奇術師の死闘
作:Gahal様

12月31日

トゥルルルルル…トゥルルルルル…

朝早く、快斗の家の電話が鳴り響いた。
しかし、10回鳴っても誰も出なかった。

快斗「あれ?母さん?おかしいな。どこいったんだ?」
といいながら快斗はしぶしぶ電話に出た。
快斗「もしもし」
青子「あ、快斗?おっはよう!!」
快斗「なんだ、青子か。なんだよ朝っぱらから。」
青子「ねえ快斗。青子今どこにいるかわかる?」
快斗「どこっておめぇん家じゃねえのかよ?」
青子「ブブーッ、はずれ。青子ね、今北海道にいるの。」
快斗「北海道?ってお前いつの間に?」
実は青子は前日の夜、快斗の家で夕食を食べていたのだ。

青子「昨日の夜よ。最終便で来たの。」
快斗「でも、お前の父さん、キッドから予告状が来たから今日から美術館に泊まり込むって言ってたんじゃ…」
青子「そうよ。お父さんならまだ家にいるんじゃない。」
快斗「って、お前まさか一人で?」
青子「違うわよ。白馬君と一緒よ。」
快斗「なにぃぃぃぃ!!白馬だと!!」
青子「そう。今からトミノ高原スキー場に行ってスキーするの。」
快斗「お前、スキー滑れないんじゃ…」
青子「白馬君に教えてもらうからいいの。」
快斗「で、いつ帰るんだ?」
青子「1月3日の夜よ。」
快斗「3日か」
青子「じゃあ用事それだけだから切るね」
快斗「ちょ、ちょっと待て、青子」

ツーツーツー
既に電話は切れてしまった。

快斗「くっそー、白馬の野郎…見てろ。」
快斗は、起きたついでにポストに朝刊をとりに出た。その新聞をなにげなく広げてみた快斗の目にある記事が飛び込んできた。
快斗「ハハ…青子のやつこれが目当てで行ったんだな…」
快斗はその記事を切り抜いてポケットに突っ込んだ。


その夜、快斗は、怪盗キッドになり、予告していた美術館へ急行した。
予告時間は深夜0時。現在時刻は11時30分だが、中森警部指揮の元、厳重な警備体制が敷かれていた。

中森「怪盗キッドめ!!今日こそ絶対に逮捕してやる。」
標的はエンシェントブルー、あのエターナルブルーと対をなすといわれる巨大サファイアである。

そして午前0時。年が明けたのと共にキッドは行動を開始した。
催涙ガスを噴射し、警官達の目をくらませ、天井伝いにエンシェントブルーの所へと下り立った。その瞬間

ガチャン!!

太い手錠のようなものがキッドの両足首に装着された。
キッド「な?」
中森「かかったなキッド!!総員かかれ!!」
警官達が身動きを取れなくなったキッドを取り押さえようとかかっていった。

中森「怪盗キッド!!召し捕ったり!!」
中森らは、キッドを羽交い締めにし、手錠をたくさんかけた。
中森「な?これは人形?」
キッド「エンシェントブルー、確かに頂きました。」
いつの間にか、中森達の後ろに宝石を持ったキッドが立っていた。
警官達が取り押さえたとおもっていたのは、キッドそっくりな人形だった。

中森「逃がさんぞキッド!!」
中森はキッドに向かって拳銃の銃口を向けた。

パシュッ

キッドはトランプ銃でその拳銃を撃ち落とした。
中森「えらく気が立っているようだな。キッド」
キッド「少々急ぎの用が有りましてね、警部達と遊んでる暇はないんですよ。」
中森「そんなこと、知ったことじゃない。取り押さえろ!!」
警官達は一斉にキッドに飛び掛かった。
キッドはニッと笑い、一言「失礼」といってピンクのもやを残して姿を消した。

キッドはハンググライダーで空港へと向かった。青子のいる北海道へと飛ぶために。



一方美術館では
警官「警部、発信機作動しました。キッドは空港へ向かっている模様です。」
中森「キッドめ、絶対にがさん!よし、追うぞ。」

キッドは空港に到着すると、直接滑走路へと入り、あらかじめ調べておいた北海道行きの貨物便へと向かった。
その便には現在荷物の積込作業が行われていた。
そしてその作業が終わるのを見計らってキッドは貨物室へと潜り込んだ。

中森達が空港へついたとき、キッドの乗った貨物便は上空へと離陸していった。

中森「すべての機を調べろ。空港内もすべてだ。ネズミ一匹逃がすな!!」
そして中森率いる警官隊によって空港内は隅々まで調べられたが、キッドは発見されなかった。

警官「警部!!」
発信機を見ていた警官が中森を呼んだ。
中森「何だ、どうした?」
警官「キッドはすでに離陸しています。管制員に確認したところ、キッドが乗り込んだ機は、北海道行きの貨物便だそうです。」
中森「よし、われわれも北海道へ乗り込むぞ!!」
警官「はっ!!」




1月1日午前4時
キッドが乗り込んだ貨物機は北海道・新千登瀬空港へ到着した。

2章へつづく

Gahal様の新作マジック快斗小説!!
うわぉっキッドが青子ちゃんを追って北海道へ????(笑)
さすがキッド・・・・あのエターナルブルーと対をなすといわれる巨大サファイアよりも青子ちゃんが気になるとこがなんとも・・・(爆笑)
にしても・・・白馬が青子ちゃんを誘うあたり・・・・・・やっぱり罠ですかい??先生!(Gahal様)byあっきー

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