コナン&金田一final
漆黒のモレンド 第10章〜コナン編〜
作:Gahal様
3月10日(土)午前10時頃

平次「そろそろおっちゃんの乗った船が出航する時間やな。」
コナン「ああ」
平次「その船にキッドが潜りこんだんやろ?お前もいきたかったんちゃうんか?」
コナン「そりゃあ行きたかったけど、チケットも取れなかったし、それに守のこともあるからな。」
平次「チケットって…パーティ付きの500枚のほかに一般客の700枚もあったはずやろ?」
コナン「一般の方も売り切れてたんだよ。」
平次「へ〜そんなに人気あるんかその船?チケット代結構するんやろ」
コナン「知らねえよ」
そのとき、ちょうど和葉と蘭がドアを開け2人を呼びに来た。

蘭「コナン君」
和葉「平次、じゃあ行ってくるで」
蘭と和葉は迎えに来たそのこと一緒にショッピングに行くのだ。

平次「おう」
コナン「行ってらっしゃい」
蘭「夕方までには帰ってくるからね」
コナン「うん」
蘭と和葉は園子につれられて行ってしまった。

平次「さ、俺らも行こか」
コナン「行くって?」
平次「何言うてんねん。守っちゅボウズの名前のこと調べるんちゃうんか?」
そう、平次はそのために東京まで来ているのである。
コナン「ああ、そうだったな。」



そのとき、毛利探偵事務所に歩美・光彦・元太の3人がやってきた。

歩美「コナンく〜ん、いる〜?」
光彦「迎えに来ましたよ〜」
コナン「おめ〜ら」
コナンは玄関まで行き、3人を出迎えた。平次もコナンに着いていった。

元太「おうコナン」
コナン「迎えにって、どこに行くんだ?」
光彦「どこって、守君のお見舞いに決まってるじゃないですか。」
コナン「で、でも今日は…」
コナンはチラッと平次の方を振り返った。
平次「ん?ああ、おれはええで。友達の見舞いくらいは待ったんで。」
というわけで、平次も病院へ行くことになり、さらに阿笠の家で灰原も合流し、コナン・歩美・元太・光彦・灰原・平次の6人は米花不動総合病院に来ていた。
コナンはコッソリと平次に耳打ちした。
コナン「なんでおめーまでついて来るんだよ。」
平次「見舞いが終わったあと直接行ったほうが早いやろ。」
コナン「バーローそんなことしたらあいつらがくっついてくるだろ。」
前ではしゃいでいる元太・光彦・歩美を指さす。

平次「ふ〜ん、まあええやん」
コナン「おいおい」



病室に到着すると、だいぶ傷も癒え、かなり元気になった守が出迎えた。コナンたちを見て守はベッドの上で起きあがった。
守「みんな、来てくれたんだね。」
光彦「だいぶよくなったみたいですね。」
守「うん、ありがとう。」
歩美「もう痛いところない?」
守「大丈夫だよ。それに先生(医者)も、もうすぐ退院できるって。」
元太「ホントかよ?」
光彦「良かったですね。」

お見舞いが終わった後、平次とコナンは警視庁まで向かうことにした。
あの電話(9章参照)の後、ニュース番組でも名前が間違えられていたことが判明したのだ。ここまで間違っていると、
警察のデータから違っていた可能性がある。それを調べるために警視庁まで行くことにしたのである。
コナン(結局こいつらも来るのかよ。)

光彦・歩美・元太の3人も、やっぱりコナンたちについてくることになった。その3人に強引につれられ、灰原も一緒に来ていた。
守には念のため探偵団バッジを一つ(コナンの物)渡しておいた。
コナン(何もおきなきゃいいけど…)


コナン・歩美・元太・光彦・灰原・平次の6人が警視庁の建物に入ろうとしたとき、6人は一人の刑事によって制止された。
刑事「あ〜ちょっと君たち。勝手に入っちゃだめだよ。」
コナン「高木刑事か佐藤刑事に会いたいんですけど。あ、交通課の由美さんでもいいです。」
刑事「え?」
ちょうどそのとき、そこを通りかかったのは佐藤刑事と高木刑事だった。
佐藤「あら?もしかしてコナンくんじゃない?」
コナン「あ、佐藤刑事」
光彦「それに高木刑事も。」
高木「やあ」
佐藤「どうしたの、今日は?」
さきほどコナンたちを止めた刑事が戸惑いながら高木にコッソリ聞いた。

刑事「なあ高木、この子たちとはどういう関係なんだ?」
高木「え、まあいろいろあって…それより正野刑事、今日は剣持警部と船上コンサートの張り込みだったんじゃ…」
コナンたちを止めた刑事は、剣持警部の部下の一人、正野刑事だったのだ。

正野「ああ、今日はちょっと用事があって…」
ちょうどそこに、警視庁の中から一人の女性が出てきた。
佐藤・高木「茅警部!!」
中から出てきたのは茅杏子警部、時々動く物が入った箱をいつも持ち歩いている女警部だ。

茅「待たせたわね正野君、それじゃあ聞き込みに行きましょう。」
今日も箱の中で何かがゴソゴソ動いている。

正野「は、はい。」
茅警部と正野刑事はそのまま行ってしまった。
コナン「ねえ高木刑事、さっきの警部さんがもっていた箱の中身って何なの?」
高木「さあね…だ〜れもあの箱の中身を知らないんだ。茅警部以外は…」

佐藤「そういえばコナン君たち、なんでここに来たんだっけ?」
コナンと平次は警視庁にまで来た理由を2人に話した。

「なるほどね。」
そう答えたのは、佐藤でも高木でもなかった。たまたまそばを通りかかった白馬探だった。

白馬「君は確か、大阪府警本部長・服部平蔵氏の息子の服部平次君だよね。」
平次「ああ、ところで…」
そして平次は白馬を指さしたまま高木に耳打ちした。

平次「なあ高木ハン、あいつ誰なん?」
高木「あ、ああ、彼は…」
白馬「僕の名前は白馬探です。よろしく。」
コナン(こいつ、黄昏の館の時の…)
高木「白馬君は、白馬警視総監の息子さんなんだ。」
白馬「守君のことを調べるなら、僕も協力するよ。」
光彦「守君のことを知ってるんですか?」
白馬「僕も北海道で守君にあった一人でね。いい人を紹介するよ。さあこっちへ」

白馬に案内され、コナンたちは中森警部のところに到着した。
白馬「中森警部」
中森「ん?なんだ、また君か。さっき帰ったんじゃなかったのか?」

中森「そうか…君たちも気づいていたのか。」
コナン「警部さんも間違ってること知ってたんですか?」
中森「まあな」
光彦「だったら何で間違ったままにしてるんですか?」
中森「それが…」
白馬「ダメなんですよ。」
コナン「え?」

平次「ダメってどういうことや?」
白馬「戸籍や住民票に載っているデータが“関崎”だったからです。」

平次「なんやて?」
中森「だから、守君がもっていた日記(奇術師の死闘9章参照)を持ち出しても相手にされなかったんだ。」
白馬「日記を書いたときに書き間違えたんだろう、ということになったんだよ。そうでなければ誰かが住民票のデータを書き換えたことになりますからね。」
コナン「でも2人は日記の名前の方が正しいと思ってるんでしょ?」
白馬「ええ。」

平次「それにしても、そこまで情報を操れる奴がおるなんて…」
光彦「でも、守君の名字を書き換えることに何の意味があるんでしょうか?」
白馬「おそらく、守君を家族に返したくないのでしょう。字が違っていればまず別人と思いますからね。」
元太「え、あいつ家族いたのかよ。」

白馬「日記の内容からすると彼のおばあさんがまだ生きてるかもしれないんですよ。」
中森「しかしあの日記には、名前も住所もな〜んも書いてなかったからな。」
コナン「でも住民票とかで調べたら分かるんじゃないの?」
中森「調べてみたよ。だが住民票に載っているばあさんの住所には誰も住んなかったんだ。」
コナン「それも、書き換えられてたってこと?」
中森「ああ、多分な。」
かえって謎が増えてしまったようだが、コナンたちは警視庁をあとにすることになった。




その頃
俊也「じゃあ僕そろそろ帰るね。」
守「うん、来てくれてありがとう。」
俊也「バイバイ」
守「バイバイ」
ちょうどお見舞いに来ていた俊也が、守の病室をあとにしたところだった。

一人になった守は、クラスのみんなからのお見舞いの品をベッドの上に広げていた。それを見ながら同じクラスの友達のことを考えていた。

守「早くみんなにも会いたいな〜。」
そのとき、ピラッと、クラスメイトからの手紙のうちの一枚がベッドから落ちてしまった。
その写真はそのままベッドの真下に入り込んでしまった。
守「あっ」
左手に刺さっている点滴の針が抜けないよう気をつけながら体をベッドの左側から下に潜り込ませようと上半身を前にかがめた。
そのとき…

パリン!

窓ガラスを割り、ベッドの右側から守の頭のすぐ後ろを通り過ぎた弾丸が、ベッド左側の壁に着弾した。
守「え?」

パリン!!パリン!!

2発目の弾丸は点滴の容器と針を結ぶゴムチューブを切断し、さらに3発目はガラス容器に命中し、容器を大破させた。
ショックのため守はベッドから転げ落ち、その頭の上には破裂した点滴の容器のガラス破片が降り注いだ。
守の左手に刺された点滴のチューブの千切れた先からはポタポタと逆流した血液が垂れている。
窓の外を見ると、隣のビルの屋上から大きな銃が自分を狙っていた。

恐怖から守は病室から逃げ出していった。

守(ボクを車でひき殺そうとした人だ。)
無我夢中で廊下を走りながら、探偵団バッジでコナンたちに連絡を取ろうとした。
が、
「あら、どうかしたのかしら?ボウヤ」
それは、守を捕まえようとたちしたベンツの女(5010)だった。その5010が守の前に立ちはだかったのだ。

5010は看護師の服を着ている。変装して守に近づいてきたのであろう。
5010「大変、すぐに止血しなきゃ。」
女は守に向かってゆっくりと手を伸ばしてきた。

守は反射的にその手から逃げ出した。今度は自分の病室へ向かって走り出す。
だが病室に戻ってもまた銃で撃たれるかもしれない。
守は病室を通過し、廊下を走っていった。
走りながらバッジを操作しようとするが、気が動転しているためうまくいかない。
やがて行き止まりにたどり着いた。行き止まりにはリネン室がある。
そのドアの前で守はバッジでコナンたちに連絡を取ろうとした。そのドアに背を向けたまま…
リネン室のドアが音を立てずにスーッとあき、中から一本の手が伸びてきた。
その手にはハンカチのような物が握られており、次の瞬間、そのハンカチは守の口に当てられていた。
守「うぅ」
数秒後には守は完全に眠ってしまっていた。


第11章(コナン編)へつづく
<第10章金田一編はこちら>
<Gahal様のあとがき>
コナン編はコナンをメインとした守の争奪戦となります。
名探偵コナンキャラがメインになりますが、金田一キャラも少し登場します。
13章でまた金田一編と合流し、一つの物語に戻る予定です。

金田一側から茅警部と正野刑事が登場しました。ちょっとマイナーなキャラですが…
Gahal様のコナン&金田一final
おお!!2つの話しが同時に読めて進行形になっている・・・
コナン編にはあの白馬も登場していよいよ名探偵が揃い始めた展開にキッドの存在の大きさが伺えます!(にま)
さあ!今後のキッドの活躍を願って←どっちの味方だ(笑)byあっきー

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