くれぐれもコナンの世界が好き!哀のイメージを壊すな!
おいどんの、おいどんの哀に何をするんじゃーと言う人は読まないで下さい。
それによって、ショックを受けた、胃が痛い、腹が減ったとしても当方は一切関知いたしません。

風が収まった頃には店は散々なありさまになっていた。

「わ、わたしの店が……」

店主は呆然とたち尽くす。

ガラスだらけの店内に警報装置がいつまでも鳴り響いていた。



魔法少女 マジカル☆哀 奪われた宝石!!後編

by 探偵k様


「たぶんグリフォンだ」

家に帰った哀が宝石店のことを全て話したときのことだ。

ヒョウちゃんはテレビで「これが怪盗キッドだ!怪盗キッド特集!」なる番組をみて、

「いやあ、怪盗キッドっていいよなあ」

などと言っていたところであった。

どうやら怪盗キッドのファンになったらしい。

そこで哀からモンスターの大雑把な特徴を聞いて言ったのが冒頭のセリフであった。

グリフォンとはライオンの体にワシの頭と翼を持つ空とぶモンスターである。

「すでにグリフォンは現われていたらしい」

今まではちょうど偶然マジカルモンスターが出現したところに遭遇したが

グリフォンはとっくに現われて宝石店を襲っていたらしい。

あくまでも今までのは偶然である。

「よーし!グリフォンを捕まえに行くぞーーー!」

がぜん燃えているヒョウちゃんを見て哀はひとつため息をついた。



そして夜中。すべてが闇に包まれる時……

月がぼんやりと空に光っていた。

哀はすでに変身して魔法少女マジカル☆哀の格好で学校の屋上にいる。

なぜ夜中なのかはヒョウちゃんによるとグリフォンの活動が一番鈍くなる時間だかららしい。

「でも……なぜ学校にいるのよ?」

「べつに意味はない!!」

「あ、そう……」

ヒョウちゃんの言うことをいちいち気にしては疲れるだけである。

「マジカルロッドを渡してくれ」

「これで何をする気?」

マジカルロッドを渡しながらヒョウちゃんに哀は聞いた。

「グリフォンの位置を割り出す。マジカルロッドの力なら大丈夫なはずだ」

どうやらグリフォンの位置が突きとめられるらしい。

「グリフォンの居る場所を指し示してくれ!」

ヒョウちゃんはマジカルロッドに問い掛ける。

そしてヒョウちゃんはマジカルロッドを離した!!

パタッ!

「よし!あっちだあああああ!!」

ヒョウちゃんはマジカルロッドが倒れた方向を指差す。

「これだからいやなのよね……」

ヒョウちゃんが指差した方向には、米花デパートがあった。



怪盗キッドは東都タワーのてっぺんにその身をひるがえしていた。

「たしかこっちの方角だったな」

落ちたときに見た影が飛んでいった方角だ。

快斗の手助けをしてくれている寺井(じい)にも情報収集を頼んだがさっぱりわかっていない。

「だけど待っているのは性に合わねーよな」

怪盗キッドはハンググライダーを開く。

東都タワーから怪盗キッドは飛びたった。



ところでなぜプリティ♪歩美が登場しないのかと言うと……

「むにゃむにゃ コナンくーーん……」

「歩美ー。起きてくれないかーーー。レインダムから連絡が来ているんだよーー」

フェンバルの情けない声にもかかわらず歩美はすやすやと眠っていたからである。



「あれね……」

哀とヒョウちゃんは米花デパートの屋上に大きな影を見つけた。

いつのまに作られたのかグリフォンが巣で体をやすめていた。

ピクッ!

眠りについていたグリフォンが気配を察知したのか眠りから覚める。

バサアッ!

グリフォンは屋上の巣から飛び立った。ヒョウちゃんが叫ぶ!

「燃える空中戦だあ!!」

「キエェェェェェェエェエエエエェ!!」

グリフォンがおたけびを上げ哀めがけて突っ込んで来た!!

哀はなんとかグリフォンの攻撃をよける!

「速い!?」

昼間ほどではないにしろ目で追いかけるのがやっとの速さだ!

シュッ!

カッ!カカッ!カッ!カッ!

マジカル☆哀がグリフォンにナイフを投げつける!!

ビュオオオオオオオオオオ!

しかし激しく吹き荒れた風の前にナイフはすべて届かない!!

「グリフォンは風を操れるんだ!!」

「まったくっ!」

ヒョウちゃんの言葉に哀は不満をもらす。

哀がグリフォンに爆弾を投げつけ、

どっかーん!!

緋色の閃光が闇に閃いた。

 

 

「やっぱり効かなかったわね」

爆発はグリフォンの風の能力の前に威力を減少させられていた。

屋上では激しい戦いが行われている。

グリフォンの爪から必死に哀はかわすが、かわしきれないものも多く体のあちこちが傷ついていた。

「ハァ!ハァ!ハァ!」

哀は体で大きく息をついている。かなり疲労困憊していた。

ビュオオオオオオオ!!

「くっ!」

グリフォンが起こした激しい風の前に哀が飛ばされた!!

飛ばされた哀の身体はまるで木の葉のように突風に翻弄される。

「かはっ!」

背中から屋上の地面に叩き付けられ哀は一瞬息が出来なくなる!

グリフォンがその隙を狙って哀めがけて迫ってきた!

「哀ーーーーー!!」

ピカーーーーーーッ!!

突然まぶしい光が辺りを包む!!

哀は、急に自分の体が宙に浮いたのを感じた!

いや、誰かに抱きかかえられている!?

「大丈夫ですか?お嬢さん?」

「怪盗キッド!?」

白い不敵な怪盗は哀に向かって微笑を浮かべた。



「さあ、お立ちください。」

キッドは抱きかかえた哀を優しく立たせる。

「な、なぜ!?」

「あなたのような美しい女性が襲われているのを見るにみかねてのことですよ」

と言うと同時に唖然としている哀の手を取ってキスをする。

キッドがここに現われたのは、さっきの爆弾の爆発のためだ。

米花デパートの方角で閃いた閃光と爆発音に駆けつけたというわけだ。

「あんたが怪盗キッドか!サインくれーーー!!」

「おわっ!」

ぬっと怪盗キッドの目の前に現われたヒョウちゃんは色紙を差し出した。

「なんだ?この生き物?」

「クエエエェェェェェェェェェェェェェ!!」

突然の鳴き声に怪盗キッドとヒョウちゃんは、振り返る。



「あっ!」

「げっ!」

グリフォンが、怪盗キッドとヒョウちゃんめがけて突っ込んで来るところであった!!

「どっわあああああああああああ!!」

「うわああああああああああああ!!」

グリフォンから必死で逃げる怪盗キッドとヒョウちゃん

さっきまでのシリアスな雰囲気はどこ行った……

「なんでしつこく追いかけて来るんだーーー!!」

執拗に追いかけてくるグリフォンに対してキッドは叫ぶ!

「おい!なんか盗んでないかーーー!!」

「なんだってーーー!?」

デパートの屋上を逃げ回りながら怪盗キッドは問い返す。

「グリフォンは、宝石とか宝物に目がないんだ!グリフォンの巣から盗んだだろ!!」

「あ、これのことか?」

怪盗キッドは、ローズクィーンをヒョウちゃんに示してみせる。

哀を助ける前にちゃっかりと巣から盗んでいたようだ。

「それだ!早く戻せーーー!!」

「これは、もともと俺が盗んだもんだ。渡すかよ!」

「そんなこと言ってる場合かーーー!!」

「まったくいつもこのノリになるのよね……」

哀は騒ぎを横目にみながら服で手の甲を拭いている。

「あ よく考えてみれば俺は逃げる必要ないんだった……そんじゃなあ!!」

「お、おい!!」

ヒョウちゃんは、逃げる方向を次第に変えていく。

「くそっ!」

キッドは振りかえりトランプ銃を構えた!

ズキイィィ!!

昨日の衝撃による体の痛みがキッドを襲いトランプ銃の照準がぶれる!!

ザシュッ!!

「グッ!」

カラン!

トランプ銃がキッドの手からこぼれ落ちる!!

キッドが押さえた腕の間からぽたぽたと鮮血が滴り落ちていた。

「哀!!マジカルフラッシュだ!!」

「だめね。ここから狙ったらキッドも巻き込むわ」

ヒョウちゃんの緊迫した声にもあくまで冷静に哀は返す。

グリフォンがキッドへと襲いかかり……

キッドの体をグリフォンのくちばしが貫いた。



昨日のものとは違う激しい衝撃がキッドを襲う。

(ちくしょー!こんなところで死んでたまるかっ!)

そう思うが頭の中が真っ白になっていく。

落ちていくような感覚がキッドの身体を支配する。

(俺死ぬのか?)

痛みすら感じないのかもはや何も感じない。

(やべーな。こりゃ……)

キッドが覚悟を決めた。その時。

突然キッドの体を暖かい感覚が包んだ。

そしてキッドは目覚める。

「どこも怪我してねーな?」

起きたキッドは自分の体を確かめてみる。

さっきグリフォンに傷つけられた腕以外はたいして体に怪我がない。

たしかにグリフォンに貫かれたはずだが?

「それどこじゃねー!あのお嬢さんは!」

状況に気付きキッドが見まわすと、グリフォンが煙を出して倒れている。

そのそばには哀が立っていた。

「これは?」

「あなたがグリフォンに襲われた時にしとめたのよ」

キッドが哀に聞くとそう答える。

つまりグリフォンがキッドを襲った隙をついてマジカル・ハート・アタックを決めたらしい。

「……俺を囮にしやがったな」

「あら?なんのことかしら?」

(ったく。たいした女だ)

キッドの指摘にとぼける哀に対して心の中でつぶやいた。

(それにしてもなんでなんともねえんだ?)

疑問に思ったが、ふとキッドはタキシードのポケットの中から何かを取り出した。

紅子がくれたアミュレットだ。

それは優しい光を発すると粉々に砕け散る。

(どうやらこれに助けられたらしいな)

「まあいい。まずはこっちだ」

キッドはローズクィーンを月に掲げた。

(これもちがったか……)

すかして見えるばら色の宝石の中には何も見えない。

キッドはローズクィーンを懐にしまった。

「さてそれではわたしは失礼しましょうか。夜更かしは体に毒ですよ?お嬢さん?」

バサッ!

キッドはハンググライダーを広げると、哀に向かってウィンクしてみせた。



(お礼くらい言っておくべきだったかしら?)

遠ざかっていく白いハンググライダーを見て哀はそう思う。

「いや、すごいなあ。ダイヤモンドにエメラルド、ルビーまであるぞ。」

一人グリフォンの巣の中を見たヒョウちゃんは感嘆の声をもらした。

宝石店から奪われた宝石のたぐいだ。宝の山だ。

「こんだけあれば……」

ヒョウちゃんがよからぬことを考えていたが……

「……おやつ抜き……」

「アウウウウウウウ……」

哀のこの一言に見事に撃沈されてしまったのだった。



「おはよー!快斗!」

「よう!青子」

朝のあいさつしてきた青子に快斗もあいさつを返した。

「ねえねえ。快斗!昨日ねえ」

青子は快斗にたわいもない話をしようとする。

そのときクラスメートの男達のざわめきが聞こえ紅子が教室に入ってきた。

「紅子!」

快斗は、登校してきた紅子に声をかける。

「サンキュ!助かったぜ!」

いったん紅子は立ち止まったがすぐ何事もなかったように席についた。

「なんかあったの?紅子ちゃんと?」

「なんでもねえよ」

そう答えると快斗は、持ってきた新聞を開いた。



第6話へ


あとがき

グリフォンを怪盗キッドの協力(?)もあってなんとか捕獲したマジカル☆哀

キッドも獲物を奪い返すことが出来ました。めでたしめでたし。

しかしマジカル☆哀というよりこれじゃキッドが主人公だ・・・・・・・・・・

ま、いっか!


あとがき(改訂版)

こちらも細かい修正を行いました。多少描写を変更しましたが。あまり変わっていません。

それでは


このお笑いキッド最高!(お笑いっておいおい^-^;)
ヒョウちゃんのマジカルロッドの使い方で死ぬ程笑ったのは私だけではないはずだ!!!(笑)
なんていうか読んでる姿はかなりにやけていたかもしんない・・・
哀ちゃんの活躍とキッドのキザになりきれないところがめちゃ面白かったです。
イラスト2枚描いたのははじめて(笑)
続きが出るのをまた楽しみにしてます♪(b^ー゜) byあっきー
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