奇術師の死闘 5
作:Gahal様

快斗「待ってろ青子、すぐに助けだしてやるからな。この…」
快斗はすばやく怪盗キッドに変身して言った。

キッド「…怪盗キッドが!!」



青子たちが捕まっている2階大ホールでは、ブルーが窓の外をずっと見ていた。
その窓は快斗が中森たちから身を隠したところの真上にあった。
つまり快斗が怪盗キッドになるところも全て見られたことになる。
ただ、大ホールの窓には全て黒いカーテンが閉められているので、ブルー以外の人物にはそれは見られなかった。
もっとも人質は全員椅子に縛り付けられているのでカーテンが開いていても下を見ることは不可能なのだが…。

青子「ねえ」
青子はブルーに話しかけた。
ブルー「何?」
青子「おトイレ行きたいんだけど…」
ブルー「…分かった」
そう返事をするとブルーは青子の縄を切った。

ブルー「さあ行きましょう。」
青子はブルーの背中に銃をつきつけられながらトイレに向かった。


トイレからの帰りに青子は再びブルーに話しかけた。
青子「ねえ…守って誰?」
ブルー「ど、どこでそれを?」
青子「あなたさっき窓のところで言ってたじゃない、待っててね守、もうすぐだからねって。
ひょっとしてあなた、その守って人を助けるためにこんなことしたんじゃないの?」
ブルー「…そうよ。」
青子「でもこんなことしても守さん喜ばないよ。」
ブルー「ごめんなさいね。レッドの作業が終わったらすぐ人質は全員解放するわ。そして守の無事が確認され次第私は自首する。」
青子「うん。」
ブルー「あなた名前は?」
青子「青子、中森青子」
ブルー「私は、青川 千枝」


レッド「接続完了しました。」
レッドは最後のケーブルを接続しながら無線機から聞こえる声に報告した。

声「では、メインコンピュータを起動させろ」
レッドは言われるままにメインコンピュータを立ち上げた。
メインコンピュータが立ち上がったと同時に接続した機械がピピピピ・・・と音を立てたり、ボタンやランプが赤や青や黄色や緑に光ったりした。
そしてメインコンピュータの画面に何かのプログラムのようなものが表示された。

声「最後に、メインコンピュータのEnterキーを押せばすべて完了だ。」
レッドはEnterキーを押すまえに言った。

レッド「…その前に一つだけ教えてください。この機械は一体なんなのですか?」
声「お前なんかには知る必要がないものだ。」
レッド「…もう一つ、この仕事が終われば本当にブルーを解放してくれるのですね。」
声「ああ。それが終われば必ずブルーを、いやブルーだけでなくお前も解放してやろう。さあもういいだろう。早く押すんだ!!」
レッドはEnterキーを押した。

するとホテルが地震のように揺れ始めた。天井も少し崩れ落ちてきた。
一方、コンピューターの画面も何か忙しく動いていた。

レッド「ど、どういうことだ!!これは!?」
声「ひゃははははは…教えてやろう。そいつは緊急事態発生時に起動する非常プログラム。
そのプログラムが発動するとそのコンピュータ内の全データと口座内の金を全て転送し、建物内いたるところに仕掛けられた自爆装置が
起動されるのだ。」
レッド「自爆装置だと?いつのまにそんなものを!!」
声「いつのまにだと?最初からさ。8年前まではその建物は我らの旧本部だったのだから。
つまりこういうことだ、今回の作戦は旧本部に残っていたデータと資金を回収し、われらの痕跡を消すことが目的だったのだ。」
レッド「だましたのか?じゃあこの作戦が終わればブルーを解放するという約束も嘘だったんだな?」
声「嘘じゃないさ、2人仲良く自由に暮らせばいいさ…あの世でな、ひゃーははははは。」
レッド「ちくしょう!!」
レッドの叫びがこだまする中、ホテルは一気に爆発し、どんどん崩れていった。

レッド「クッ…こ、ここは?」
あたりを見回すと、まわりは一面雪景色、そこに大勢の人たちが集まっていた。

キッド「ここはホテル裏の駐車場ですよ。」
振り向くと、レッドの後ろにキッドが立っていた。

レッド「お、お前は怪盗キッド!!お前が助けてくれたのか?」
キッド「ええ」
レッド「しかしどうやってあの一瞬でこれだけ大勢を助け出したんだ?」
キッド「人質たちは爆発の前に全員救出しましたよ。全員縛られていましたが部屋には見張りも誰もいなったのでね。」
レッド「誰もいなかっただと?ホールにはブルーがいたはずだ。どこだ?ブルー!!」
レッドは人質をかき分けてブルーの姿を探し回った。

声「ひゃははははははは、何を捜してるんだ?もしかしてこれか?」
突然謎の声がレッドに話しかけた。
キッド、レッド、人質たちはあたりを見回し、その声の主を捜した。
声「どこを見ている、ここだ、屋根の上だよ!!」

その声に促されるように全員が屋根の上、正確にはホテル本館はもう崩れているので屋根の上というよりはガレキの上なのだが…をみた。
すると、2人の少女を抱える小さな男の姿があった。

左腕で青子の首を、右腕でブルーを首をしめつけていた。

そしてその右手の先には拳銃が握られていた。


第6章に続く

Gahal様の新作マジック快斗小説!!
It's miracle!!(笑)キッドやっぱりかっこいいです☆
って今度はブルーと青子が捕まってる?!Σ( ̄□ ̄;)
声の主はいったい誰?!どーするキッドとレッド!!!←ナレーション風(爆)・・・・・・・・・・・・・・・・・白馬は?!byあっきー

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