ラン〜RAN〜

ザ・ドクター様

第52話 少年犯罪課

  
  警視庁。
  そこにベルモットが侵入していた。
  “リサ”と言う偽名を持って。
  ベルモットは犯罪者データベースを検索していた。
  「リサ警部………何かお仕事ですか………?」
  白鳥警部がそう訊ねた。
  「いえ………ちょっと調べたい事があって………」
  「調べたい事ですか………?」
  「えぇ………」
  「どんな事ですか?」
  「1人の少年について」
  「それだったら少年犯罪課にいけば…………」
  「少年犯罪課!!?」

  年々進む犯罪の低年齢化…………。
  これを重く見た日本政府は途方も無い計画を実行する!!
  少年犯罪課の創設!
  少年法の改正!
  この出来事は 少年犯罪の増加に歯止めをかける出来事と言えた。
  少年犯罪を中心に捜査…………その検挙率 実に97%!!
  今の警察の現状からは実に奇跡的な数字と言えた。
  しかし この数字には裏がある………!
  全国の20歳未満の少年少女のデータベース!
  少年犯罪課はこれを保持していた。

  少年犯罪課。
  「ここね………少年犯罪課と言うのは…………」
  ベルモットはそう呟きながらドアを開けた。
  「おやおや ロサンゼルス直属のリサ警部が何の用ですか?」
  「少なくとも ここは貴方が来るような所じゃないと思いますが……」
  「1人の少年を探し出して欲しいのだけど…………」
  「ほぅ………誰ですか?」
  「天草――――………銀」
  「へぇ アマギンですか」
  「………知ってるの?」
  「知ってるも何も……今の日本の不良少年で知らない者はいませんよ」
  「どうやらアマギンと言う者は不良少年を惹きつける何かを持っているようです」
  「………そちらは………どうですか?確かアメリカから来たんでしょ?」
  「エ………?そ……そうね……これと言って特には………」
  「………そうですか………」
  そう会話しながら 男性は検索をしていた。
  「………出ましたね…………この男でしょう?」
  パソコンのモニターにアマギンの顔が大きく映し出された。
  「そうね………この男だわ………」
  「ま………捕まえようと思っているのなら勝手にやって下さい」
  「え?貴方は来ないの?」
  それを聞いた男性は椅子に座り 両腕を組みながら答えた。
  「理由が無いんですよ」
  「理由………?」
  「そう………逮捕する理由が無いんですよ」
  「な………なら………なんでここにあるの?」
  「実は彼はまだ 犯罪を犯していないんですよ まぁ訴えられてないだけとは思いますが………」
  「まぁ………でも近いうちに犯罪を起こすと思うんでここに登録してあるだけですよ」
  「………もっとも 現行犯なら有無を言わせずに逮捕しますけどね………」
  「アマギンを捕まえたいならいい事を教えてあげましょう………」
  「彼は今まで逮捕された事が無い」
  「いや………正確には己の犯罪が暴露されてないというべきですか」
  「頑張ってくださいね リサ警部」
  そう言いながら男性は笑みを浮かべた。

  警視総監室。
  「フッフッフッフッ あの男がそう言っていたのかね リサ警部」
  「そうですよォッ 自分で動かないんですよォッ」
  「リサ警部………それは違うな………動かないのではなく動けないのだ………」
  「エ………?WHY?」
  「気がつかなかったのかね?少年犯罪課………あそこには彼一人しかいないのだよ………」
  「…………ッッ!」
  「いつ何時起こるやも知れぬ少年犯罪のために彼は この警視庁から動けないのだ」
  「それでいて 97%の検挙率を誇る………」
  「彼…………東堂 一輝警視正(21)は 我ら警察の鑑だよ!」

  警察病院。
  1人の看護婦が院長室に駆け込んできた。
  「大変ですッ院長ッッ シェラザードさんがいませんッッ」
  「何ィッ! また逃げ出したか………アイツめ……ッッ」

  東名高速は何故か渋滞していた。
  名古屋から東京に向かう道は 通常通り。
  帰省ラッシュでも無い。事故が起こった訳でも無い。
  名古屋から東京に向かう道は 通常通り。
  東京から名古屋に向かう道は渋滞。
  ただ 1人。1人の女性が渋滞の原因を作っていた。
  その女性の名をシェラザードと言った。
  「………ここは………どこ………?」
  「私は…………誰…………?」
  そう言いながら 足元をフラつかせながら歩いていた。
  その時だった。2台のバイクが渋滞を抜け シェラザードの前に立ちはだかったのは。
  「こんな所でどうしたの?シェラザード?」
  その声の主はスコルピオン。
  「貴方は………誰……?私を知っているの………?ねぇ お願い………私は誰………?」
  「どうやら 記憶喪失に陥っている模様です 何かショックな事があったのでしょう」
  「ねぇ………教えてよ………?私は………誰………?」
  それを聞いたスコルピオンは呟いた。
  「ふむ………どうしたらいい?ヘルガ?」
  「は………おそらくは受けたショックより大きなショック……」
  「……もしくはそのショックを忘れさせる事が出来れば大丈夫かと……」
  「………そうか………なるほどな………」
  「ならば…………」
  そう言いながらスコルピオンがバイクから降りた。
  「身体で思い出させてあげるわ」
  そう言いながらスコルピオンは構えた。

  ◆スコルピオンVSシェラザード!遂に実現!!?

 
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