コナン&金田一final
漆黒のモレンド 第9章
作:Gahal様

2月15日午前0時

毛利探偵事務所では、小五郎、蘭の2人はすでに眠りについていた。
コナンはというと、布団に入りはしていたが、電気スタンドをつけ、好きな推理小説を読んでいた。
そのとき、窓の外がうっすらと明るくなった。しかしそんなことは車が通ったりすればよくあることなので、いつも気にしなかった。

しかし、今日に限って暗くならない。おまけに、その窓の外には誰かのシルエットが映っていた。
シルクハットとマント…

その影にすぐコナンは気がついた。


コナン(この影は…)
コナンは横で眠っている小五郎を起こさないように窓に近づき、カーテンを開けた。
するとその人影は音もなくすばやく地上に降り立った。


それは紛れもなく怪盗キッドの姿だった。


コナンは急いで、しかし寝ている小五郎や蘭をおこさないよう静かに探偵事務所前の外に出た。
念のため、時計型麻酔銃をはめ、靴もキック力増強シューズを履いた。


キッド「よう、名探偵」
コナン「キッド!!」
キッド「驚かないんだな。俺は高層ビルの22階から転落したんだぜ。」
コナン「おめぇがそんなことで死ぬとは思えねえからよ。そんなことより、こんな夜中に何のようだ?」
そういいながらコナンは麻酔銃の照準をキッドに合わせた。

キッド「(俺のことをバケモノとでも思ってんのかコイツは?)今夜ここにきたのは、守のことで話しておきたいことがあってな」

それを聞き、コナンはキック力増強シューズのダイヤルを切(OFF?)にもどし、麻酔銃のフタも閉じた。

麻酔銃がしまわれたのを確認し、キッドは口元にニコッと笑みをうかべながら話しを始めた。
守を監禁していたのが8982と名乗る男だったこと。
北海道支部以外にも3つの支部があり、さらに所在地は不明だが、日本のどこかに本部もあるらしいということを・・・
それらは、全てコナンがまだ知らないことばかりだった。

コナン「なるほど…」
そうつぶやきながらコナンは守と話したことを思い出していた。(1章2章参照)

コナン「(ということは、太った関西弁の男は関西支部長の3281で、ベンツに乗っていた男は東京支部長の2208か
九州支部長の5648のうちのどちらかの可能性が高いってことか。
待てよ?それじゃあ、守を撃ったあの男は一体…?)
ところでキッド、おめぇといっしょに、BJCタワービルの22階の窓から落ちた男、あの後どうなったんだ?」
その言葉を聞いた瞬間、キッドの口元から笑みが消えた。そしてキッドは真顔のまま話し続けたのである。

キッド「それが今日ここに来た一番の理由さ。」
コナン「え?」
キッド「あの時は俺もあの男もハンググライダーを使って助かったんだが…そのあと何日か奴のあとを尾けることに成功したんだ。」


それは尾行を開始して2日目のこと。男は、東京都内の高級ホテルの一室(53階のスイートルーム)にいた。
男は誰かと電話をし、キッドは窓の外からその話し声を盗み聞きしていた。

「そうか、あのガキが8982の言っていたガキか・・・・・・・・・
だがガキは今のターゲットを始末してからだ・・・・・・・・今度は船上パーティだと?
さすがアイドル歌手。だがこっちにも都合がいい。
・・・・・・・・・・・そうか、お前の情報はいつも役に立つ。」

・・・・・・・・・・という部分は、たぶん電話の相手が話しているのだろう、キッドには聞き取れない。
それでも、男が船上パーティで速水玲香を殺そうとしていること、そして次のターゲットに守を選んだことがわかった。


キッド「あのとき男と守が出会ったのは偶然、そして守を撃ったのも偶然だったってことだ。
だが、すでに奴は守のことを知ってしまった。だから俺は速水玲香と沖野ヨーコの船上パーティに忍び込んで奴を止めるつもりだ。
出航は3月10日(土)午前10時、3月11日の午後2時までのクルーズだ。
俺はそれまで奴の尾行を続ける。その間、君には守のそばにいてやってほしいんだ。
奴に電話をかけていたやつが、いつ守を襲わないともかいらないからな。」
そのとき突然パトカーのサイレンが鳴り響いた。

おそらくスピード違反でもした車を追跡しているのだろうが、キッドは急いで探偵事務所の屋根に飛び上がり、ハンググライダーを組み立てた。
そしてコナンのほうを振り返りながら
キッド「じゃあな。よろしく頼むぜ、名探偵」
と言い残し、飛び立っていった。

コナン「お、おい待てよ…」
止めるまもなく、キッドの姿は見えなくなってしまった。

コナン「あいつ、知らねえんだな…守を狙ってる奴がほかに3人もいることを…」

そして、ゆっくり探偵事務所の階段を上がっていくコナン
コナン「心配すんなキッド。おめえに言われなくても、守は俺が守ってやっからよ。」

それから20日後の3月7日に守の意識が回復することになる。




2月27日

トゥルルルルルトゥルルルルル…
毛利探偵事務所で電話が鳴った。

しかし鳴ったのは探偵事務所の電話ではなく、コナンの携帯電話だ。
電話にでる前にディスプレイに表示されている発信者の電話番号をみる。

それは服部平次の携帯電話番号だった。

平次「おう工藤か?今ええか?誰もおらへんか?」
コナン「ああ。で、何のようだよ?」
コナンは不機嫌な声で聞く。この後いつも平次が茶化すからだ。しかし、今日はめずらしくまじめに続けたのだ。
平次「実はな、この間俺がそっち行った時、金田一の見舞いで米花不動総合病院にいったんやけどな。
そんとき守っちゅう子の病室にも行ったんや。」
コナン「守の?」
平次「ああ、金田一らと見舞いにな。あの子、お前さんの友達なんやろ?」
コナン「ああ」
平次「でもこの間京都にきたときにはおれへんかったやんか。」
コナン「あいつ、つい最近越してきたところだから。っていったい何の用なんだよ!!」
平次「その守っちゅう子の名前が、俺が見た新聞では間違えて載ってたんや。」
コナン「ただのミスプリだろそんなの。」
平次「ああ、俺も最初はそう思ったんやけど、帰ってから調べてみたら、一誌だけやなかったんや。
大手新聞社の全国紙、ローカル紙、スポーツ新聞、それから週刊誌もみんな間違うてた。それも、全てが同じ間違え方でな。
“かんざき”の“神”っちゅう字が“関西”の“関”ってな。」
コナン「何?」
平次「まあ、インターネットの大手新聞社のニュースサイトも見てみ。」
コナンは考えた。インターネットをするには、阿笠博士の家に行かなければならない。

コナン「いったん切るぞ。あとでこっちからかけ直すから。」
平次「おう、待ってるで」
コナンは急いで阿笠博士の家へ行き、早速インターネットに接続した。
そしてあらかたのニュースサイトを確認した後、平次の携帯に電話をかけた。

平次「おう工藤、どうやった?」
コナン「ああ、全部同じ間違え方だな。」
平次「やろ、で、どう思う?」
コナン「これは…調べてみる必要がありそうだな。」
平次「やな。俺もまたそっち行くわ。学年末試験が終わった後やから3月10日(土)、いや、3月9日(金)の夜にそっち行くわ。」
コナン「…ああ。俺もそれまでに調べられるだけ調べておくけど。」
そして2人は電話を切った。

コナン「3月10日か…」
コナンが毛利探偵事務所の階段のところまで帰り着いたとき、突然とてつもない大声が聞こえてきた。

小五郎「ぃやったああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
その大声に驚いた蘭・コナンは相次いで探偵事務所に飛び込んだ。

蘭「どうしたのお父さん。」
コナン「なんかあったの?」
小五郎は、手に何か封筒を持ち、口元をにやにやさせながらガッツポーズをとっている。

小五郎「当たったんだよ。3月10日の船上パーティのチケットが!!」
蘭「ああ、あの応募者多数のため抽選になったっていうチケット?」
小五郎「ああ、そうだよ。」
蘭「もーっ、そんなことであんな大声出さないでよ。びっくりするじゃない。」
小五郎「このパーティには沖野ヨーコちゃんと速水玲香もくるんだ。喜ばずにいられるかってんだ。」
コナン(…キッドが忍び込むって行ってた船上パーティか。)




3月9日(金)
金田一の家では…

金田一はバッグに荷物を詰め、横から佐木がそれを撮影していた。
佐木「いいな〜先輩。船上パーティに行けるなんて〜」
金田一「別によかないよ」
佐木「何言ってんですか。速水玲香に沖野ヨーコまでくるんでしょ?そのパーティ」
金田一「ああ、そうだけど…」
佐木「だったらメチャメチャいいじゃないですか。僕も行きたいですよ〜」
金田一「俺は遊びに行く訳じゃないんだ。米花ジョイシティで玲香ちゃんを襲った男がまたくるかもしれない。だから行くんだ。」

その日の夕方、服部平次と遠山和葉が毛利探偵事務所に到着した。
そして3月10日(土)



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<Gahal様のあとがき>
9章も完成しました。
ここで2つ本編の補足です。
「守の名前の読み方」…これは、8章平次編ラストで鈴子が言った「神崎守(こうざきまもる)」が正しいのです。
でもコナンたち、そして守本人などは「神崎守(かんざきまもる)」だとおもいこんでいるのです。

日付…日付の横の曜日を見ればわかると思いますが、実際の2004年のカレンダーとは一致しません。
これはわざと実際とは違う曜日に日付を設定しているからです。(ちなみにこの小説内の2月は28日まです。)
そして第10章では金田一少年の事件簿からAさんがいよいよ登場いたします。
Gahal様のコナン&金田一final
なるほどぉぉぉ!!!Aさんは次回に登場ですねー!←ぇ
次はコナン編と金田一編の2ストーリーが楽しめるようになってる〜☆
それにしてもやっぱりかっこいいキッド様(様ついてる?!)やっぱりキッドはこうでないと!
そして守るをコナンに守ってもらうように頼みにくるあたり名探偵を信用している証拠!よしっ(ぐっ←何)
そして舞台は船上パーティーへ!byあっきー

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