コナン&金田一final
漆黒のモレンド 第18章
作:Gahal様
事情聴取を終え、コナンと平次は米花警察署近くのコンビニにいた。
そこでジュースを購入し店を出た2人は、早速そのジュースを飲みながら歩き始めた。

平次「そういや高木ハン、2001が岐阜県警から東京へ護送されてる言うてたな。」
コナン「ああ。」
平次「お前、2001と2208の意味分かったか?」
コナン「いや…」
平次「俺もや。な〜んか引っかかってんねんけどな。」
コナン「何か、他の5人のコードナンバーとは違う意味が隠されているような気がするんだ。」
平次「そ〜やな。」

コナン「大阪、九州、北海道の各支部長はそれぞれの支部で行っていることをコードナンバーにしていた。
だが東京支部長のコードナンバーは違う。2208に該当するような犯罪行為はない。」
平次「それにや、大阪、九州、北海道の各支部長はそれぞれお互いの支部のことよう知っとんのに、東京支部のこと知ってるんは一人もおらへん。
東京支部の場所すらな。」
コナン「ああ。」

平次「2208の意味だけやのうて、東京支部自体に何か秘密がありそうやな。あ、そうや、和葉に電話しとかな。」
突然思い立ったように、平次は携帯電話を取り出した。そしてメモリーされている和葉の番号に電話をかけた。
しかしコール音が20回鳴っても和葉は出なかった。

平次「変やな〜こんだけ鳴らしても出ぇへんなんて…」
平次は少し不審に思いながらも一旦電話を切った。

コナン「じゃあ俺が蘭に電話してみる。」
今度はコナンが電話をかけることになった。
しかし蘭も電話に出る気配がなかった。

コナン「変だぞ…」
平次「ああ。」
和葉も蘭も揃って電話に出ないなんて…

ただ単に着メロの音が聞こえないような賑やかな場所を通っているだけという可能性もあったのだが、
コナンと平次にはなぜか蘭たちが危険な目に逢っているような予感がしたのだ。

2人は探偵事務所へ向かって走り出した。


とそのとき、
2人の横を何台ものパトカーがけたたましいサイレンの音を響かせながら通り過ぎていった。

平次「何や?」
コナン「ま、まさか…」

そのとき高木刑事のパトカーが走ってくるのが目に入り、2人は強引にそのパトカーを停止させた。



キキキキキーーーーーーーッ!



いきなり平次とコナンにパトカーの前に立ちふさがれたので(危険ですので、絶対に真似しないように!!)
高木はあわてて急ブレーキを踏んだ。

パトカーが停止すると、コナンと平次はあっという間にその後部座席に乗り込んだ。

高木「ちょ、ちょっと君達!!危ないじゃないか!!」
平次「どこ行くんや?」
高木「ついさっき通報があったんだ。高校生くらいの女の子2人と小学生の男女3人が拳銃を持った男に追い回されてるってね。」

平次「女子高生2人に…」
コナン「小学生の男女3人?」

高木「さあ2人とも、すぐにパトカーから降りて!!」
だが2人はパトカーから降りなかった。

コナン「ボク達も連れてって!!」
高木「だ、だめだよ。」
コナン「ひょっとしたらその女子高生2人って蘭ねえちゃん達かもしれないんだ!!」
高木「え?でも一人が蘭さんだとしたらもう一人は…」
平次「和葉や!!」
コナン「だからお願い!!」
高木「で、でも…本当にそうだって決まったわけじゃ…」
コナン「それはそうだけど…」

そのとき、警察無線から佐藤刑事の声が聞こえてきた。

佐藤「只今現場に到着しました。追われているのは毛利蘭さん、遠山和葉さん、それから小学生の小嶋元太君、円谷光彦君、吉田歩美ちゃんの計5人です。」
目暮「な、なんだと!?」
佐藤刑事の声に続き、捜査本部にいる目暮警部の声が聞こえてきた。

追われている5人が蘭・和葉・元太・光彦・歩美であることを知ってひどく驚いているようだ。

目暮「ど、どうして蘭君たちが!?」
佐藤「わかりません。」
松本「とにかく、すぐに子供達を救出するんだ!」
佐藤「わかりました。」
しかしその直後、


キキキキーーーー


佐藤「キャ」


ドオォォォォォォン!

ザザ…ザ…



突然タイヤが軋む音がしたかと思うと、佐藤の悲鳴とともに大きな音が聞こえてきた。
そしてそのまま佐藤刑事からの通信が途絶え、ノイズに切り替わってしまった。

目暮「ど、どうしたんだ!?何かあったのかね?佐藤君」
松本「応答しろ佐藤!!」

無線から聞こえてくるのは、ザーッという佐藤の無線機からのノイズと、松本警視と目暮警部が捜査本部から佐藤の名を呼び続ける必死の声だけ…

高木「さ、佐藤さん!!」
その無線に向かって、高木は思わず叫んでいた。送信ボタンを押していなかったため、高木の声が無線の向こうに届くことはなかったが…

次の瞬間、高木はアクセルを思い切り強く踏み込み、パトカーを急発進させた。
脳裏をよぎる“絶望“を振り払うかのように。そして最愛の女性を助けるために…

高木「2人とも、しっかり捕まって」
高木のパトカーは赤い回転灯を点灯させ、けたたましいサイレンの音を響かせながら米花町を時速80キロメートルで爆走した。
コナン「次の角を左に曲がって!」
高木「え?」
高木がルームミラー越しに振り返った時、コナンのメガネの片方のレンズには、それまでにはなかった“何か”が表示されていた。
犯人追跡メガネを作動させたのだ。

コナン「このメガネで元太たちの探偵団バッチの位置が解るんだ。だから早く!!」
高木「あ、ああ」
コナンに言われるがまま高木はパトカーを左折させた。

平次「確かそのバッチ、トランシーバー内蔵してるんやろ?連絡とれへんのか?」
コナン「無理だ。オレのバッチは守が持ってる」

その後も、コナンの道案内で高木のパトカーは快調に進み、気づけば他のどのパトカーよりも現場に近づいていた。

コナン(15分か…)
パトカーに乗ったときからコナンはパトカーのデジタル時計を意識し続けていた。

コナンが高木刑事のパトカーに乗ってから経過した時間…それはつまり蘭たちが2208から逃げまわっている時間でもあるからである。
コナン(待ってろ、蘭…)

発信器の点の位置まであと少しになったが、蘭たちの姿はまだ見えない。
コナンは犯人追跡メガネの倍率を変え、詳しく調べてみた。

蘭たちは4筋ほど向こうの通りを移動していた。
コナンがちがいる場所からそこへ向かうには、車は大きく回り道をしなければならない。

だが徒歩でなら、歩行者専用の細い通路があるため、すぐに行ける。


コナン「高木刑事!!止めて!!」
高木「え?あ、ああ」
高木はその場にパトカーを停止させた。

コナンはドアを開け、パトカーを降りた。
コナン「僕たちはそこの歩行者専用道から行くから、高木刑事はパトカーで回ってきて。場所は米花町2丁目」
高木「わかった。」
平次もそこで降り、コナンと2人で歩行者専用道を走っていった。


高木はパトカーを走らせ、大回りで行くことになった。
そしてようやく米花町2丁目にたどり着こうとしたとき…
そのパトカーを発見してしまった。白と黒のツートンカラーに塗り分けられたごく普通のパトカーを。

ただしそのパトカーは激しく凹んだ状態で電柱に正面衝突し、所々から煙を立ち上らせていた。
高木はパトカーを急停止させた。

高木(ま、まさか…)
高木は思い出していた。無線から聞こえてきた音を。

佐藤刑事からの無線の途中で突然タイヤが軋む音がし、佐藤の悲鳴と大きな音が聞こえて来たことを…

高木はパトカーから飛び降り、急いで駆け寄っていった。


運転席にまだ人が乗っているのが見えた。
それは、やはり佐藤刑事だった。

高木「さ、佐藤さん!!」
高木は佐藤の傍に駆け寄った。

運転席のドアは曲がり、半分開いていた。佐藤は意識を失っていたが、高木に呼びかけられ、気がついた。

佐藤「た、高木君…」
高木「大丈夫ですか!?」
佐藤「ええ・・・ドジよね。犯人に左側のタイヤ2本とも撃ち抜かれて、バランスを崩して電柱に衝突なんて…」
佐藤は自嘲気味にそう言った。

高木「いえ、そんなこと・・・そ、それよりも早くパトカーの外へ!!」
佐藤のの言葉に高木は戸惑いながら答えた。

佐藤「ダメ。衝突の衝撃で車が変形して足が抜けないの。」
高木「え?待ってて下さい。今、助けますから。」
佐藤「いいえ。ここは大丈夫だから、あなたは行って。」
高木「で、でも佐藤さんは…(今にも火が点きそうなパトカーの中に、佐藤さん一人を残していくなんて…)」
佐藤「大丈夫よ。すでに携帯でレスキュー隊を呼んであるから。もうすぐ来てくれると思うわ。
(今にも炎が上がりそう…レスキュー隊が来るまで持ちそうにないわ。もしガソリンに引火したら、高木君も無事じゃすまない。
高木君を巻き込みたくない…)」
高木「で、ですが…」
佐藤をこのまま残していきたくはない。しかし自分は犯人追跡中の刑事。子供たちが凶悪な男に追い回されている。
他の刑事達はまだこの場所を知らない。自分が行かねば…高木の心からから迷いが消えた。

高木「わかりました!!ただ、一つだけ…」
佐藤「何?」
高木「あ…いえ…何でもないです。」

そして高木は自分のパトカーへ戻り、児童公園に向かって走り去っていった。
高木(死なないでください…佐藤さん…)

心の中で、そう祈りながら…

パトカーの中に残された佐藤も、走り去っていくバトカーを見送りながら高木の事を考えていた。
佐藤(ありがとう…高木君…)

そしてパトカーから小さな炎が上った。






蘭たちは米花町2丁目にある児童公園に差し掛かっていた。公園を横切ろうと思ったのだ。

パン!

蘭「きゃっ!」
ついに2208が撃った銃弾が蘭の左太股に命中してしまった。
蘭はその場に倒れ込んだ。

光彦「蘭さん!」歩美「蘭お姉さん!」
2人が同時に叫んだ。

蘭はすぐに立ちあがろうとした。しかし足に力を込めると激痛が走るため、起きあがることすらできない。
蘭の顔は痛みでゆがんだ。
2208は倒れて動けない蘭に向かって銃を撃とうとした。

和葉「蘭ちゃん!!」
和葉は蘭に覆い被さった。

そして、引き金は引かれた。


ドォン!




阿笠「な、何じゃ今の音は!?」
米花町2丁目22番地
その音は阿笠博士の家にも届いていた。

阿笠博士は今日も発明に明け暮れていた。
今はちょうど休憩で、紅茶を入れて飲んでいたのだが、突然の銃声に驚き、ほとんどをこぼしてしまった。

その阿笠博士の足下で、灰原哀は今日も何かの研究を行っていた。
灰原は地下室にあるパソコンの前に座り、DVD-ROMから開いたPDFファイルを読んでいた。

いろいろな化学構造や計算式などが連なっている難しそうなファイルだ。
銃声は地下室にまでは届かなかったようだ。灰原は休まず作業を続けていた。

パソコンの横には、そのDVDの空ケースが置かれていた。ケースにはラベルが貼ってあり、何か文字が書かれている。
しかし他の書類が重なっているため、一部分が隠れてしまっていた。

見えている部分に書かれている文字はアルファベットと数字のようだ。


TX898という…




児童公園では
蘭と和葉を撃とうとした2208に、平次が公園に入ったところの植え込みの中で拾った太い枝で攻撃していた。

その衝撃でサイレンサーが外れ、銃口が地面を向いた。そして2208の指に力が込められ、銃弾が発射された。
阿笠の家にまで銃声が届いたのはそのせいだった。

平次と一緒にコナンも公園に到着した。
2208は平次をはじき飛ばした。そして銃を構え直し、銃口を平次に向けた。

平次は一瞬倒れそうになったが、踏みとどまり、刀代わりの枝を中段に構えなおした。

和葉「平次!!」
平次「すぐに蘭ちゃんつれて逃げるんや!!」
和葉「わ、分かった!!」
和葉は蘭のところへ駆けていった。

そして平次は他の人には聞こえないよう小声でコナンにささやいた。

平次「お前もあの子ら連れて逃げろ!!」
平次は少年探偵団3人を指しながら言った。

コナン「だけど服部…」
平次「大丈夫や。こいつは俺に任せろ。」
そして平次は真剣な顔になり、言った。

平次「行け!!工藤!!」


その言葉に背中を押されたかのようにコナンは元太達めがけて走り出した。
ほぼ同時に平次は2208の右手めがけて枝を振り下ろした。

平次「てやぁぁあ!」


和葉「蘭ちゃん、大丈夫?立てる?」
蘭「うん、なんとか…痛ッ!」
和葉が肩を貸してくれたので立ち上がろうとした蘭だったが、撃たれた方の足に体重をかけた途端、全身に激痛が走った。

和葉「蘭ちゃん!!」
蘭「大丈夫、これくらい」
激痛で顔をゆがめながらも蘭は和葉の肩を借りながらゆっくりと歩き始めていた。


その間にコナンは元太達のところに到着した。
3人もコナンに向かって駆け寄ってきた。

元太「コナン!」歩美「コナン君!!」
コナン「大丈夫か、お前ら!?」
光彦「ええ」
コナン「そうか…よかった。」
そしてコナンはそっと後ろを振り返り、2208がこちらに気づいていないことを確認した。

コナン「よく聞け。奴がこっちに気づいていない今のうちに阿笠の家に逃げるんだ。」
元太「え?」
コナン「さあ早く」

阿笠「こ、これは一体?」
ちょうどその時、公園出入り口に阿笠が現れた。
銃声が聞こえたあと、気になって様子を見に来たのだ。

コナン「博士!!」
阿笠「おお、みんな無事か?」
コナン「ああ、それより博士。こいつらを避難させてくれ。」
阿笠「ああ、構わんが…」
コナン「頼む!!」
そう言って、コナンは公園の中へと走っていった。

コナンは蘭と和葉の所へいくつもりだったのだが、少年探偵団の3人は、コナンがまた抜け駆けするつもりだと勘違いしてしまった。
元太「コナン!!」
光彦「また、抜け駆けする気ですね!!」
2人もコナンの跡を追おうとした。

阿笠「ダメじゃ。君たちは今すぐ避難するんじゃ。」
阿笠が左手で元太を、右手で光彦を捕まえた。
しかし少年探偵団は3人いる。今度は歩美がコナンの所へ行こうとした。

阿笠の両手はすでに埋まっているため、止められない。阿笠は焦った。
阿笠「待つんじゃ!!」

ガシッ!

だが、歩美の左手を誰かがつかんだ。歩美がゆっくり振り返ると…

灰原「やめときなさい。あなた達が行っても何にもならないわ。」
歩美「哀ちゃん…」
そして、阿笠、灰原、元太、光彦、歩美の5人は公園から避難していった。


その間にコナンは蘭たちの所にたどり着いていた。
コナン「大丈夫!?蘭姉ちゃん、和葉姉ちゃん!!」
蘭「う、うん…」
なんとか笑顔を作って返事をした蘭だが、やはり苦しそうだ。

コナン「ボクも手伝うよ。和葉姉ちゃん」
和葉「大丈夫や!!蘭ちゃんはアタシが必ず避難させたる。だからコナン君たちは先行き!!」
コナン「でも…」

その会話は、突然の怒鳴り声によって遮られた。


2208「調子にのるなぁぁぁ…」
2208は、すさまじい力で平次をはねとばしていた。

それまで2208の攻撃は平次の剣によって全て封じられていた。
そのため、防戦一方になっていた2208の怒りが頂点に達したのだ。

平次「ウァッ!」
平次は背中から激しく地面にたたきつけられた。痛みに顔をしかめ、ようやく上半身を起こした。そして見上げると…

2208はある方向に銃を構えていた。そして平次の顔は一瞬にして青ざめた。
平次「や、やめろ!」

それはコナンと蘭と和葉がいる場所だった。
コナン「させるか!!」
コナンはキック力増強シューズのダイアルを回した。そして2208めがけて蹴ろうとしたのだが…
ボール射出ベルトは5648に壊されたため修理中だったのだ。その上、公園内に蹴れそうな物はない

コナン「クソッ!」
あわてて時計型麻酔銃に切り替えたが遅かった。


ドォン!
銃弾は、ちょうど左手の時計型麻酔銃をはめている部分に命中した。

コナン「ウッ!」

コナンは左手首を右手で握り、うずくまった。

銃弾は時計を破壊し、さらにコナンの手に当たっていた。


ドォン!


さらにもう一発。
その銃弾はコナンではなく和葉の背中に当たっていた。

和葉は背中から血を立ち上らせながらうつぶせに倒れていった。
和葉の肩を借りていた蘭も一緒に…

平次「か、和葉ぁぁ!!」

平次は立ち上がり、2208に向かっていった。

だが…

ドォン!

平次「うぁ・・・・」
2208は容赦なく、平次をも攻撃した。
腹部に銃弾を受けた平次は、気を失い、うずくまるように地面へと倒れていった。

まだ意識があるのはコナンと蘭の2人。
蘭「コナン君!!和葉ちゃん!!」
コナン「だ、大丈夫!!」

万事休す…

2208が引き金を引こうとした。
と同時に、高木のパトカーが他のパトカーを引き連れて公園前に到着した。

そして続々と到着したパトカーの中から次々と武装した警官が現れ、公園の回りを取り囲み始めた。
それらの銃口が一斉に2208に向けられると2208の顔に焦りが表れた。


2208はポケットの中に忍ばせているリモコンのスイッチを押した。
船からの逃走に使った小型ヘリを呼び寄せたのだ。それに乗り2208はまっすぐ飛び始めた。

その進路上には蘭と和葉が横たわり、コナンがうずくまっていた。
2208は操縦席から体半分のりだして腕を伸ばしている。どうやら人質を取ろうとしているようだ。
蘭もコナンもほぼ同時にその事に気づいた。

コナンは、"蘭をさらうなら自分をさらえ"と言わんばかりに両手両足を大きく開いて立ち上がった。
蘭「コナン君…」
ヘリはどんどん近づいてくる。
コナン君が自分を守ろうとしてくれている…その姿を見た蘭は決断した。

蘭「逃げて!!コナン君!!」
コナン「え?」
蘭は力を振り絞り、コナンを投げた。

コナン「ウアッ!!」
コナンはヘリから届かないところまで飛ばされていた。

2208は残った蘭をさらい、拳銃を向けてくる警官に向かって蘭の体を盾のようにかざしながら飛び去っていった。

コナン「らぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
公園には、銃で撃たれ意識を失った平次・和葉と、続々到着する刑事たち(白鳥、千葉は来ていない)、そしてコナンだけが残された。


同じ頃、
佐藤刑事のパトカーの所にはまだ消防車は1台も到着していなかった。
消防車と救急車は、児童公園に駆けつけたパトカーの後を走ってきていたのだ。
だが、そのパトカーが公園の前の道をふさいでしまったため消防車と救急車は回り道をしなければならず、到着時間が大幅に遅れてしまったのだ。

炎はどんどん勢いを増していた。炎による熱で佐藤の意識は朦朧としていった。
脳裏にぼんやりと、今までに出会った人たちの顔が次々と浮かんでくる。
父である佐藤正義警視正・爆発物処理班だった松田陣平・交通課の宮本由美婦警・上司である松本警視と目暮警部と白鳥警部・そして…

佐藤「高木君…」

ドォォォォォォォォォォ…

炎がガソリンタンクに引火し、大爆発を起こした。
それは、ちょうど消防車が現場に到着した時だった。
佐藤のパトカーは巨大な火の玉と化した。

佐藤刑事を中に乗せたまま…





19章へつづく

<Gahal様のあとがき>
18章は、今までになくハードな章になってしまいました。
何人もの人が撃たれ、そして佐藤刑事が・・・

この辺で、小説タイトルのお話をしましょう。
“モレンド”
これはイタリア語のmorendoという単語です。意味は…英語のdying("ダイイングメッセージ"の"ダイイング")に相当します。
ご存じでしたでしょうか?

この章では佐藤正義警視正と松田陣平が名前だけ登場いたしました。しかし、15章のあとがきで言った“あと2人”とは違います。
その"あと2人"は最終章で登場いたします。

次は第19章、いよいよ最・終・章(予定)でございます。
ちなみに、佐藤の車がいつもの赤い車じゃないのはエアコンの調子が悪くて修理中だからだそうです(笑)
Gahal様小説ありがとうございました☆
もう展開が凄くて目がはなせません!!先が全然見えないです!佐藤刑事ぃぃぃっ
しかも蘭ちゃんや和葉・平次まで・・・・・いよいよ次が最終章!
遅くなりましたがイメージイラスト描いてみました(爆)もうちょっとスピード感が出ればなーと思いつつ・・(ため息;)
モレンドはイタリア語とは・・・・あっきーはレベルが一つ上がりました←なんのレベルだ!(爆)
byあっきー

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