くれぐれもコナンの世界が好き!哀のイメージを壊すな!
おいどんの、おいどんの哀に何をするんじゃーと言う人は読まないで下さい。
それによって、ショックを受けた、胃が痛い、腹が減ったとしても当方は一切関知いたしません。





「魔法少女になってもらう!」

それが魔法の国からやってきたとか言う不思議な生き物から出された言葉だった。



魔法少女 マジカル☆哀
by 探偵k様

絵:あっきー「イメージイラストを見る




それはついさっきのこと。

学校から帰ってきた灰原哀。

彼女は、どこにもいないちょっと変わった小学生である。

「ただいま。帰ったわよ。阿笠博士」

呼びかけてみるが返事がない。

博士を探してみると食卓の上には書き置きがあった。

『すまん。哀くん。足りなくなった材料をちょっと買いに出かけてくる。すぐ戻る。』

(そういえば、最近なにかを作ってたわね…………)

はっきり言って哀にはさっぱりわからないガラクタみたいなものだったが…………

ランドセルを置くと地下室へと降りていく哀

椅子に座ると目の前にあるパソコンを打ち始める。

カタカタカタ

キーボードを打つ音が静かに響く。

しかし上手くは行ってないようで哀の口から長いため息が出る

(ダメね。やっぱり。これじゃ。あの薬があればすこしは進むんだけど……)

しかし、それは言っても意味のないことだ。

「あら?これは?」

視線をそらせてみると、机の上にちょうどMOがあった。

ラベルには、阿笠博士の大冒険X。

「なぜこんなところに?まあ気分転換にはなるかもしれないわね。」

どうにもすすまない作業に煮詰まっていた頭を切り替えようとMOをパソコンへと入れ起動させる。

パンパカパーン!パンパンパン!パンパカパーン!

パソコンから軽快な音が鳴り響いた。

するとパソコン画面からなにやら不思議な生き物が出てきた。

「おめでとーございます!あなたはちょうど一万人目のお客様です!!」

飛んでいるその生物は両手に日の丸の旗を持って振っている。

全身が真っ黒でしっぽを持っているその姿は……

「黒猫?」

「黒ヒョウだ!」

その妙な小さな生物は抗議するように叫んだ。

「あ 申し遅れたな。 俺はヒョウレンと言う。ヒョウちゃん♪って呼んでくれ。」

「これはどういうことかしらね?」

哀は目前で起こっている出来事に対して必死で頭を回転させる。

(まさか博士の仕業?こんなものつくれたのかしら?)

だが、どう考えてもそんなことはできそうもない。

「俺は、魔法の国レインダムから来た!ちょうどあんたが一万人目のお客様なのだ。だから魔法少女になってもらう!」

ヒョウちゃんとやらは、哀のことなどおかまいなしに話しを進めている。

どうやら魔法少女とやらのスカウトに来たらしい。

それにしても一万人目のお客様ってなんなんだ………

そんなことで決めていいのか?………

「パス」

哀は即答した。

「そ、それは困る!」

狼狽の声を上げるヒョウちゃん。

「なんでわたしがやらなきゃいけないのよ。他当たって」

と、哀の声はそっけない……

「やってくれればなんでも願い事を一つかなえる!お金とか若さとか地位とか……」

ヒョウちゃんは必死で食い下がる。

しかし小学生に若さや地位はいらないと思うぞ?

そんな言葉を背にして哀は立ち去ろうとした。

「なんだったら恋の縁結びでも!」

ピクッ!

「やらせてもらうわ……」

あっさりと前言撤回する哀

「あ、そ、そうか?……」

180度態度を変えた哀の態度に戸惑いを隠せないヒョウちゃん。

「と、とにかく これで うーむ……」

腕(?)を組み、ヒョウちゃんはしばし考え込んだ。

「あんたの名前は?」

「灰原哀よ」

ヒョウちゃんに名前を問われて哀は答える。

「魔法少女マジカル☆哀 ということにしとこう。魔法少女マジカル☆哀の誕生だ!」

『ということにしとこう』って、なんだいったい?と言う疑問はおいといて……

一抹の不安とともにここに魔法少女マジカル☆哀が誕生したのだった。

 

 

「は〜い。クラスみんなで言ってみましょうね〜 あ・い・う・え・お!」

「「「あ・い・う・え・お!」」」

先生の声にクラス全員子ども達が元気よく叫んでいる

いや……全員というわけではなくて……

(なんで引き受けたのかしらね……)

一人、哀は自嘲していた。

ふとコナンの方をみてみるとつまらなそうに机の上に突っ伏しているのが見えた。

(ふふふ まあ 当然よね。高校生探偵の工藤新一くんにはね)

哀はコナンの姿に少しだけ笑みを浮かべると、すぐに思考を元に戻す。

「敵は、マジカルモンスターだ」

「マジカルモンスター?なによ……それは……」

ヒョウちゃんの説明に哀は疑問の声を上げる。

「マジカルモンスターというのは、レインダムで飼われていたモンスターが捨てられて野生化し、狂暴化したものだ。
あまり知られてはいないが魔法の世界とこの世界は密接に関係している。行き来は案外簡単なんだ……まあ、それでマジカルモンスターがそっちの世界に逃げてしまったんだ」

ヒョウちゃんは、説明する。

「まあ レインダムだってバカじゃない。
そういうマジカルモンスターは、管理人であるこの俺が檻の中に入れて
管理していたんだが、その檻のカギが……」

ヒョウちゃんが先を続けられず口をつぐむ。

「管理ミスね……」

ぽつりとつぶやく哀の声。

「いや!これは、陰謀だ!そうに違いない!」

(陰謀のせいにしてごまかそうとしてるわね)

哀は、冷静に洞察する。

管理ミスで、逃げられたとなったらかなりの問題だ……

(ま、どうでもいいけどね)

「つまり、この世界に逃げ出してしまったマジカルモンスターの捕獲または処分。
それが、魔法少女 マジカル☆哀の目的ってわけだ。」

(ということだったわね……)

哀は昨日のヒョウちゃんとのやりとりを思い出しながら窓の外をぼんやりと眺めていた。

そんな哀の様子にコナンは、チラッと視線を送った。

 

 

うれしそうにこどもたちがさわいでいる。

ちょうど今は体育の時間だ。

「どうしたんだ。オメー?いったい?」

「なんのことかしら?」

体育の時間が始まるなりコナンが哀に話しかけてきた。

「なにかあったのか?ぼーっとして?」

コナンは、怪訝な顔で聞いてくる。

「あら?あなたは、あの授業がおもしろいの?」

「そ、そういうわけじゃないけどよ」

からかうような笑みを浮かべる哀にコナンは、戸惑った声を返す。

(それにしても、わたしが魔法少女になったと言ったらこの探偵さん。驚くでしょうね……)

クスッ

哀の顔に小さな笑みが浮かぶ。

「な、なんかオメーの様子がいつもと違うようだったからよ……」

コナンは笑われたと勘違いしたのか必死でいい訳している。

(さすがというところかしら?)

哀はひそかに感心した。

たしかにいつもと気持ちが同じと言うわけには行かなかったからだ。

魔法少女になったのだから。

「わたしのことなんて見ている暇があったらあのお嬢さんに正体が2度とばれない方法でも考えるのね?」

多少は心配してくれたのだということに心の中にうれしさを感じながらも隠すようにそっけなくあしらう。

「へっ!かわいくねーよ。やっぱオメー……」

そう言うと「じゃあな」と言ってコナンは、離れていった。

(わたしには合わないしね。そんなの………)

哀には絶対に自分には合わないと思ってしまうのだ。



そのとき突如空間がゆがんだ!



バリ!バリ!バリ!

プラズマが発するような音があたりに響く!

それが終わった時、学校のグラウンドには一つの巨体が現れていた。

山のような大きな体。なんでも噛み砕くような大きなあご。ナイフのような鋭い歯。

そして、2つの頭を持っている。

「あれは……」

「ヘルハウンドだ!2つの頭をもつ犬でレインダムでは、よく飼われているんだ!」

突然、かけられた声に哀があたりを見回すと、飛んでいる黒ヒョウの姿が……

「あなた……いったいいつ現れたの……」

「細かいことは気にするな」

哀の冷静な指摘に答えずにヒョウちゃんはヘルハウンドの方をみる。

「よし 魔法少女マジカル☆哀に変身だ!」

急いで哀とヒョウちゃんは物陰へと隠れる。

(たしか これだったわね)

哀は魔法の試験管を取り出した。

(なんで試験管なのかしら………)

ヒョウちゃんの話によると別に変身の媒体となるものはなんでもいいらしい………

「……レイ………マジカル……トランス………ミューテーション………」

呪文を棒読みする哀

七色の光が哀を包む!

これまた呪文は、棒読みでもいいらしい。

光が輝き終わったとき、哀は、巫女のような妙な格好、ヒラヒラのスカートを着ていた。

「これは……昔のわたし?」

体が大きくなって目線が高くなっている。

体が元に戻っているのだ!

(ひさしぶりね、この感覚……)

「でも、なんでこんな格好なのかしらね……」

「こういう格好はお約束だ!」

「まあ いいわ……」

哀はいつものように淡々と答える

しかしその口調は、すこし呆れの感情も含まれていた。

「よし!魔法少女 マジカル☆哀の出番だ!」

ヒョウちゃんの声が響いた!

 

 

空を飛びヘルハウンドへと向かうマジカル☆哀

「いいか。くれぐれも正体はばれるんじゃないぞ」

ついてくるヒョウちゃんがそう言った

(まあ わたしもばらそうとは思わないけど……)

「魔法少女は絶対に正体はばれてはいけないのだ!」

これまたヒョウちゃんは断言する。

「それもお約束?」

「いや こだわりだ!」

そんなやりとりをしながらマジカル☆哀はヘルハウンドへと向かった。

 

 

「きゃああああ!」

突如現れたヘルハウンドに逃げ惑う子ども達。

「なんなんだよ!あいつは!」

コナンも、例外ではなく、非常に混乱している。

いくら殺人事件に、慣れているといってもこれは別の問題である。

「に、逃げましょう。コナンくん」

「そ、そうだよ……コナン君」

「そ、そうだぜ。早く逃げないと……」

いつのまにか元太・光彦・歩美の3人がコナンのそばにいる……

「灰原はどうした?」

コナンはいない哀のことについて聞く。

「し、知らないよ。灰原さん。逃げたと思うけど」

「ざ、残念ですがボクも知りません」

「オレも知らないぞ〜〜」

3人とも知らないようだ。

「まあ あいつのことだから 大丈夫だろうが……」

ふとヘルハウンドのほうを見たコナンは、信じられない物を見つけた。

「あれは……」

それは、空を飛びヒラヒラの格好をしていて高校生くらいの姿で、見なれた姿とは違うが……

(灰原!?)

そう明らかに灰原哀の姿だった……

「お前らは早く逃げてろ!」

そう3人に言い放つとヘルハウンドの方へと向かう。

「コナンくん!」

歩美ちゃんの声を聞きながらコナンは、走った。

 

 

「さて どうすればいいのかしら?……」

マジカル☆哀は、かたわらのヒョウちゃんに聞く。

「言っただろ。捕獲または処分だって……」

「そのためにどうしたらいいか聞いてるのよ……」

少しいらだった口調でマジカル☆哀は言った。

「それじゃ これを……」

「これ?……」

マジカル☆哀は、受取ったものを見て眉をひそめる。

「いっけー!マジカル☆哀!マジカルフラッシュだ!」

「はいはい……」

哀は、もはやあきらめたような口調である。

シュッパッ!

カッ カッ カカッ カッ カカッ カッ!

「ヒッギャアアアア!」

悲鳴を上げるヘルハウンド

見るとその体には、たくさんのナイフが突き刺さっている!

マジカル☆哀が投げつけたのだ!

「ねえ 一つ聞いていいかしら?……」

疑問に思ったようでマジカル☆哀は、聞いてくる。

「なんだ?」

「これって、魔法?

「こ、細かいことは気にするな……」

一筋の汗をたらすヒョウちゃん。

「予算がないんだから仕方ない……」

どうやら魔法少女とやらには、予算があるらしい。

「なぜ、ないのよ……」

的確なマジカル☆哀のツッコミ。

「そ、それも気にするな……」

またうろたえた声を上げるヒョウちゃん。

「ったく……3−5だったのに。なんであそこで大穴の8番が来るんだ……」

戦うマジカル☆哀の耳にぶつぶつとつぶやくヒョウちゃんの声が聞こえてきた。

(なぜないのか、だいたい読めたわね)

「ウー!ウガッ!」

怪我を負わされたことによって我を失ったのか、ヘルハウンドが飛びかかってきた!

「危ない!マジカル☆哀!」

ヒョウちゃんの叫び声が上がった!

ズドン!

バタッ

ヘルハウンドは、横からの衝撃を受け地面に落ちた。

サッカーボールがぶつかったのだ!!

「大丈夫か!灰原ーーーー!!」

叫びながらこちらに走ってくる子どもの姿が……それは……

(工藤くん!?)

「なにやってんだ!灰原!」

「あっさり第一回目でばれたか……」

ヒョウちゃんは、がっくりしたように肩を落とす。

「大丈夫よ……」

そう言い残すと哀はコナンに近付いた。

「だから、何やってんだ!灰原!」

近付いてきたマジカル☆哀に同じ言葉を繰り返す。

「わたしは、マジカル☆哀よ……」

「はあ?何言ってんだ?灰原?」

予想外の言葉にコナンは、首をかしげる。

「マ・ジ・カ・ル・☆・哀なのよ」

強い口調で言うと同時に視線をコナンに送る。

その視線はそれだけで人が殺せるのではというほどのものであった。

「わ、わかった。マ、マジカル☆哀なんだな……」

哀の視線の無言の圧力に気おされるコナン

「仲良く話し合ってる場合じゃないぞ!」

ヒョウちゃんの声が二人に降り注ぐ!

ヘルハウンドは、起きあがり、こちらに向けて激しいうなり声を上げている。

「そうね……」

「ま、待て!灰原!」

飛びあがろうとする哀を呼びとめようとするコナン

しかし、その声を無視して、マジカル☆哀は、飛びあがった。

 

 

「それで、他には何かあるの?」

「よし! マジカル☆哀の必殺技 マジカル・ハート・アタックだ!」

と言うとヒョウちゃんは、マジカル☆哀に、爆弾を渡す。

「………最初からこれを使っていれば良かったのじゃないの………」

「こういうものは、最後に使うものだ!」

「……………」

もはや何も言わず呆れきった表情の哀

「……で? これは、お約束? それとも、こだわり?」

「定番だ!」

哀の質問にヒョウちゃんは、即答する。

「マジカル☆哀! マジカル・ハート・アタックだあ!」

突き刺さる冷ややかな哀の視線をもろともせず、ヒョウちゃんは元気よく叫ぶ!

その言葉にマジカル☆哀は爆弾を投げつけた!

どっかーん! 

すごい爆発が、ヘルハウンドに襲いかかった!

ヘルハウンドは、断末魔の叫びを上げながら地面に倒れこんでいく。

少し、いや……かなりあっけない……

「マジカル☆哀!魔法の試験管をヘルハウンドへ向けるんだ!」

魔法少女、マジカル☆哀は、試験管をヘルハウンドへと向ける。

ヘルハウンドは、試験管へと吸収されていく!

「おーし!それでいい」

「これで終わりね……」

マジカル☆哀は、ぽつりとつぶやく。

「そんじゃ、さっさと立ち去ろう!」

ヘルハウンドがいなくなったので、逃げていた子ども達が集まってきた。

「そうね……」

相づちを打つと飛び去っていくマジカル☆哀

「マジカル☆哀って……何やってんだ?あいつは……」

飛び去っていくマジカル☆哀を見ながらつぶやくコナンであった。

 

 

『帝丹小学校で起きた爆破事件は、幸いにも死傷者は出ませんでした。
この白昼、小学校を狙った凶悪な事件に対して「魔法少女マジカル☆哀」と
名乗る者から犯行声明が出されており、警察当局は、行方を追っています。』

「おー! もう魔法少女 マジカル☆哀の活躍を流してるのか?」

「なんなのよ……これは……」

あの事件の翌日に、このニュースである。

「あー これは、マジカル☆哀の活躍だって 書き置きを残しておいたからな」

ヒョウちゃんは、ぬけぬけと言った。

「とにかく、これで一匹だな。」

「あと何匹なのよ……」

一気に疲れたようすの哀

しかし、それについての言葉は……

「知らん!」

の一言であった。

「……もういいわ……」

頭を抱えた哀に向かってヒョウちゃんは、声をかける。

「ま、とにかく これからもよろしくな♪ マジカル☆哀」

そして、これからもマジカル☆哀の活躍(?)は、続くのであった?



第2話へ
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あとがき

ということで お送りしました。マジカル☆哀!
はっきり言ってコナンの世界観をぶち壊しているという邪道の部類ですが、
ギャグだと思って勘弁してください。
哀が、イメージと違うからと言って石を投げないで下さい。(汗)

このとおり!(平身低頭)

読んでくれてありがとうございます。 by探偵k


あとがき(改訂版)

探偵kです。とりあえず細かい描写や設定の食い違いなどを微修正しました。それにしても改めて見ると下手ですね。なんか勢いだけという気もしますし。

まあ前の改訂前では、ヒョウちゃんが黒い全身に黄色い斑点という描写があって、黒ヒョウじゃないという大ミスをやらかしてますしね。

とりあえずそんなところの修正を行ったので、よろしくお願いします。

探偵k様の初小説!!!どうもありがとー!!!!!!
ぶわっはっはっ・・・・あ・・つい・・・(爆)
かなり笑わせてもらいました。なんというか魔法少女系でもかーなーりー
特殊な主人公、哀(笑)冷静沈着、必殺技がなくても頭脳で勝負・・・・・
まさに現代魔法少女(笑)コナンもびっくり・・・・(わたしもびっくりした)
かなり個人的に最高!!イラストもかかさせていただきましたっっこれはまるかも(笑)byあっきー

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