くれぐれもコナンの世界が好き!哀のイメージを壊すな!
おいどんの、おいどんの哀に何をするんじゃーと言う人は読まないで下さい。
それによって、ショックを受けた、胃が痛い、腹が減ったとしても当方は一切関知いたしません。

「なるほど。あきらかにこれは法衣の一種ね」

一人の女が、一枚の写真をもてあそんでいる。

その女は年齢は30代後半といったところ、メガネをかけた理知的な容貌だ。

持っているその写真にはヒラヒラの格好をしている赤みがかった茶髪の少女が映っていた。

「面白いわね?これは」

おかしくてたまらないという感じにその女は笑みを浮かべた。



魔法少女マジカル☆哀 魔法少女の敵あらわる!?

by 探偵k様


その写真の少女は、本屋の雑誌のコーナーにいた。

雑誌をとって2,3度ページをめくっては戻すことを繰り返していく。

「よう!灰原じゃねーか!!」

「あら?」

少女が声をかけてきた人物を見るとそれは江戸川コナンであった。

「お前もここに本を買いに来たのか?」

「ええ。まあね。工藤くんは?」

「ああ。ここに推理小説を買いに来たんだ。」

と言って本の入っている紙袋を哀に見せる。

「で、灰原は何買うんだ?」

「新レークキッド理論における飛躍と融合による進歩の可能性」

(なんかめちゃくちゃ読む気しねー名前の本だな〜〜〜)

哀の言った本の名前を聞いてコナンはげんなりとした顔をする。

「冗談よ」

哀はコナンの表情から読み取ったのかそう付け加えた。

「ここにはファッション雑誌を買いに来ただけよ。」

「へー。そうか。さて、俺はもう行くな。またなー!灰原〜〜〜!!」

あいさつもそこそこに満面の笑みを浮かべて手を振るとコナンは哀に別れをつげた。

(早く読みたくてたまらないって顔だったわね)

すぐに帰って買った推理小説を読みたかったのだろう。

(相変わらずね。推理フェチさん?)

哀も雑誌を適当にいくつか選ぶとカウンターへと向かう。

会計を済ませると哀も店から出ていった。



仲むつまじい家族、若いカップル、騒いでいる女子高生の集団。

人々は楽しそうな顔で一杯だ。

そんな人たちであふれる米花商店街を哀は歩く。

「あいーーーー!!」

「キャッ!」

突然の声に哀は悲鳴を上げる。

こうやって突然声をかけてくるのはただ一人。

「はろ〜〜〜〜〜!」

そうヒョウちゃんである。

「いきなり後ろから声をかけるのはやめなさい」

哀は、ヒョウちゃんを叱りつける。

悲鳴を上げてしまった恥ずかしさのためか顔が紅く染まっている。

「どうかしたのか?哀?」

ヒョウちゃんはそんな哀の様子などまったく完全に無頓着である。

「なんでもないわよ」

「あ!そういえばなんか家にケーキがあったぞ!あれはおいしいと評判の駅前の店だったな」

「前みたいに勝手に食べてたりしてないでしょうね?最近博士が怪しんでいるんだけど」

「別にいいじゃないか」

「おかげでわたしが疑われるのよ?」

ヒョウちゃんは、お腹がすくと勝手に食べ物を持っていっているのだ。

それは一応ねずみの仕業ということになってはいる。

「それはともかく食べるときには俺にも分けてくれーー!!」

「分けてあげるわよ……」

哀はためいきをつく。

どうもヒョウちゃんを相手にするといつも調子が狂ってしまうのだ。

スタスタスタ

「どこ行くんだ?哀?」

何も言わずに歩き始めた哀にたずねるヒョウちゃん

「帰るのよ」

「あ、待ってくれ〜〜 哀〜〜〜!!」

先を歩く哀をヒョウちゃんは追いかけた。



そんな哀たちの近くを奇妙な男が歩いていた。

頭からつま先まで黒というまるで葬式にでも行くかのような格好のその男。

それを見た人々は奇妙には思うがさほど気にせずにすれ違っていく。

隙なく辺りを見回しながらその男は歩く。

まるで何かを探しているかのように……



(ん?何!?)

哀は、なにか違和感を感じた。

不思議な危険の予感。独特ないやな匂い。

いいようもない予感が哀を襲った。

しかしその予感は、急な事態によって消されることとなる。


バリバリバリ!!


二人の耳にプラズマのような音が聞こえてきた!!

見てみるとそこでなにやら人が大騒ぎをしている。

「マジカルモンスターだ!!」

ヒョウちゃんが叫び声を上げる。

「さあ!!マジカル☆哀に変身だ!!」

ヒョウちゃんは、哀の方に振り向いたが……

「あれっ!?」

哀の姿がどこにもいない。

おかしいと思ってまわりをキョロキョロと見まわす。

「ほら、さっさと変身するわよ」

哀はすでに物陰へと隠れていた。

「なんかやけにはりきってるなあ?」

いつもしぶしぶと言う感じに変身しているが今回は妙に積極的だ。

「レイ……マジカル……トランス………ミューテーション……」

棒読みの哀の呪文が魔法の試験管に反応する。

七色の光が哀を包みこみマジカル☆哀へと変身を遂げた。

「さてと!!マジカル☆哀!出動!!」



「あいつは!!」

どっかーーん!!

騒ぎの現場につくなりいきなりである。

ヒョウちゃんがアドバイスを言う前にマジカル☆哀はあっさりと片付けた。

その時間わずか2秒!!魔法少女物の最短記録だぞ!!

「な、なじぇ〜〜〜〜〜!!」

「早く帰って本を読みたいのよね」

そして家には博士が買ってきたおいしいと評判の店のケーキがある。

ケーキを食べながら本を読む優雅なひととき。

そう!ケーキが哀を待っているのだ!!

ちなみに今回のマジカルモンスターは巨大化け猫であったのだが……

見事に出番なし!!

哀はいつものように、マジカルモンスターを吸収する。

「マ、マジカル☆哀の活躍の出番がああ〜〜〜〜〜」

せっかく哀が変身したにもかかわらずあっさりと終わってしまったことに落ちこむヒョウちゃん

「さっさと戻るわよ……」

「アウウウゥゥゥゥ……」

落ちこむヒョウちゃんを引っ張ってマジカル☆哀は去っていったのだった。



爆発に驚く群集の中にさっきの男がいた。

その黒ずくめの男は騒ぎを見届けるとこっそりと携帯電話をかける。

「……ええ、そうです。たしかに怪物でした……はい、了解しました。」

男は携帯を切る。

そして男は人ごみの中へと消えていった。



「やっぱりね。やはり魔法少女だったのね」

その女は、携帯を切るとつぶやいた。

彼女がいる部屋には広いデスクがあり、その上には怪しげな品々が並べて置かれていた。

ここは、黒ずくめの組織に存在する魔法学研究所。

目的を達成するため組織が行っている研究の一つだ。

そして、それを統括する女科学者。コードネーム『キルシュ』

「シェリー!まったく前から気に食わなかったのよね。あの小娘!」

両親の研究を引き継ぎわずか18才にして組織に欠かせない存在になったあの女。

かなりの研究成果をあげていたので予算は大幅にシェリーの研究の方へ使われている。

そして、あの人を馬鹿にしたような態度。

自分にとってまったく気に食わない存在だった。

「だけど、まさか魔法少女になってるなんて思ってもみなかったけどね」

キルシュは、薄笑いを浮かべた。

その笑いは、科学者特有と言うべき人を思いやる心を忘れた不気味な笑いだ。

「覚悟しなさい。シェリー!!」

ズルッ!

「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

イスから立とうとして勢いあまりキルシュは足をすべらせた!

そのまま床に転びキルシュは思いっきり頭を打ちつける!

なんかメチャクチャ痛そうな音がしたぞ。おい。

「ふ……ふ……ふ……ふふふふふふふふふふふ……」

なんとか痛みをこらえて立ちあがり薄笑いをするキルシュ。

いまさらかっこつけても意味ないぞ?と思いつつ……

マジカル☆哀に危険な魔の手が迫ってきたのだった。

迫ってきたんだってば!!



第5話へ


探偵k様のあとがき

さてとうとうマジカル☆哀の敵が現われました!!

黒の組織の人間がマジカル☆哀に迫る!!

はたしてマジカル☆哀は大丈夫なのか!!

ま、心配する必要はないようだけど。


あとがき(改訂版)

こちらも微修正を行いました。

ちょっとキルシュの転ぶシーンの描写の追加くらいですね。そんなところです。


待ってました(笑)探偵k様のマジカル☆哀の新作です!!
どうしてこうもコミカルにキャラクターが動くんでしょ・・・・
ものすごくイメージが沸きます〜☆
最近ヒョウちゃんが作者(探偵kさん)に似てきてると思うのは自分だけだろうか・・←待て
それにしても敵をあっさりと倒す哀!!
魔法レベルは無限なのか・・・おそろしい←いや、魔法は使ってなかったぞ(爆) byあっきー

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