コナン&金田一final
漆黒のモレンド 第2章
作:Gahal様


コナンの目の前であやしい男が守に襲いかかった。

かなり太った背の低い男で、左右に細いちょびひげを生やし、丸いサングラスをかけている。

間一髪、コナンの活躍によって守に怪我はなかったが、男はそのまま逃げてしまった。

コナンはすぐに守の所にかけ寄った。
コナン「大丈夫か、守?」
守「うん、大丈夫だよ。」
だが、守の体はガタガタ小刻みに震えていた。

守をこのまま一人で帰すわけにはいかない。そう思ったコナンは守が暮らしている施設まで一緒についていく事に決めた。

その道中も守は黙ってうつむいたまま歩いていた。
あの男のことが気になったコナンは何となく守に尋ねてみた。

コナン「なあ守。さっきの男、どっかで会ったことあるか?」
守「ううん。知らない人。ボクを閉じこめてた人たちでもないし。」

依然、守はうつむいたままだ。コナンは何か守を元気づける方法がないかと考えた。そして、
コナン「そうだ、米花ジョイシティって知ってるか?」
守「うん知ってるよ。俊也君から聞いたけど明日オープンする日本一の遊園地でしょ?」
コナン「ああ、それでオレたち明日そこに行くことになってんだ。よかったら一緒に行かねえか?」
守「オレ達って?」
コナン「オレと少年探偵団のみんなさ。」
守「でも…いいの?ボクなんかが一緒に行っても?」
コナン「ああ。」
守「うん、それじゃ帰ったら聞いてみるね。」

そして2人は守が暮らしている施設に到着し、お互いさよならをいい、守は湖南に背を向けて施設に入ろうとした。
そのとき…

1台の黒いベンツが走ってきた。その車は左ハンドル車だった。運転しているのは男で、助手席(国産車なら運転席側になる)には女が座っていた。
女は助手席の窓を全開し、窓から手を伸ばした。

コナン「危ない!!」
女の手と守の体が数ミリにまで迫った瞬間、コナンは守に飛びかかり、体を抱きかかえながら女の手をよけた。

コナンは自分の体が下敷きになるように着地した。
黒いベンツは方向を変え、再び守とコナンに迫ってきた。

どうする?建物に飛び込むか?
一瞬コナンはそう考えた。

しかし、門の間は車一台が十分に通れる広さだ。しかも中にはたくさんの子供達がいる。
守と一緒にいるコナンのことさえ考えていないような奴である。中の子供達もためらいなく轢き殺すだろう。

考える余地はなかった。

コナンは守の手を引っ張り、道路を走っていった。
ベンツも2人を追って走ってきた。

追いつかれそうになるたびコナンは曲がり角を曲がり、ベンツから逃げようとしたが、黒いベンツは5秒もたたないうちに方向を変え、
また追ってくるのだった。

しかも最悪なことにコナン達は1キロ以上分かれ道のない道へと入ってしまっていたのだ。
コナンと守は必死で走った。

しかし、たかが小学1年生の足では自動車のスピードにかなうはずもない。
徐々に両者の間隔が狭くなる。

やがてコナン達とベンツは提無津川にかかる橋にさしかかった。
両者の間隔はさらに狭まり、再び女の手が守の体に触れそうになった。

まだ橋の半分しか渡っていない。

もう逃げられない。


いや…




意を決したコナンは、守を抱きかかえ、欄干に飛びのり、提無津川へ向かってジャンプした。
守「うああああああ」
コナン「しっかりつかまれ。」

ドッボーン!!

2人はしっかりと抱き合った状態で提無津川の水面にたたきつけられた。
しかし、水中に落ちたとたん、ものすごい水の力によって一瞬2人の体は離れてしまった。

なんとか手を繋ぐことには成功し、2人は潜ったまま滝を一つ下り、そこで水面から顔を上げた。
滝と言っても落差1メートルほどの小さなものである。

しかし、橋からは滝の下が見えない。
コナンはそっと滝の上をのぞいた。

ベンツは、コナン達がダイブした所にしばらく止まっていたが、守を見失ったためかしばらくしてから元来た道を戻っていった。

コナン「どうやら、行ったみたいだ。」
コナンは下にいる守に言った。
守「寒いよ。」
守は全身びしょぬれでブルブル震えていた。

無理もない。今は2月である。
コナン「確かに!!」
今の今まで寒さを忘れていたコナンも、気が抜けたせいか、一気に寒さが戻ってきた。

コナン「ヘックション!う〜風邪ひいちまいそうだ。」
コナンはふるえながら探偵団バッチで灰原のバッチに連絡を取り、阿笠博士を呼んだ。

コナンの服を2着持って来てくれるよう頼んで…


10分ほどで阿笠博士と灰原が乗ったワーゲンが到着した。
2人は車に乗り込み、服を着替えた。

しかし、小柄なコナンの服でさえ、守にはブカブカだった。
ずっと閉じこめられていたせいで、成長が遅れているのだろう。

コナンと並んで立つと体が小さいのがよく分かる。少なくとも5センチは低いだろう。
コナン達が着替えている間、灰原は翌日行く予定の米花ジョイシティのパンフレットを読んでいた。

そこには、米花ジョイシティにあるモニュメントの写真が載っていた。
大きな地球儀がてっぺんに乗っている小さな塔のようなものである。

その地球儀は南極以外の大陸の部分がすべて純金で出来ているため、
「黄金の地球儀」というらしい。

阿笠博士が車を発車させてから守は阿笠に自己紹介をし、コナンは事の説明を行った。

阿笠「なるほどのぉ。すると守君は少なくとも3人の人間にねらわれているという訳か。」
守「ボク、あの女の人知ってる。」
コナン「何?」
守「ボクが閉じこめられていたとき、いつもご飯を持ってきた人だよ。他の人からは5010って呼ばれてた。」
コナン「5010?」

5010…数字4桁のコードネーム…コナンには覚えがあった。そう、0717である。(第3の予告状 より)
しかし、あの時一緒に大阪に行っていない灰原もその名前に反応していた。


コナン「それじゃあ、男2人の方は分かるか?」
守「ううん、知らない。」

阿笠「ところで守君の家はどのあたりなんじゃ?」
コナン「いや、博士。このまま博士の家に行ってくれ。」
阿笠「な、なんじゃと?」
灰原「どういうこと?」
コナン「奴らは守が住んでいる所を知っていた。このまま連れて行ったらすぐに捕まっちまう。」
阿笠「じゃが、ワシらがそばにくっついていれば…」
コナン「どうかな?守を捕まえるために一緒にいたオレをひき殺そうとしたような奴だぜ。」

やがて4人を乗せたワーゲンは米花町2丁目22番地、阿笠博士の家に到着した。
その後、阿笠博士が連絡を取ってくれたおかげで、守の迎えが来た。
あのベンツももういなくなっているということなので、守は帰ることになった。
翌日一緒に遊園地に行ける事にもなったので、翌日の朝みんなで迎えに行く約束をし、守と別れた。

コナンもその後、探偵事務所へと帰っていった。

そして日も沈み、あっという間に夜の9時54分になった。

コナンが風呂から上がると、テレビがついており、ちょうどニュース番組が始まったところだった。
番組の最初では、その日のニュースや特集のダイジェストがある。

コナン「そうだ、明日の天気予報、見とかねえと」
N○Kではちょうど天気予報をやっている時間である。

ダイジェストの間に天気予報を見ておこうと思ったコナンは、リモコンを手に取り、
チャンネルを変えようとした。
その瞬間


「緊急特集:怪盗キッドの新たな予告」
という文字テロップが画面に映し出された。
「本日午後7時、怪盗キッドが新たな予告状を出しました。
犯行時刻、場所などについては、警視庁からの中継も交え、緊急特集で10時20分頃からお伝えします。」

コナンはN○Kの天気予報を素早くチェックし、すぐ元のチャンネルに戻した。
翌日の天気は晴れ、降水確率は0%。

コナンはキッドの予告状がTVに出るのをひたすら待ち続けた。
そして10時20分。怪盗キッドの特集が始まった。

これまでにキッドが盗んだものの紹介、専門家によるキッドの正体についての討論と続き、10時40分、ようやく警視庁の記者会見が始まった。
キッドの予告について話し始めたのは、もちろん中森警部だ。




中森「え〜本日午後7時丁度に、怪盗キッドからの予告状が警視庁に届きました。その内容ですが…」

『12の獣の第11走者が再びタスキを受ける刻(とき)、溶けない氷を頂きに、黄金の大地に参上する。 怪盗キッド』

中森「というものです。犯行時刻や場所についてはまだ解読できていませんが、まもなく判明するものと思われます…」



まだ警視庁の会見は続くようだが、コナンはテレビを見るのをやめ、寝室へと向かった。
予告状を解読していなんじゃこれ以上見続けても仕方がない。

そう、コナンはもう予告状の暗号を解いたのだ。

そして、夜は明け、米花ジョイシティのオープン当日となった。

第3章へ


Gahal様あとがき
第2章、完成しました。
また出てきました。4桁の数字を持つナンバーエージェント。
そういえば、彼らのコードナンバーの意味分かりました?
(0717だけは別です。適当に付けた数字なので意味なんてありません。afterに出てる意味も後付です。) ですが、
その他のナンバーエージェントのコードナンバーにはそれぞれ意味があります。
ヒントとしては、4869 → シャーロック みたいな感じでほとんど解けると思います。
がんばって解いてみてください。
あ、キッドの予告状もね。

Gahal様のコナン&金田一final!!
待ってましたぁぁっ!
あ、もしかして5010はもちろん泥棒さんでは??←何?!
気になるのはキッドの予告状と米花ジョイシティかな・・・・
何かありそうだし←ぇ(笑)
次もしかしてあのキャラが??(ワクワク)byあっきー

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