奇術師の死闘 7
作:Gahal様

札幌市郊外の古ぼけた一軒の雑居ビル、キッドとレッドはそのビルの前に到着していた。

キッド「ここが本部なのか?」
レッド「ああ。おそらくな。」
キッド「おそらく?」
レッド「上からの指令や上への連絡はすべてこの建物で行っていたんだ。」
キッド「とりあえず入ってみるか。」
レッド「ああ」
2人はとりあえず、ビルの中へ入った。


ビルの中は電気も水道も止まっており、真っ暗だった。
そして見張りすらいない状態だった。

レッド「おかしい、以前来たときはもっと大勢いたはずだ。」
キッド「お前が裏切ったとわかって逃げたのか?」
レッド「…ああ…おそらくな。」
キッド「ま、とにかくもう少しここを探ってみようぜ。何か手がかりが残ってるかもしれねえからな。」
レッド「ああ」


捜索開始から1時間が経過した。
すでに1階から4階まで調べ終わり、後は5階を残すのみとなっていた。4階から5階への階段を上る途中でキッドがレッドに尋ねた。

キッド「なあ、そろそろ話してくれないか?あんたがいた組織のことを。」
レッド「ああ、おれのいた組織はボスの下に4人の幹部がいて、4人はそれぞれ北海道、東京、関西、九州の各支部の支部長をしている。
コードネームは北海道支部長が8982、東京支部長が2208、関西支部長が3281、九州支部長が5648だ。ただボスのいる本部だけは不明だ。」
キッド「な?」
レッド「どうした?」
キッド「その4ケタの数字をコードネームに使ってるのはその4人だけなのか?」
レッド「いや、4ケタの数字をコードネームにもつエージェント、いわゆるナンバーエージェントは全部で7人いるらしい。
4幹部以外はその直属の部下だ。ちなみに北海道支部には5010という名のナンバーエージェントがいる。
その下にオレやブルー、グリーンのようなカラーエージェントがいる。ほかの支部は知らないが。」
キッド「じゃあ0717という奴はいなかったか?」
レッド「0717…ああ確か関西支部長3281の部下だ。だがそれがどうかしたのか?」
キッド「…いや、なんでもない。」

う〜ん、あのおチビちゃんや西の探偵君にも教えてやるべきか…。


考えているうちにキッドとレッドは5階に到着した。
5階には部屋は一つしかなかった。
その部屋はガラーンとしており、デスクトップタイプのパソコンが一台残っているだけだった。

レッド「パソコン?動くのか?」
キッド「かもな、でもここは電気が止まってるから…ちょっと手伝ってくれ、外に運び出す。」
レッド「あ、ああ…」
と、レッドがパソコンを持ち上げようとしたとき、キッドがそれを止めた。

キッド「ちょっと待った。」
レッド「どうした?」
キッド「こりゃだめだ、ケーブルが全部固定されている。」
パソコンにはモニターと本体を結ぶケーブルやキーボード、マウス用のケーブル、電源ケーブル以外に謎のケーブルが壁につながっていた。
レッド「どうするんだ?」
キッド「…ここでパソコンをたちあげる。」
レッド「でも、どうやって?」
キッド「配電室はどこだ?」
レッド「ああ、それなら地下にあるはずだが…」
キッド「行こうぜ」
2人は階段を降りていった。

そのころ、トミノ高原リゾートホテルでは、やっと到着したレスキュー隊によって雪に埋まった快斗の捜索作業が始まっていた。
青子「快斗〜快斗〜」
青子は雪の上を走り回りながら雪に埋まっているはずの快斗を探していた。

白馬「青子さん!」
白馬は青子に駆け寄り、腕をつかんでいった。
白馬「何やってるんですか?もうホテルに入った方がいいです。…でないと風邪ひいてしまいますよ。」
ホテル…本館の方は崩れてしまっているが、新館の方はドアがふさがれていただけだったため、到着したレスキュー隊によって閉ざされた
非常口が解放された。

青子「でも…快斗が…」
白馬「黒羽君なら大丈夫、レスキュー隊の人が必ず見つけてくれますよ。」
青子「・・・・・わかった。」
少しためらいはしたが、青子はすぐにホテルへと戻った。

白馬「では、僕は中森警部と一緒にキッドを追います。事件が解決次第すぐに戻ってきますので、青子さんはホテルで待っててください。」
青子「・・・・・うん。」
白馬は中森警部と北浦刑事の乗っているパトカーに乗っていってしまった。青子は一人ポツンとホテルに残された。

白馬「で、キッドの現在の位置は?」
パトカーが発進下のとほぼ同時に白馬が聞いた。

北浦「それがですね、さっきからほとんど動いていないんです。場所は札幌市郊外のようです。」
白馬「どうやらアジトに着いたみたいですね。僕たちも急ぎましょう。」
中森「ったく、言われんでもわかっとる。」
中森は不機嫌そうにアクセルを踏み込んだ。

雑居ビル1階、キッドとレッドは地下へ行く入口を探していた。
階段はあったようなのだが、すでにコンクリートでふさがれていた。
キッドとレッドは他に地下へ降りる方法がないか探していた。

レッド「キッド!!」
レッドがキッドを呼んだ。
キッド「何だ?何か見つかったのか?」
レッド「エレベーターだ、これで地下に降りられる。」
キッド「あのなあ、エレベーターって今電気来てないんだぜ。」
レッド「そ、そんなことはわかっている。見ろ。」
そのエレベーターのドアは一部分がガラス張りで中が見えるようになっていた。
レッド「今エレベーターは1階には止まっていない。このドアを手動で開けてここから下へ行くんだ。」
キッド「なるほど、じゃあ早速やるか。」
レッド「うぬぉおおおおおおお」
レッドが渾身の力を込めてドアをこじ開けた。

すると、すぐしたに地面のようなものが見えた。
キッド「どうやらエレベーターは地下1階に止まっているようだな。」
そういいながらキッドはそこに飛び降りた。それはエレベーターの天井だった。
キッドはエレベーターの天井を開き、中へ降りさらにドアを開いて地下1階へ到着した。レッドもそれに続いた。
そして2人はようやく配電室に到着した。

キッド「あった、配電室だ。」
ふたを開けてみるとすべてのスイッチが切れていた。キッドがそれらをすべて入れると、あたりが明るくなった。電気が戻ったのだ。
キッド「さあ、5階へ戻るぞ。」

2人はエレベーターで5階へ上がり、パソコンがあった部屋に戻った。
そして、パソコンを起動した。




8章へつづく

Gahal様の新作マジック快斗小説!!
キッドがいよいよPCに電源・・・うわぁ気になるっ(><)続きを早くぅぅ←HPアップ遅いくせに言う事はいっちょ前・・・すいません(汗)
ナンバーエージェントていうのが出てきたあたりかなり巨大な組織のような・・・・キッドは・・・・
(あ・・快斗は・・・・(爆))byあっきー

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