奇術師の死闘 3
作:Gahal様

1月2日午前8時
白馬と青子は朝食をすませ、それぞれの部屋に戻るところだった。

白馬「雪、まだ降ってますね。」
窓の外をみると相変わらず激しい雪が降っている。
すでに鉄道、道路、海、空すべての交通機関が麻痺し、帰ることすらできない。
しかもスキー場まで閉鎖され、到着した日に少し滑ったきりである。

青子「あ〜あ、今日もまた滑れないね。」
白馬「そうみたいですね。」
青子「がっかりだな〜。」
それっきり2人は黙り込んでしまった。しばらく会話もなしに歩いていた2人の前に突然ある人物が現れた。

それを見た2人はものすごく驚いた。
それは、頭から雪をかぶり、鼻水をたらしながらガタガタ震えている快斗の姿だった。

青子「か、快斗!!」
白馬「く、黒羽くん!!」
快斗「・・・」
快斗は歯をガチガチさせながら立っていた。

青子「ど、どうしてここに?」
快斗「・・・」
青子「なんか言いなさいよ。」
快斗「・・・」
青子「快斗!!」
それでも快斗は全く何も言わない。

青子が快斗の肩に手をトンと乗せると、快斗は仰向けのままバッタリと倒れた。
青子「ちょっと、快斗、どうしたの?快斗?」
白馬「く、黒羽くん!!」




快斗「ん…」
青子「快斗!!」
快斗「青子…」
快斗が気づいたとき、そこはホテルの部屋の中だった。快斗はベッドに寝かされ、傍には青子がいた。

快斗「ここは?」
白馬「ここはトミノ高原リゾートホテル新館、2004号室ですよ。」
快斗の方に歩みながら、白馬が答えた。

白馬「無理をして一部屋用意してもらったんですよ。この満室のホテルで、唯一客がチェックアウトして空室になった、この部屋をね。」
快斗「白馬…すまない」
白馬「いやいや、礼にはおよびませんよ。僕はこの部屋を用意してもらっただけで、料金は自分で払っていただきますから。」
快斗「何ぃぃぃ!!」
青子「それより、なんで北海道まで来たのよ?」
快斗「何でって…それは…」
快斗は言葉を濁してしまった。

青子「何よ?快斗のことだからどうせ、白馬君が一緒と聞いてタダで北海道をエンジョイできるとでも思ってたんでしょ?」
快斗「な…んなわけねえだろ!!お前こそ、本当はコレが目当てなんじゃないのか?」
快斗は持ってきた新聞の切抜きを見せた。

白馬「なになに?Mr.childコンサートツアーin北海道 トミノ高原リゾートホテル本館2階大ホールにて1月2日午後6時より…」
青子は真っ赤になってその記事を奪い取った。

白馬「でもこのコンサートなら、吹雪でMr.childが来られないので中止になりましたよ。」
青子「えー?」
快斗「残念だったな」
白馬「とにかく、黒羽君も目を覚ましたことですし昼食に行きましょう。もう1時過ぎてますよ。」
青子「え〜っもうそんな時間だったの?」
白馬「では5分後に20階のエレベーター前に来てください。ちなみに僕の部屋が2105号室、青子さんの部屋が2107号室ですので。」
そういって白馬は部屋から出て行った。

青子「じゃあ私もしたくするわね。」
青子も部屋から出て行った。


その後、快斗は部屋から出てエレベーターへ向かった。
快斗は廊下を歩きながらおもった。

快斗「すげ〜ホテルだな。」
トミノ高原リゾートホテルは、4階建ての本館と24階建ての新館に分かれていた。
本館にはフロント、レストラン、喫茶店、みやげ物店、大浴場、ゲームコーナー、大ホール等の施設が集められており、客室は全て新館の方にあった。
本館と新館は4Fの連絡通路でつながっており、宿泊客はこの連絡通路を通って移動するのである。
新館にはこの連絡通路と非常口しか出入り口がない。

快斗がエレベーターの前に着くと、ちょうど一台のエレベーターが到着した。中には白馬と青子が乗っていた。

青子「行くよ、快斗!!」
快斗「お前らの部屋は21階なのになんで俺の部屋だけ20階なんだよ!!」
白馬「満室でそこしか空いてなかったんですよ。」

エレベーターは4階に到着し、3人は連絡通路へと向かった。
快斗「なあ白馬、ちょっとおかしくないか?」
白馬「何がですか?」
快斗「俺の部屋の前の客って、いつ頃チェックアウトしたんだ?」
白馬「確か、今朝早く…あっ!!」
快斗「だろ?この吹雪でこのホテルから駅までの道は全てふさがってるんだ。見たところこのホテルのほかに泊まれそうなところもなかった。
チェックアウトしてもどこにも行くところがないんだよ。」
白馬「確かに…」

そのとき、青子が2人を呼んだ。
青子「2人とも早く早く」
話に夢中になっていた快斗と白馬は青子からかなり遅れてしまっていた。
青子はすでに連絡通路を渡りきっていたが、快斗と白馬はちょうど連絡通路に差し掛かるところだった。
快斗「おう」
2人は連絡通路を渡り始めた。


そのとき

ドォォォォォォォォン!!

とてつもない轟音とともに、連絡通路が崩れ落ち始めた。
通路にいたのは白馬と快斗の2人、他に客はいなかった。
快斗はとっさに白馬を新館のほうへ投げ、何とか白馬は助かることが出来た。

青子「快斗!!」
白馬「黒羽君!!」
2人が見守る中、連絡通路は地面へとたたきつけられ大破した。さらにその振動で流れてきた雪に完全に埋まってしまった。
青子「快斗ーっ!!」
青子は身をのりだして叫んだ。
が、

ガチャッ

青子は背中に何かを突きつけられた。
ブルー「静かに…おとなしくこっちへ来なさい。」
青子はおとなしく従った。

白馬はその様子を新館側から見ていた。
いきなり青子の後ろから現れた少女、青子の背中に拳銃をつきつけ、青子を連れて行ってしまった。

白馬「青子さん!!」
白馬は思わず叫んでいた。
すると少女はふりかえり、

パン!!

銃を撃った。
その弾は白馬のすぐ横の壁に命中した。
少女はすっと踵をかえし、そのまま青子を連れて行ってしまった。



第4章へつづく

Gahal様の新作マジック快斗小説!!
ΣΣ┏(|||`□´|||;;)┓かかかか快斗?!
もしかして・・これって大ピンチでは・・・・・
空港でぶつかったあの少女が何故?!次号乞うご期待!!←待てい(笑)
って狙われてるのは誰?!もしかして・・・あれ?←どれやねーん(ノ-o-)ノ┫byあっきー

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