ラン〜RAN〜

ザ・ドクター様

第42話 悪魔の使者

 
  
 スコルピオンは立ちながら思っていた。
 (何だ この技はァァッ)
 銀はダッシュ。そこから蹴りを放つ。
 「ブァッ」
 上段蹴り。それをスコルピオンは屈んでかわしに行く。
 しかし、それは途中で中段に変化し、スコルピオンにヒットした。
 「ビシィッ」
 (……………ッッッ……またこれだ……宙で変化した………)
 それが機。銀が連続で蹴りを放つ。
 スコルピオンはかわそうとするが かわせない。かわしきれない。
 (こッ……この攻撃…ッッ!)
 (縦横無尽に ムチのように蹴りが飛んで来る……その軌道が読めないッッ)
 蹴り。蹴り。蹴り。銀の蹴りがスコルピオンのガードの上から炸裂する。
 (上段―――――………と思えば中段ッッ)
 「ドガァッ」
 (中段と思えば下段ッッ)
 「ドカッ」
 (下段と思えば上段ッッッ)
 「ドボッ」
 (縦横無尽に変化して来るッッ)

 来栖川邸。
 「な………何ですと?お嬢様!!?」
 「あのアマギンとやらの脚には『悪魔』が棲んでいると言うのですか!!?」
 「その通りよ……あのアマギンの脚は生き物のようにうねり自由自在に変化する……」
 「そのために いつからかアマギンは呼ばれるようになった…………」
 「『悪魔の使者』と―――………」

  「ドドドドドドドドドッ」
  スコルピオンはガードを続けている。銀の蹴りがガードの上から次々とヒットする。
  そして次の瞬間、何を思ったかスコルピオンがガードを解いた。
  その瞬間、銀がそこに蹴り込んだ。重い蹴りを。
  「ドカァッ」スコルピオンは吹っ飛んだが、辛うじて着地。
  「銀……悪いけど この勝負はお預けのようね……聞こえるでしょ?」
  
  「ファンファンファンファンファンファン」
  遠くからパトカーの音が聞こえてきた。
  
  「不祥事ばかり働いてマトモに仕事もしない警察がやって来た………また会いましょう…そして…」
  「………この次に会った時には決着を着けましょう」
  
  そして、数台のパトカーが2人の元に到着し 警察官がどっと出てきた。
  「何やってンだ」
  「逮捕だッ 逮捕ッ」
  「残念だが……逮捕されるワケには行かないわ……」
  そう言うと2人は示し合わせたように、高速道路の柵を越え、飛び降りた。
  「あッ」
  「飛び降りたぞッ」
  「捕まえろッ」
  「ムリです 課長ッ ここは地上60Mに位置する場所ですッッ そんな場所から飛び降りれば…」
  「死は免れない…か…」
  「明日 ここら辺を捜索しなければならんか…」
  「そうでしょうね 課長…」
  「ホンット…めんどいですねぇ…」
  
  そして翌日飛び降りた2人の捜索が開始された…。
  しかし、何日経とうが足跡や血痕すら見つかることは無かった…。
  これは何を意味するのか…?
  2人はまだ生きている。しかも無傷の状態で。
  戦闘によってのダメージは無論負ってはいるだろうが落下の際のダメージは無い。
  そう言うことだ。
  
  東京・警視庁――――――…。
  刑事達が話していた。
  「オイ なんだよ。ロサンゼルスから優秀な刑事が来るって?」
  「そうなんだよ。 どうも例の件に関してのようだ」
  その時、外に一台の車が止まった。
  「……来たのか…」
  車の中から1人の女性が出てきた。
  その女性は美しかった。
  誰でも溜息を吐くほどの美しさだった。
  「………ここ…?日本の警視庁とやらは…」
  「その通りです リサ様」
  リサと言う女性。しかしこの女性は我々は知っている。
  コナンを読んでいる者は必ずといってもいい程知っている。
  この女性を。
  そう……………。
  黒ずくめの組織の一員のベルモットである…………!
  
  ◆警察の中に黒ずくめの組織の魔手が!

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