A storm is suddenly.
第3章 元の体二人は、灰原にあった。灰原は液体を差し出した。 灰原「試してみて…。大丈夫、死んだりしないわ。」 ヴェノス「分かった。」 ヴェノスはためらいも無く、ぐっと飲みほした。 しばらくする。体の暑さが収まると、そこには新一と、宮野志保と、美青年がいた。 銀の長髪…緋色の目。これは明らかにヴェノスだった。 ヴェノスは、さっきの声とは裏腹の、低く、透き通った声でこう言った。 ヴェノス「…さほど苦しみも無かった…。」 すると、ガチャ…と、音がした。そこには、平次、和葉、蘭の三人が居たのだ。 蘭「し、新一!!!」 平次「工藤!!」 新一「お前ら!!!」 ヴェノス「…知り合いか?」 新一「黒いのが探偵で、その隣が彼女。」 蘭と新一が感動的な再開をした後、皆で座って、話をし始めた。 平次「んで、誰や?」 和葉「ずいぶんカッコええひとやなあ…。」 蘭「本当。新一より数倍かっこいいね。私、こっちに変えようかな。」 和葉「ずるいな、蘭ちゃん。」 新一と平次は汗をかいていた。ヴェノスは苦笑いをして、こう言った。 ヴェノス「…えーっと…話せば長い事になるでしょう。まぁ名前は、ヴェノス・ブルーセイムです。仮ですが。」 蘭「…ヴェノス…って…。」 志保が、二人に話した。組織、自分の招待、幼児化、魔術…。 志保「…ということなの。」 ヴェノス「ああ、一応教えておきますが、僕はXG‐001です。 しかし…僕も大変な事に巻き込まれた「らしい」ですねー。 自覚が無いんですよ…。どうって事無い事だから。」 そりゃあ、あんたは魔術者だからどうってことないかも…。 でも他の皆さん、冷や汗かいています。 ヴェノス「皆さん、どうかしましたか?」 和葉「あ、いや…敬語で話さんと別にええと思うてな。あと、XG‐001って?」 ヴェノスは少し笑った。和葉はほっとしている。 ヴェノス「じゃあそうする。新一、組織に乗り込むのは、ばれてない今からの方が良いと思うが? ああ、それと、XG‐001は、僕の番号だよ。」 新一「…ひ、人の心を読むな。あ、じゃあ平次はどう?」 ヴェノス「……そんなんに巻き込んで、和葉は大丈夫かなぁ…って。」 新一「愛だねぇ〜。クックック♪」 平次「ヴェノスはん!!!人の心読まんといてや!!!!!」 ヴェノス「…無理。聞こえるから。」 蘭「え…じゃあ、私のも…。」 和葉「うちのも…?」 ヴェノス「…言ってほしい?」 蘭「遠慮します!!ねぇ、和葉ちゃん。」 和葉「う、うん。」 ヴェノスは頬ずえをついて目を閉じた。 周りではギャ―ギャ―とわめいている。 平次と新一は心の事で喧嘩になっている。 蘭と和葉は…なんか乙女な話を…、志保は落ち着いてコーヒーを出している。 ヴェノスは耐えられずに叫んだ。 ヴェノス「事の重大さを考えられんのか貴様らはああああああっ!!!!! 貴様ら全員俺の手でぶっ殺してやる事なんざ、動作もねーぞおおっ!!!!!!!」 ああ、怒っています。皆さんピタリと止まりました。 さすがに怖いでしょうねえ…。ヴェノスは落ち着いた顔に戻ってこう言った。 ヴェノス「さて…じゃあ、どうしますか?」 志保「コーヒー。砂糖は…?」 ヴェノス「いや、いらないよ。ありがとう志保さん。」 志保「そう…。で、組織に潜り込むのは今日しかないわよ? 私たちが元に戻ったのを知ると、組織は狙ってくるわよ。」 ヴェノス「組織の構造は志保さんと俺が大体知っている。分けなきゃいけないよな…。 どうする?待機組は電話をかけて俺らの正体を教えろ。」 新一「…ヴェノスは乗り込む方に入った方が心強いな。平次と志保は…ここにいろ。 んー…蘭はどうしようか…、乗り込みにするか…。和葉ちゃんはここに。 俺は乗り込む。以上でOKか?」 志保「…まあまあね。それぞれ武器を持ってないと危ないかも。」 新一はどこからか、銃を何本か持ち出した。平次は、これまたどこからか、真剣。 志保は、銃。和葉は…手に何かをはめている。蘭もはめている。 ヴェノス「…で、いつ?」 新一「今日の…夜かな。」 作戦(?)決行の夜が来た。