬を完成させようとしていたのか……有り難い……恩に着るぜ 灰原―――……」
 コナンはそう言いながら 解毒剤の入ったビンを開け 中に入っている液体をゴクゴクと飲み干した。
 その瞬間 身体が熱くなる。心臓の鼓動が大きくなる。
 「ドクン!ドクン!」
 そして コナンの服が破れからだが 物凄い勢いで成長していく。
 東の名探偵・工藤 新一―――――……再復活!!!

 街中。
 「あれ?ピーターソン?」
 「お スコルピオンじゃない?偶然だわね?久しぶりにゆっくり話さない?」
 スコルピオンとピーターソンの遭遇―――――………。
 そしてピーターソン達は喫茶店に入っていった。
 「いらっしゃいませ〜お二人様ですか?」
 「えぇ……2人だけでゆっくり出来る席にして欲しいんだけど?」
 「ございますよ」
 店員はそう言いながら ピーターソン達を案内する。
 「飲み物は何に致しますか?」
 「アイスコーヒーを………2つ」
 「分かりました アイスコーヒー2つですね」
 そしてしばらくしてコーヒーが運ばれてきた。
 「こうやって話すのも………2年振りか スコルピオン」
 「そうですね ピーターソン 正確には2年と1ヶ月ですが」
 「相変わらず細かいわねぇ そう言えばいつも傍にくっついてるあの女の子は?」
 「あぁ ヘルガですか?私も最近見てないんですよねぇ………何か企んでいなければいいんだけど………」
 「それにしてもシルヴィアが負けたそうね ピーターソン」
 「そのようね……でもあのシルヴィアが敗れるとは侮れないかな…さすがに」
 「………ところで話は変わるけどスコルピオン……狙っている獲物はいる?」
 「狙っている獲物ですか………特にいませんよ」
 「それなら 綾香は私に譲ってくれない?ね?」
 「いいけど………ね………狙われた時は分かりませんよ……私が倒してしまうかも知れないし………」
 「もし狙われたら逃げて欲しいんだけど?」
 「………ン〜……しょうが無いわねぇ〜………いいわよ」
 「有り難う 恩に着るわ」
 そう言いながらピーターソンはスコルピオンの手を握りしめた。
 その時だった。店の外から銃声が聞こえたのは。
 「ズキュ―――――ン」
 その音を聞いた2人はユラリと立ち上がった。
 それを見た店員は声をかけた。
 「お帰り………ですか?」
 「いえ……すぐに戻るわ……そこの席は空けておいてくれない?」
 ピーターソンがそう言った。


続きへ

ザ・ドクター様の格闘小説35話
新たな解毒薬で復活した新一・・・・・・・(副作用とかあったらこわっ)
特別出演のまごころ便のあんちゃん・・・・(爆)←知ってる?紅男だよ紅男(爆)
強敵スコルピオンとピーターソンの登場・・・・外でいったい何が?by あっきー

戻る